人材確保のための実践的アドバイス―その1.採用・求人票の書き方


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「人」で成り立つ介護事業だが、人手不足は深刻な実情

介護事業所は完全な労働集約型産業で、まさに「人」で成り立っている業界です。にもかかわらず、介護事業所の人手不足は深刻そのものです。本年1月の朝日新聞の記事によると、東京都の介護職員の有効求人倍率は4.34倍。全国の全産業の平均が概ね1~1.2倍程度で推移している現状を鑑みると、これは異様な数字と言えるでしょう。

 

また、厚生労働省の発表によると、2025年には、介護職員が約30万人不足する見通しです。マストマガジンの読者の皆様は、介護事業所の経営層、あるいは人事部門の責任者等の方々が多いと思いますので、あらためて申し上げるまでもなく、十分にそのことを実感されていることでしょう。
このように、圧倒的な人材不足が叫ばれる中で、どうやって人材を獲得していったらよいのか?

結論から言いますと、「これだ!」という決定的な手立てがある、というほど簡単な話ではありません。
介護保険制度という枠の中で経営をする以上、他の事業所に比べ圧倒的に差をつけた処遇を職員に行うことは、現実的には難しいでしょう。だとすれば、「有効だと思われる手段」を「複合的にかつ継続的に」打ち続けるしかありません。

この「有効だと思われる手段」とは何か? 私の考える手段をご紹介します。

 

求職者は給与の額だけを見ているのではない

まず1つめは、求人資料の作成についてです。

私はこれまでに、さまざまな求人票を拝見してきました。「すばらしいな。」と感じる求人票がある一方で、「残念だな」と感じる求人票も多数見てきました。

 

読者の皆様は、実際にどのような求人票を作成していますか?

求職者は、求人票を見る際に、実は、給与の部分だけを見ているわけではありません。求人側が思うよりも、はるかにさまざまな角度から、これから自分が働こうとしている介護事業所を選択しているのかもしれません。ですから、多様な角度から求職者にアピールをしていく必要があります。

 

細かく具体的に仕事内容が記載されているか?

その際に、まず重要なのが仕事内容です。

求職者がわかりやすいように、細かく仕事内容が記載されていますか?

未経験者はもちろんのこと、経験者であっても、仕事のやり方は事業所によって違います。求職者が求人票を見て、仕事の具体的なイメージが湧くような業務内容が記載されていることが望ましいでしょう。

 

「介護業務全般」などと記載されていませんか? 食事、入浴、排せつ、居室清掃、買い物、散歩の付き添い、デイサービスの送り出し等、可能な限り具体的に記載するように努めましょう。さらにそこに具体的な数字を折り込むと求職者にとって、なおさらイメージしやすくなるかもしれません。
利用者数、職員数、そのうちサービス提供責任者は何人か、1訪問あたりの平均業務時間、要介護者と要支援者の割合、訪問地域はどのあたりまでか、どういった業務内容が一番多いのか等、求職者の「不安」に対してどれだけ先回りできるかが大変重要です。

 

イキイキと働け、利用者にも喜ばれる、将来性が見える事業所であることを訴求

次に配慮したいのが、会社の特長です。

 

ともすると、介護保険法の条文をそのまま引用したものや、妙に小難しく記載されていて、何が言いたいのかよくわからないものが多く見受けられます。

求人票には文字数制限がありますが、会社の特長を表現するポイントとして、従業員が気持ちよくイキイキと働く様子やご利用者が喜んでいる雰囲気が伝わるものがよいでしょう。また今後の事業所の目ざす方向などを記載するのもよいかもしれません。

 

わかりやすい「自分の言葉」で伝えるたほうが、訴求力は断然高まります。

 

特記事項や備考欄も訴求の大事なポイント

特記事項や備考欄も非常に重要です。

せっかく欄が設けられているのですから、利用しない手はありません。ここには、求人票の通常の欄に記載しきれなかった事項で、なおかつ補足としてぜひ伝えておきたいことを記載します。

 

例えば、「土・日・祝日・年末年始は時給○○円プラス」や「資格取得支援のための費用○○円補助、研修受講のため特別有給休暇付与」または「独り立ちするまではマンツーマンで丁寧に指導するのでご安心ください」などの記載もよいと思います。

 

次回も引き続き、「採用について」お話しします。

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