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【介護報酬特例】ショートステイを臨時の加算算定で支援 厚労省


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厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けている短期入所生活介護・短期入所療養介護に対して、事業の継続を支援する施策を新設しました。サービス提供のあった日数を3で割った日数に対して、「緊急短期入所受入加算」を算定できるようになります。算定要件など詳細を確認しておきましょう。

「緊急短期入所受入加算」の算定要件

緊急短期入所受入加算は、ケアプランにおいて計画のない利用者を、緊急で受け入れることを評価する加算で、単位数は1日あたり90単位です。

今回通知された特例で、ケアプランにおいて利用の計画がある利用者についても、1か月のサービス提供日数を3で割った日数分、緊急短期入所受入加算を算定できるようになります。短期入所生活介護・短期入所療養介護のサービスを提供するすべての施設・事業所が対象で、6月1日から適用されます。

具体的なルール

ケアプランにおいて利用の計画があり、今回の特例のみが適用される場合と、通常の緊急短期入所受入加算に今回の特例を組み合わせる場合とで、算定方法に違いがあります。

●特例のみが適用される場合
1か月のサービス提供日数を3で割った日数に対して、緊急短期入所受入加算を算定。

【例:短期入所生活介護/1か月のサービス提供日数が20日間】
①20日÷3=6.666…(端数切り上げ)
②7日間が対象となる
③20日分の基本報酬に、7日分の緊急短期入所受入加算を算定できる

●通常の緊急短期入所受入加算に特例を組み合わせる場合
短期入所生活介護を行った日から7日間(利用者家族に事情がある場合は14日間)は通常の緊急短期入所受入加算を算定。今回の特例により、残りのサービス提供日数を3で割った日数に対しても、緊急短期入所受入加算を算定できる。

【例:短期入所生活介護/1か月のサービス提供日数が20日間/緊急受入あり(利用者家族に事情なし)】
①20日間のうち7日間は通常の緊急短期入所受入加算を算定
②13日間に対して特例を適用
③13日÷3=4.333…(端数切り上げ)
④5日間が対象となる
⑤20日分の基本報酬に、7日+5日で12日分の緊急短期入所受入加算を算定できる


注:通常の緊急短期入所受入加算と今回の特例を組み合わせる場合は上限日数あり
・短期入所生活介護…合計14日分が上限
・短期入所療養介護…合計7日分が上限

「認知症行動・心理症状緊急対応加算」を算定している場合

認知症行動・心理症状緊急対応加算を算定し、残りのサービス提供日数を3で割った日数に対して、緊急短期入所受入加算を算定できます。

【例:短期入所生活介護/1か月のサービス提供日数が20日間/認知症行動・心理症状緊急対応加算を7日分算定】
①20日間のうち7日間を除いた13日間に対して特例を適用
③13日÷3=4.333…(端数切り上げ)
④5日間が対象となる
⑤認知症行動・心理症状緊急対応加算7日分と、緊急短期入所受入加算5日分を算定できる


注:認知症行動・心理症状緊急対応加算と今回の特例を組み合わせる場合は上限日数あり
・短期入所生活介護…合計14日分が上限
・短期入所療養介護…合計7日分が上限

算定の留意点

今回の特例を算定する場合の留意点として、下記が通知されています。
・必ずケアマネジャーと連携すること
・通所介護計画等とケアプランで、サービス提供回数の整合性を図ること
・区分支給限度基準額の取扱いに変更はないこと
・請求にあたって、事業所が作成する介護給付費明細書と、居宅介護支援事業所が作成する給付管理票のそれぞれに反映させること
・利用者が複数の事業所を利用している場合は、各事業所において、各サービス提供回数を算定基礎として算定を行うこと

また、今回の特例が通知された介護保険最新情報Vol.842では、通所介護など通所系サービス事業所に向けた介護報酬の特例も発表されています。

介護保険最新情報 Vol.842(6月1日通知)
新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第12報)

6月15日通知 介護報酬特例Q&A

Q.令和2年6月1日付事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第12報)」(以下、「第12 報」という。)において示された通所系サービス事業所・短期入所系サービス事業所における介護報酬の算定の取扱いについては、都道府県等からの休業の要請を受けて休業した事業所や、利用者・職員に感染者が発生した事業所、その他の利用者数の制限や営業時間の短縮等の臨時的な営業を行っている事業所のみに適用されるのか。

A.新型コロナウイルス感染症拡大防止への対応を適切に評価する観点から、上記事業所のみならず、感染防止対策を徹底してサービスを提供している全ての通所系サービス事業所・短期入所系サービス事業所を対象とすることが可能である。

Q.第12報における取扱いについては、6月サービス提供分より適用となるが、当該取扱いの適用の終了日については、現時点で未定なのか。

A.貴見のとおり。なお、当該取扱いを適用し請求する場合においても、通常の請求と同様、請求時効は2年である。

Q.第12報における取扱いを適用する際には利用者への事前の同意が必要とされているが、
① サービス提供前に同意を得る必要があるのか。
② 利用者への同意取得は、当該取扱いによる介護報酬の算定を行う事業所あるいは居宅介護支援事業所のいずれにより行うのか。
③ 利用者の同意は書面(署名捺印)により行う必要があるか。

A.
① 同意については、サービス提供前に説明を行った上で得ることが望ましいが、サービス提供前に同意を得ていない場合であっても、給付費請求前までに同意を得られれば当該取扱いを適用して差し支えない。(例えば、6月のサービス提供日が、8日・29日である場合、同月の初回サービス提供日である6月8日以前に同意を得る必要はない。)

② 当該取扱いによる介護報酬の算定を行う事業所、居宅介護支援事業所のいずれにより同意取得を行っても差し支えなく、柔軟に対応されたい。なお、当該取扱いを適用した場合でも区分支給限度額は変わらないことから、利用者への説明にあたっては、当該取扱いによる介護報酬の算定を行う事業所と居宅介護支援事業所とが連携の上、他サービスの給付状況を確認しておくこと。

③ 必ずしも書面(署名捺印)による同意確認を得る必要はなく、保険者の判断により柔軟に取り扱われたいが、説明者の氏名、説明内容、説明し同意を得た日時、同意した者の氏名について記録を残しておくこと。 また、当該取扱いを適用する場合には、居宅サービス計画(標準様式第6表、第7表等)に係るサービス内容やサービスコード等の記載の見直しが必要となるが、これらについては、サービス提供後に行っても差し支えない。

Q.第12報による特例を適用した場合、事業所規模による区分を決定するため、1月当たりの平均利用延人員数を算定するにあたっては、第12報における取扱いの適用後の区分ではなく、実際に提供したサービス時間の報酬区分に基づき行うのか。

A.貴見のとおり。

介護保険最新情報 Vol.847(6月15日通知)
新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて(第13報)

特集:新型コロナウイルス感染症 介護サービス事業者向け厚労省通知まとめ【随時情報更新】

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