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介護の文書削減、9つの事業者団体から要望ヒアリング

投稿日:2019年8月30日 更新日: 【カテゴリー:介護保険・政府

2019年8月28日、厚生労働省において「第2回社会保障審議会介護保険部会 介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会」が開催されました。

今回は、9つの事業者団体から文書削減への要望が述べられて、それをもとに議論が進みました。要望としては、「書類の様式の統一(ローカルルールの撤廃)」、「電子申請」、「ガイドラインの策定と周知」に関するものが多くあがりました。具体的な内容と今後の方向性についてご紹介します。

第2回介護分野の文書に係る負担軽減に関する専門委員会

【目次】

  1. 各団体に共通する要望
  2. 事業者団体と行政の認識の違い
  3. まとめ

各団体に共通する要望

今回、文書の負担軽減に対して要望を述べたのは、高齢者在宅協会、全国介護事業者連盟、全国個室ユニット型施設推進協議会、全国社会福祉法人経営者協議会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会、日本認知症グループホーム協会、日本理学療法士協会、日本リハビリテーション病院・施設協会(日本訪問リハビリテーション協会、全国デイ・ケア協会と3団体共同)の9団体です。

共通する要望としては、「書類の様式の統一」が最も多く、自治体ごとのローカルルールにより事務負担が増大しているという現状が報告されました。具体的な文書として、例えば「介護職員処遇改善加算計画書・報告書」について、事業所が通所介護と介護予防通所介護を行う場合に、都道府県と市町村に文書を提出する必要があるが、それぞれに様式が異なり複数作成する必要がある、といった事例が共有されました。これに関連して委員からは、10月にスタートする特定処遇改善加算についてもすでにローカルルールが散見されるという発言もありました。

事業所の名称や役員の変更時などに提出する「変更届」については、自治体によって全役員の押印を求める書類などがあり、期日である10日以内の届出が難しいという指摘がありました。様式を統一するとともに、指定申請、変更届、更新申請についてはWEB入力による電子申請を可能にしてほしい、などといった、電子化についての要望も各団体から多くあがりました。

指導監査関連文書については、自治体だけでなく担当者レベルで指導内容に差がある、といった指摘もありました。詳細なガイドラインの策定と順守が求められています。実地指導時に紙媒体で用意する書面の保管についても、保管場所の確保の課題が共有され、電子保管を希望する声があがりました。

事業者団体と行政の認識の違い

指導監査時に提出が必要になる、「従事者の勤務の体制及び勤務形態一覧表」について、事業所で独自に作成している勤務表の提出で代替できないか、という簡素化のアイデアもありました。これに対して行政側の委員は、確認に必要な事項が網羅されている勤務表ばかりではないため、対応が難しいという意見でした。

今回の事業者団体の要望の中には、行政側が適切に運営していることを確認するために必要な書類も混在していると思われます。どの書類が削減可能で、どの書類が難しいのか、今後は双方の要望をすり合わせていく作業が必要になってきそうです。

まとめ

今回の事業者団体からの要望は、前回の専門委員会で委員から提案のあった内容と大きな齟齬はなく、大枠の方向性は固まりつつあります。9月18日に行われる第3回以降で、行政側の要望とのすり合わせなど、具体的な議論が進んでいくでしょう。事業所の事務負担に直結する内容が議論されていますので、動向を把握しておきましょう。

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