人材確保のための実践的アドバイス―その2.採用・「未経験者歓迎!」と想いの見える化


投稿日: 更新日:

他事業所を一歩リードする「未経験者歓迎!」の言葉

今回も採用について引き続きお伝えします。

求人票の記載方法に加えて、求人票もしくは他の求人媒体において、何はともあれ、「未経験者歓迎!」の文言をぜひ謳っていただきたいものです。

 

私自身、長く介護施設で採用を担当していましたから、経営者の皆さまの、「経験者を採用したい」という気持ちはよくわかります。現場において、未経験者への教育は本当に大変だと思います。もちろん、可能であるなら経験者を採用すればよいと思います。しかし前回も述べたように、現在の介護業界の人材不足は相当深刻で、圧倒的な売り手市場です。経験者ばかりを追いかけていては、なかなか思うような結果を得ることができないでしょう。

 

このようななかで、「未経験者歓迎!」のワードはやはり、採用競争において、他事業所を一歩リードする強力な文言となり得ます。

 

もちろん、「未経験者歓迎!」と謳うからには、経営者としては心から歓迎しなければなりません。相手は初心者ですから、丁寧な教育がなければ、採用してもすぐに離職につながってしまいます。また、いくら「未経験者歓迎!」が魅力的なワードと言っても、さらにその言葉を裏付ける、フォローとなる説明がないと説得力にかけてしまうかもしれません。

たとえば、「これまでも〇〇人、未経験者を雇用してきました。今日まで離職せず戦力として十分頑張っていただいていますので、安心して飛び込んで来てください」とか、「未経験者を教育するシステムには自信があります。一つずつ丁寧に教育していきますから、ご安心ください」などの根拠となる文言も必ず織り込んでいただきたいと思います。

 

理念や運営のあり方に不満を覚えて離職するケースが意外に多い

次に挙げたいのが、「想いの見える化」です。あなたの事業所ではこの「想いの見える化」を実際にどれだけ行っていますか?

 

平成23年度の介護労働実態調査によると、「直前の介護の仕事を辞めた理由」の第1位が「法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」でした。
ひと口に介護労働者といっても、それぞれの職員がさまざまな価値観を持っています。賃金・休日等の処遇を最重要ポイントとして自らの職場を決める人もいるでしょう。しかし介護労働者は他の業界以上に「想い」で仕事をする人も多いのではないでしょうか。

 

このように「想い」で仕事をする介護労働者にとって、「法人の理念、経営者の理念の見える化」はとても大切です。

ハローワークの求人票には、「法人の理念、経営者の理念」を熱く語れるスペースはなかなかありませんが、自社のホームページやWEB求人サイトなどでは、ある程度のスペースがあるはずです。

 

なぜ、介護事業所を興そうと思ったのか? 自らの事業所を通じて、ご利用者のために、社会のために、これから「どのような価値をどういった方法で」提供していきたい、と思っているのか? また経営者自らの介護観などを示すことも重要です。そして、現在の活動・今抱いている信念に至る「歴史」や「理由」を、「自らの言葉」で包み隠さず話すことにより、人を大きく惹きつけることとなります。

 

包み隠さず、というからには、介護事業所を始めた当初の失敗談なども遠慮なく記載したほうがよいでしょう。その後の経営努力と工夫によって今日に至っている、というストーリー展開(映画などでよくあるパターン)のほうが、より読み手の親近感が増すと言われています。こういった失敗から転じてサクセスストーリーへといったエピソードを入れることも、求職者をぐっと惹きつけるポイントです。

 

このような「経営者の想いの見える化」は求人だけでなく、ご利用者獲得の営業の際にも通じます。自社のホームページにも。ぜひとも掲載していただきたいところです。

次回も引き続き採用について述べます。



実地指導の準備はお済みですか?
実地指導に向けて対策しておくべきポイントについて、わかりやすくまとまっているPDF資料を、ぜひご活用ください。

-

執筆者:

関連記事

no image

三浦康孝さん(湘南デイサービス代表)老人ホームでの経験を経て、人との出会いが起業(立ち上げ)のきっかけにvol.1

「湘南デイサービス」は、小田急線・本鵠沼駅より徒歩15分。古民家を改装した小規模デイサービスです。まるで誰かの家に遊びにきたようなアットホームさと“ワンちゃんと触れ合えるデイサービス”として、周辺地域 …

no image

平成29年1月からの法改正等について

平成29年1月から、労務管理上重要な法改正等がある。今回は、当該法改正等の内容について確認するとともに、そのポイントについてお伝えしたい。 目次1 65歳以上の職員への雇用保険適用が拡大に2 65歳以 …

no image

サ高住の運営スタイルが変わる!? 有料老人ホーム標準指導指針の改正による影響とは

目次1 サ高住の取り扱い見直しについての経緯2 サービス付き高齢者向け住宅の取扱いの見直し3 サ高住運営事業者さんが気をつける3つのポイント4 サ高住の職員配置について サ高住の取り扱い見直しについて …

no image

物損事例にみる、損害賠償の仕組みの基本と対処法(その2)

前回、「在宅サービス中、ご利用者宅の壁紙を傷つけてしまった」という事例を元に法的責任追及のメカニズムについてご説明しました。参考までに事例を再掲します。 目次1 在宅での物損事例2 これが「損害賠償の …

no image

人材確保のための実践的アドバイス―その13 求人ターゲットを定めるには、柔軟な発想も時には必要

今までの記事では、人材確保の際の「打ち手」について説明してきたが、今回は、求人ターゲットの定め方について、解説したい。そのためには、少し視点を広げ、従来にない柔軟な発想が必要だ。その発想のポイントとは …