7月から始まった有料老人ホーム設置基準改定のポイントについて


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有料老人ホームの定義

平成27年3月30日に厚生労働省より有料老人ホーム標準指導指針の改正通知が各自治体に発出された。適用始期は7月1日よりとなっており、各自治体では例えば今まで使用していた重要事項説明書とは違う書式での記載を求められるなどの取組が始まっています。

 

そもそも有料老人ホームと一口に言っても、4種類のタイプがあることや有料老人ホームの定義を皆さんはご存知でしょうか?

 

有料老人ホームとは厚生労働省が定める老人福祉法において、「老人を入居させ、入浴、排せつ若しくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活必要な便宜であって厚生労働省令で定めるものの供与をする事業を行う施設であって、老人福祉施設、認知症対応型老人共同生活字援助事業を行う住居その他厚生労働省令で定める施設でないものとされています。

端的に言えば、特養やグループホームなどを除いて、居住+なんらかのサービス提供を行えればそれはすなわち有料老人ホームの内容に該当してしまうということです。

 

有料老人ホームの種類

有料老人ホームにおいては、介護保険における「特定施設入居者生活介護(介護予防、地域密着型を含む)」の給付を受けることができる「特定施設」として、自ら介護を提供する役割を有している施設、所謂「介護付き有料老人ホーム」がある一方で、訪問介護や通所介護などの外部の居宅サービス等との連携を強化している施設、所謂「住宅型有料老人ホーム」も増えているなど、その内容は多様化しています。

有料老人ホームの定義を上記類型で、広義の順で並べると健康型≧住宅型>介護付きとなります。健康型は例えば高齢者が住んでいる建物の1階に同一オーナーが食堂などをやっており、食事サービス提供をすると有料老人ホームの定義に当てはまってしまいます。

 

一般的に有料老人ホームといえば「介護付き」を連想することが多いですが、何故かと言えば「介護付き」の設置基準枠がまだ比較的簡単に取れた時代に多くの施設が先行して出来たためであり、数としては一番多かったためです。

 

しかし、「介護付き」の枠がなかなか容易に取れなくなってきて、類似形態として事業を行う形、もしくは「介護付き」に比べて設置基準が緩く、入居者さんに安価な形でサービスを提供できる「住宅型」が近年は増えてきている傾向にあります。

 

ただ、近年の問題として、実態としては有料老人ホームであるが建物の設備基準を満たさないものや、有料老人ホームの定義を満たしていても未登録という事例が増加しています。また、サ高住との位置づけの明確化が求められていたり、入居者が自由に居宅サービス等を選ぶことを阻害していると疑われる事例が見られることなど、有料老人ホームの運営に対する課題が生じている実態があり、それらを是正するために今回の改定となりました。

 

改定のポイント

今回の主要な改正点は3つ。

①届出の促進に向けた規定の適正化

②外部サービスを利用者が自ら選択できる環境の構築

③サービス付き高齢者向け住宅の取扱いの見直し

①届出の促進に向けた規定の適正化とは、設備基準を満たしていなことを理由に無届有料老人ホームが増えている実態を改善するために、設備基準等の緩和を図っています。

 

・居室の床面積:13㎡以上

・浴室・便所のバリアフリー化、緊急通報装置の設置

・廊下幅:原則1.8m以上

 

上記のような基準に適合がしていなくても、代替措置の確保、改善計画の策定、都道府県知事の個別判断があれば指針に適合するという形になるそうです。

 

中古物件の活用や無届有料老人ホームを減らすという観点から考えれば、この措置は歓迎されるべきことではないかと思います。

②外部サービスを利用者が自ら選択できる環境の構築とは、住宅型有料老人ホームを運営する会社と訪問介護やデイサービス等を運営する同一法人であった場合に、利用者さんに強制的なサービス利用を求める囲い込みを禁止するということです。

 

あくまで、外部サービスの利用に関しては利用者さんの望むべきところを尊重してもらうようにしましょうということです。

勿論、利用者さんが望んで住宅と外部サービスを同一法人に依頼する場合はなんの問題もありません。

 

③サービス付き高齢者向け住宅の取扱いの見直しとは、現行の標準指導指針では、「サービス付き高齢者向け住宅」は有料老人ホームに該当しても適用対象外としているが、食事等を行っているサ高住は、老人福祉法上は「有料老人ホーム」として取り扱われることから、標準指導指針の対象として位置付けるとして見直しされました。

 

これはサ高住を運営している95%以上の法人が食事等の提供をしていることが要因となっております。

 

これによって食事提供をしているサ高住は「有料老人ホーム」と同じ標準指導指針が適用されることとなります。(詳細内容は下記図より)

以上のように今回、改定された標準指導指針の内容のポイントを解説しましたが、これはあくまで厚生労働省が発出した指針であり、各都道府県、政令指定都市、中核市ごとにこの内容を基に地域の状況に応じて定めて下さいとなっております。

 

結局のところ事業を行う場合であったり、現在無届であったりする場合は事業を行っている市町村もしくは都道府県の指導指針を確認しなければいけませんのでご注意を。

 



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