【レポート】第22回社会保障審議会福祉部会


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2019年7月23日、厚生労働省において「第22回社会保障審議会福祉部会」が開催されました。
「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」と「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」の2つの検討会より中間報告があり、最終取りまとめに向けて議論が行われました。

「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」中間報告

●地域共生社会とは
地域共生社会とは、「人びとの暮らしや地域のあり方が多様化している中、地域に生きる一人ひとりが尊重され、多様な経路で社会とつながり参画することで、その生きる力や可能性を最大限に発揮できる社会」とされています。

●取組の方針
1)断らない相談支援
2)参加支援(社会とのつながりや参加の支援)
3)地域やコミュニティにおけるケア・支え合う関係性の育成支援

多面的な支援体制を運用するためには、既存制度の縦割りを整理し、柔軟な財政支援が不可欠とされています。そのため、参加支援の具体的な内容や、支援体制のあり方、担い手の参画促進などが検討され、委員からは、地域の教育機関や民間企業の協力を得て若い世代の参画を促すべきなど、幅広い世代の参画促進の意見が出ていました。

「社会福祉法人の事業展開等に関する検討会」中間報告

●社会福祉法人の事業展開
地域の福祉ニーズが複雑化する中、社会福祉法人の役割を果たし続けるための事業展開として、法人間の連携・協働化、大規模化が有効な手段であるとされています。同時に、連携・協働化、大規模化については、あくまで希望する法人の自主的な判断のもと進められるべきであり、行政が強制力を持つものではない、ということが強調されました。

●取組の方針
1)社会福祉協議会を積極的に活用した連携の取り組みの促進
2)社会福祉法人が主体となる連携法人制度創設の検討
3)希望する法人が合併等に円滑に取り組める環境整備

3については、合併等の前例が少ないことから、所轄庁の手続きが煩雑であるという事例を鑑みて、合併・事業譲渡の事例を収集し、希望法人向けのガイドラインを策定するとしており、今後、具体的な環境整備について議論が進められます。
社会保障審議会福祉部会の委員からは、事業継続を優先することで、「国の福祉を担う」という社会福祉法人の本来の役割から離れないようにしなくてはいけない、という意見がありました。

まとめ

今回、議論された2つの検討会は、2021年の介護保険法改正に向けて、2019年度中に取りまとめるというスケジュールで進みます。社会保障審議会福祉部会では、介護事業所の経営に影響がある内容も議論されていますので、引き続き情報収集をしておくことが必要でしょう。

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