【取材レポ】高額介護サービス費の見直し案 医療保険と足並み揃え上限アップへ


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12月16日の社会保障審議会・介護保険部会で示された高額介護サービス費の見直し案は「医療保険の自己負担の上限額に合わせる」として、自己負担の上限額を所得に応じて引き上げるという内容でした。見直し案の具体的内容について確認しておきましょう。

高額介護サービス費の見直し案

高額介護サービス費は、月々の介護サービス費の自己負担額が収入等によって定められた上限額を超えた場合、超えた分が払い戻される仕組みです。その見直し案の詳細は次のようになります。

●見直し案
▼年収約383万~約770万円…世帯上限額4万4,400円
▼年収約770万~約1,160万円…世帯上限額9万3,000円
▼年収約1,160万円以上…世帯上限額14万100円

現在、現役並み所得相当(年収約383万円以上)の利用者が自己負担する世帯上限額は、4万4,400円ですが、年収幅に応じて3段階に上限額をアップしていきます。

資料:第88回介護保険部会「参考資料2 介護保険制度の見直しに関する意見(素案)(参考資料)」より

見直しの背景には応能負担の考え方や、現役世代との負担の公平性の観点、医療保険とのバランスから足並みをそろえるべきといった意見があります。

また、全国健康保険協会理事長の安藤委員は「団塊の世代が75歳に差し掛かる2022年を前に、制度の持続可能性を維持する手を打つ最後のチャンス」と、今回の見直し案が提案通り実施されるよう訴えました。

高額介護サービス費とは別に、医療保険と介護保険の自己負担額の合算額が限度額を超えた場合に払い戻される「高額医療・高額介護合算療養費制度」との連動や調整は、見直し案には含まれませんでした。厚生労働省の担当者も「介護保険の側から医療保険側と調整する話は特にしていない」とコメントしています。

年間上限の経過措置(3年間)は終了の方向

2017年に行われた高額介護サービス費の改定で、同一世帯の中に市区町村民税の課税対象者がいる場合、自己負担の世帯上限額が3万7,200円から 4万4,400円へと引き上げられました。

引き上げに際して、介護サービスの長期利用者に配慮するため、一定の世帯は3年間に限り年間44万6,400円(3万7,200円×12か月)の上限額に据え置かれています。この経過措置についての利用実態が資料で示され、利用状況は高額介護サービス費全体の件数の約3%であることから廃止の影響は少ないと見られており、2020年度で予定通り終了する見込みです。

自己負担割合の判断基準は「引き続き検討」

介護保険の自己負担割合を3割とする「現役並み所得」、2割とする「一定以上所得」。負担割合の区分を決める判断基準の見直しについても、介護保険部会では議論が繰り返されてきました。

【取材レポ】医療の窓口負担が原則2割へ 介護保険の自己負担割合はどうなる?

これらの議論を経て、見直しについては「利用者への影響や医療保険制度との関係を踏まえつつ、引き続き検討を行うことが適当」と方向性が示されるに留まり、具体的な内容についての言及はありませんでした。

介護保険部会では、次期介護保険制度改正に向け、年内に取りまとめを完了させる予定です。引き続き議論の動向をチェックしておきましょう。

取材 :(株)エス・エム・エス 取材チーム

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