介護事業所の人財育成-3

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理念と直結した行動基準をつくる重要性

弊所がお手伝いするときには、基本6回にわたる研修でこれらのことを徹底的に学んでいただくのだが、のど元過ぎれば何とやら、時間が経つときれいさっぱり忘れてしまうのが人間である。

 

そこで、せっかく向上した人間力を維持し、さらに高いレベルを目ざすためにご提案しているのが「モデル行動による行動基準づくり」である。

http://www.acty-kaigo.com/service/careerpass.php
「モデル行動」とは、その法人またまたは事業所の理念と直結した行動基準のことである。

 

理念には、次の3要素が含まれていなければならない、と私は思っている。
1.社会的存在価値=ミッション

皆さんの法人、または事業所は、何のために社会に存在するのだろうか? その存在価値とは? ぜひこれを明確にしてほしい。よく介護保険法の理念をそのまま引用している事業者を見かけるが、それだけでは不十分だと思う。創業の経緯や経営者の人生観・価値観、それぞれが置かれた地域や役割、目ざすものによって、「ミッション」は違って当然だからだ。
2.こだわり

自分たちは、ご利用者、さらにはそのご家族の満足のために、何にこだわっていくのか。他の事業者に比べて、ここだけは絶対に負けない! というこだわりがあるとないとでは、職員の行動がまったく異なってくる。

とにかく一つでいい、「これだけは」というものを決めおくことは、とても大切なことだ。
3.行動指針

これは、1のミッション、2のこだわりを職員の行動面から実現するための指針である。(私がお手伝いする場合には、「人間力の要素一覧表」というものの中から、理念に沿う「行動指針」を8項目選んでもらっている。)

上記1~3までを具体例にすると、次のようになる。
※ミッション※
私たち○○(事業所名)は、お客様の「やりたい」「行きたい」「こうありたい」という「たい(思い)」のある人生を大切にし、その実現のお手伝いをするために存在します。

※私たちの共通語・こだわり※
心のオアシスで、セカンドファミリーとともに!
①サービスのプロとしての介護人間力
②ワクワク・ドキドキ・感動のある人生

※行動指針※
①思いやり ②笑顔と「ありがとう」 ③整理・整頓(中略)⑧チーム力

裏付けとなる行動をもとに、具体的なレベルに落とし込む

ここまでできたら、この行動指針を具体的な形(表情・態度・所作・言葉・行動)として表現した「職員の行動基準」を作っていく。作成は、管理職や各職種の長となる人物数人が、話し合いながら行っていただきたい。(組織が小さな場合は、現場の職員に参加してもらってもよい)

 

たとえば、上記行動指針の「①思いやり」について、どんな行動がふさわしいか皆で考えてみる。

 

「うちの事業所で一番思いやりのある人って誰?」
すると、特定の人の名前が1~2名あがってくるはずだ。
そうしたら今度は、「なぜ?」と考える。
すると「彼女は、事業所へ来るといつもご利用者に目線の高さを合わせて、ニコニコしながら優しく言葉がけしてるよね。なかなかできることじゃないよ。」

 

こうした「思いやり」があることの裏付けとなる具体的な「形」(表情・態度・所作・言葉・行動)を話し合い、これをもとにして「モデル行動」を文章化していくのだ(一つの行動指針について3項目ずつ設定)。

 

これが完成したら、「ミッション」「こだわり」「その他経営者の想い」とともに「モデル行動カード」(弊所ご提案は三つ折りにした8面からなるカード)を作成し、職員全員が携帯、事あるごとに唱和したり、それを見て自らの行動指針とする。

 

職員を褒めて育て上げ、キャリアパス要件にも応用する

さらに、モデル行動を人事評価の対象とするための評価表を作る。これをもって昇給、昇格または賞与の査定に用いることで、嫌がおうでも職員は、事業所の理念に沿った「人間力の高い行動」を身に付けていくのである。


※評価表のダウンロードはこちら

そしてもう一つ大切なことは、モデル行動を真面目に実践した職員のことことを、皆の前で褒めるということだ。モデル行動を実践すると、実際にご利用者やご家族、または来訪者から感謝されたり、褒められることがびっくりするほど多くなる。なぜなら、そうした反応が起きる行為を組み入れてあるからだ。

「そうか、モデル行動を実践すると、利用者様にこんなに喜んでもらえるんだ!」と嬉しくなるうえに、事業所内での評価も上がるとなれば、みな、嬉々として実践するというわけだ。

 

この「モデル行動」は、処遇改善加算におけるキャリアパス要件としても応用ができる。「理念がなかなか浸透しない」「職員のサービスの質があがらない」と嘆いている事業所の皆様に、ぜひ参考にしていただきたい。

 

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