「介護労働の現状について」平成26年度介護労働実態調査の解説


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今後ますます人手不足に拍車がかかる?

介護業界のセミナーにおいてよく取り上げられるテーマの一つに採用があります。どの事業者さんに聞いても大体は人手不足という回答があるからでしょうか。

6月24日に発表された厚生労働省資料 2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)についてという資料を見てみると2025年段階での介護労働者の需給ギャップでは37.7万人不足するという予測が出ております。

37.7万人不足と言われるとやはり介護業界は大変な仕事だから成り手が少ないし、労働者の確保が大変だと思われるかもしれません。

 

しかし、労働者の確保はなにも介護業界に限ったことではなく日本全体の産業で今後深刻化する大きな問題の一つです。というのも、これから30年間に渡って日本の生産人口と言われる15歳?64歳の世代がどんどん減少していくためです。どれくらい減るかというと7,800万人から4,700万人と30年間で3,100万人も減少すると予測されています。年平均で100万人以上の労働者がいなくなるわけです。

もちろん人から機械、ロボットに産業が移る業種などもあると思いますが、労働者の確保という観点で考えればどの産業においても今後は人手不足に陥るということになります。

都市部ほど介護労働者の確保が難しい!!

2025年に向けた介護人材にかかる需給推計において37.7万人不足する予測となっておりますが、その内訳を細かく見てみると都市部ほど需給ギャップが大きいということがわかります。東京35,751人、大阪33,866人、埼玉27,470人など1万人以上の需給ギャップがあるところは広島を除く7大都市及び関東近郊という内容になっております。

反対に島根326人、佐賀605人など地方ではそれほど需給ギャップが生じておりません。結局の所、人口が集中し、産業が集中する都市部では労働者の就業先の選択肢が増えるため介護労働者の確保という点において需給ギャップが大きく生じることになります。

 

都市部の事業者さんはこの点を理解した上で採用戦略を練る必要性があります。採用においては同業者が競合であるという認識だけでは済まないのです。ほとんどの労働者が転勤等を望まない地域(地元)の方であるなら同様に地域(地元)の方を採用するスーパーのレジ、飲食店スタッフ等、他業種が競合であるという認識を持たなければいけません。

今回発表された平成26年度介護労働実態調査には8,317事業所が回答に協力しています。訪問系が全体の36.5%、施設系(入所)28.5%、施設系(通所)34.1%となっております。予防を除く事業所総数が約200,000あるため全体からみれば4?5%の事業所の回答といったところです。
・1年間の離職率

訪問介護員の正社員の離職率が18.0%となっており、非正規社員は12.8%となっている。

反対に施設系などの介護職員については非正規社員の離職率が22.6%となっており、正社員の離職率は14.8%となっている。
・離職者の勤務年数

離職者の約74%が勤務年数3年未満となっている。内訳としては1年未満の者が40.1%、1年以上3年未満の者が33.8%となっている。これは非常に注視すべき内容であり、ここの離職者をいかに定着させるかが今後事業を行っていくうえでのポイントになると思われます。

・従業員の不足状況

従業員の過不足に関しては不足感があるとの回答が59.3%。不足している理由としては「採用が困難である」との理由が72.2%。採用が困難な主な理由は「賃金が低い」が61.3%となっている。

・労働者の賃金

労働者の所定内賃金は215,077円となっており、平成25年度が212,972円だったことに比べると3,000円弱増えている傾向になる。ただし、労働者とは訪問介護員、サ責、介護職員、看護職員、ケアマネ、生活相談員、PT、OT、ST等なども含む。
訪問介護員だけで見てみると187,128円となっており、平成25年度が188,208円だったことに比べると1,000円弱減っている傾向にある。
介護職員は196,131円となっており、平成25年度が194,709円だったことと比べるとこちらは1,500円程度増えている傾向にある。
・労働条件等の不満(労働者回答)

労働条件等の不満においては「人手が足りない」が48.3%、「仕事の内容のわりに賃金が低い」が42.3%「有給休暇が取りにくい」が34.9%で上位に来ています。この辺は定着と密接に関わってくるところですが、人が辞めていくから人手が足りない。足りなくて大変だから辞めるという負の連鎖に陥らないようにしないといけませんね。ただ、経営者さんは本当に人手が不足しているのかどうかは見極める必要性はあります。現場は常に人手不足を主張するからです。
・介護事業等収入に占める人件費割合

平均指数(%)  訪問系:71.6%  施設系(入所型):59.2%  施設系(通所型):61.9%となっている。他産業と比べると介護は人件費割合が高い業種であるが訪問系の71.6%はもう少し抑える方策を取らないと通常で考えれば今回の改定で事業が成り立たなくなる可能性も出てくる数値である。

上記内容は主だったものを抜粋しておりますので、良ければ資料を一度ご覧ください。

 

都市部ほど介護労働者の確保が難しい!!

データはあくまでアンケートに答えた事業所の平均値ですから、自社の現状とデータを比べて一喜一憂するのではなく、この内容を自社の採用・教育・定着戦略にどのように活かすかが重要になってきます。

 

採用・教育・定着戦略はそれぞれの別の戦略でありながら三位一体のものでもあります。採用だけ上手くいっても教育せずに定着させなければまた採用の繰り返しになります。ただ、その場合はそのうち採用もなかなか上手くいかなくなることが多いです。

勿論、定着したから採用しなくて良いということではなく、7月14日のコラム『介護サービスについて事業経営の規模の拡大を示唆!! 経済財政運営と改革の基本方針2015』で記述したように今後、国の方針は規模の拡大をしていけです。規模の拡大をしていこうと思えば自ずと人を採用する必要があります。

 

人が辞めたから採るという行き当たりばったりの形で行っているうちは採用戦略になっていません。自社に必要な人はどんな人材かを定めるところからが第一歩となります。

 

採用・教育・定着戦略は一朝一夕でできるものではありません。毎年毎年の積み重ねによって少しずつ出来てきます。しかし、戦略がない場合は積み重なるものがないのでとりあえず策定することをお勧めします。

 

宣伝になりますが11月に名古屋と福岡でカイポケセミナーとして「採用力」強化セミナーを行います。参加費無料となっておりますので、お近くの方は是非ご参加頂ければ幸いです。

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