福祉の増進と医療の普及向上を推進する福祉医療機構(WAM)は14日、今年から実施されている介護報酬改定を受けて、現場にどの程度の影響が出ているのかを調査したアンケートの結果を公表している。

その結果によると22.4%の施設で賃金のベースアップが行われていることが明らかになったが、その増加分の支給は一時手当てなどの副次的な支給方法が主となっており、WAMでは現状を「介護職員処遇改善加算で捻出された分を恒久的な給与財源に回すことには、事業者の間でためらいがみられる」と分析している。
今後の収益の推移を各事業者がどう予想しているかを訪ねた項目では、対象の56.7%が「減収になる」との見通しを示していた。
すでに処遇改善加算の届け出を行っていると答えた事業者は全体の99.0%に上っており、制度の浸透率には問題がない状況が伺い知れたが、経営悪化などで処遇改善が困難な事業者のための措置である「特別な事情に係る届出書」の提出率は1.8%に留まっていた。
また今回のアンケートによると3割以上の施設で介護職員以外のスタッフの処遇も改善の方向に向かっていることが示されており、今後の介護業界の規模拡大を見通しても、公平性の確保の面で有意義な傾向が見てとれたともいえる。
(画像はプレスリリースより)
▼外部リンク
平成27年度介護報酬改定等の影響に関するアンケート調査の結果について
http://hp.wam.go.jp/Portals/0/docs/gyoumu/keiei/pdf/2015