転換期の介護事業


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介護という事業はこのままでいいのか?

一つは財務省が火をつけた形となった「介護事業は儲け過ぎ」論である。

今回の介護報酬改定にあたって、財務省はマイナス6%程度の改定を求めた。介護事業全体の平均収支差額は8%、かたや一般の中小企業の平均収支差額は2~3%というのが、その根拠だった。結局は2.27%のマイナス改定でおさまった。その改定幅が妥当なものだったかどうかはともかく、マイナス改定となったのは、特別養護老人ホームをはじめとする介護事業が数字上はそれなりに利益を上げているというのが、拠り所となったのは間違いない。

 

もう一つは、2000年に始まった公的介護保険が今回、これまでにない改革となることにより、介護事業のあり方に否応なく大きな転換が迫られていることによるものだ。

今回の改正の柱は、要支援1と要支援2と認定された高齢者へのサービスのうち、訪問介護と通所介護を市町村による「日常生活支援総合事業」へと移行させる。全国一律だった介護保険のサービスを市町村によるサービスに移すことによって、報酬設定も、サービスの内容も、担い手も柔軟に工夫できるようにした。例えば、介護専門職ではないスタッフも活用できる。NPOやボランティアの参加も積極的に進める。

 

市町村にとっても「地域」が生き残るか正念場である

団塊の世代が75歳を迎える2025年に向けた取り組みの成否は市町村にとっては地域の生き残りをかけた取り組みになる、と筆者は介護保険運営協議会の会長を務める東京都小平市や東村山市などの会議で言い続けてきた。

公的介護保険による規制は不自由な面もあった反面、事業所にとっては、その規制の枠内でやれば、なんとかビジネスとしては成り立つ。そんな面もあったのではないか。

これからは、介護事業所のマネイジメント力、コーディネート力もこれまで以上に問われることになろう。

 

どうすればいいのか。障害者支援に取り組む東京都小平市の社会福祉法人の理事長を3年前から務める筆者にとっても、それは他人ごとではない。本欄で、自らの問題としても考え、問題提起していきたい。

 



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