介護ラボしゅう、継続するために行ったこと:後編

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当日配布物
会の進行をスムーズにするため、さらに参加者への情報共有のためにも配布物を準備することは有効です。下記のようなものを準備することをお勧めします。
①レジュメ
・当日の流れやテーマ、約束事などを記載します。
②参加者名簿
・参加申し込みを基に作成。受付をスムーズにし、準備物の数確認にも役に立ちます。また次回以降の連絡にも使えますので、リスト化しておくとより便利です。
③アンケート
・参加者の声を聞き、振り返りをするためにも是非準備することをお勧めします。回答時の負担が少なくなるよう選択させる項目を多くし、記載ボリュームは少なくなるように構成することが良いと思います。
実際に参加者の方々の声からテーマや改善点をいただくこともあります。
④メーリングリスト
・開催連絡や参加お礼を送るために用意しておくと便利です。最近はfacebookがあるのでfacebookを活用することも重要です。
コンテンツを増やす
一つのスタイルを継続して開催していくことも良いと思いますが、アイデアに行き詰ることもあると思います。私もその一人でした。
そういった場合に備えて、コンテンツスタイルをいくつか持っておくと良いと思います。介護ラボしゅうでは、まず一年の開催スケジュールを考えた上で、いくつかのコンテンツを定期的に開催できるように組み立てていきました。
コンテンツのスタイルをいくつかご紹介します。
①講師を呼ぶ
介護ラボしゅうは「対話の場」を基本としていますが、介護に携わる上知っておきたいことを教わることも必要だと思い、講師に来ていただく会を定期的に入れ込んでいます。
これまで講師としてお越しいただいたのは、介護現場の人ではなく他業界や近しい業界の方たちです。
例えば、柔道整復師の方に「怪我をしない身体作り」を教えていただいたり、カラーセラピストの方に「色カルタを使ったコミュニケーション手段」を実践を交えながら教わったり、車椅子を使って生活をしている方に「海外と日本の日常生活での住みやすさ・住み難さ」を講演頂いたりしました。
講師の方には申し訳有りませんが、お金がなく講師料をお支払いできないので、熱い想いをお持ちで無料で講師を引き受けてくださる方に、ご相談の上承諾をいただいています。
まずは知り合いづたいで探してみるのが良いかと思います。
②交流会
夏と年末の年に二回程度、交流会という名の「飲みニケーション」の場も開催しています。
対話や講義の場ですと、多くの方とお話しすることはなかなか難しいものです。そこで、出会いの場、相談の場になるように交流の会を設けています。事業所を超えたところで出会いや繋がりを増やしていくことが、仕事のやる気や自身の介護の見直しに繋がると考えています。
是非、たかが飲み会とは思わずに横の繋がりを増やしていくためにも開催をオススメします。
③対話の手法
グループワークでは、対話の手法がいくつもあります。
私が現在使っているのは、KJ法のエッセンスを使ったもの、ワールドカフェのエッセンスを使ったものです。この詳細は、次回お伝えしたいと思います。
私のように会の運営方法がわからなかったり、どうしたら参加者同士が対話しやすくなるのだろうかとお悩みの方は、是非対話の手法を使うと良いと思います。解決の近道になると思います。
ルールが簡単なものは、すぐに運営に取り入れられると思いますよ。
主催者の雰囲気作り
私は、できるだけ初めての人でも参加しやすい環境作りを意識しています。初めてのところに行くのは、とても緊張しますし、知り合いがいないと、少しながら不安を感じることがあります。
初めての参加者が、何度か参加した人ともコミュニケーションが取れるように、さりげなく間に入って繋いだり、声かけを行ったりしています。
また、ワークショップ時は、席は自由にしていますが、初参加の方が座席で困っていたら、話しが繋がりそうな、年齢や業務内容などの共通点がある人の近くを勧めたりしています。
誰もがほっとできる、緊張感のない環境作りが参加者にとって安心につながります。
上記のようなことを、時間をかけながら学び、実践していきました。 介護ラボしゅうは動かしながら形を進化させていきました。現在も進化の途中だと思います。
100点満点と思える準備をしてから始めるのも良いかと思いますが、動かしながら進化させていくことでも良いかと思います。
「やりたい」とかいう気持ち・熱量がある時こそ動くタイミングです。ぜひ自分の熱量を武器に動いてみることをお勧めします。
介護ラボしゅうは、現在では毎回20名前後の方々が集まってくださいますが、最初の頃は5人とか8人など10人に達しないことは、ざらにありました。
その頃は「どうしたら人が集められるだろうか」と集客のことばかり考えていました。人が集らないことに変な焦りを感じるばかりで、大事な部分が疎かになっていたように思います。
ある100名もの福祉職の集まる場で偶然お話しした社長さんが仰ったことが心に残っています。
「人を集めるんじゃない」「人が集まるんだよ」と。
私ははっとさせられました。自分の意識は間違っていた。大事ことは、そこに集まっている人が満足して帰ること。「参加してよかった」と思ってもらうことです。多くの人が集まっていることが良いのではなく、参加した人の満足度を高くすることが重要で次につながるのです。
次回は、「対話の場」を運営していく上で、参加しやすい対話の手法を、介護ラボしゅうスタイルでご紹介したいと思います。
※介護ラボしゅうのWebサイトはこちら
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執筆者:中浜崇之