地域支援事業、新しい介護予防・日常生活支援総合事業の狙いとは


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新しい介護予防・日常生活支援総合事業とは?

4月から始まった新しい介護予防・日常生活支援総合事業、言葉はよく聞くけどイマイチ良くわからない。そもそも地域支援事業って?と思う方もおられるかもしれない。

 

地域支援事業とは今から10年前、平成17年改正で導入、平成18年度から施行された事業で、保険者である市町村が要介護・要支援認定者のみならず、地域の高齢者全般を対象に、地域で必要とされているサービスを提供するという仕組みである。

 

地域支援事業は介護保険制度の中の事業の1つであり、平成23年度では約1570億円の給付がなされている。

※介護保険制度は①要介護者(1~5)に対する介護給付、②要支援者(1・2)に対する予防給付、③地域の高齢者に対する地域支援事業という3構成になっていた。

 

また、平成23年改正、平成24年度から施行されたものとして、市町村の選択により、「地域支援事業」において、要支援者・ 2次予防事業対象者向けの介護予防・日常生活支援に資するサービスを総合的に実施できる事業として(「総合事業」)が創設された。

 

そして今回、地域包括ケアシステムの構築における重点化と効率化において、全国一律の予防給付(訪問介護・通所介護)を市町村が取り組む地域支援事業に移行という形になった。

新しい介護予防・日常生活支援総合事業とは資料をみて頂くとわかりやすいが、今まで地域支援事業で行われていた、要支援、要介護以外の地域の高齢者に行われていた、介護予防事業又は介護予防・日常生活支援総合事業から、要介護以外の方に対する多様なサービスを展開する事業と理解して頂ければ良いと思う。

 

新しい総合事業の目的・考え方

総合事業は、市町村が中心となって、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、地域の支え合い体制づくりを推進し、要支援者等に対する効果的かつ効率的な支援等を可能とすることを目指すものとされている。

 

①多様な生活支援の充実として、住民主体の多様なサービスを支援の対象とするとともに、NPO、ボランティア等によるサービスの開発を進める

②高齢者の社会参加と地域における支え合い体制づくりを行い、活動を通して高齢者自身の生きがいや介護予防等ともなるため、積極的な取組を推進

③共生社会の推進として、多様な人との関わりが高齢者の支援にも有効で、豊かな地域づくりにつながっていくため、要支援者等以外の高齢者、障害者、児童等がともに集える環境づくりに心がけることが重要

新しい総合事業では、大まかに言えば、上記①~③のような基本的な考え方がある。

要支援者の訪問介護、通所介護の総合事業への移行

新しい総合事業について多くの市町村が現在のところ、まだ整備中となっているため介護事業者さんのなかには何が変わったのか、もしくは変わるのかがよくわかっていないという状態であると思うし、実際に変化を感じている事業者さんは少ないと思われる。

 

資料にも記載されているように、多様な主体による柔軟な取り組みにより効果的かつ効率的にサービスを提供できるよう、予防給付の訪問介護、通所介護は、事業にすべて移行(平成29年度末まで)となっており、今後3年間においては要支援の取り扱いは以前と変わらない形で進むように見受けられる。

 

一石四鳥?新しい介護予防・日常生活支援総合事業の狙いとは?

よく新しい介護予防・日常生活支援総合事業において、いわゆる効率化・重点化の方針で要支援の費用削減の為に行われるのですかという質問を受けることがありますが、今までの記事を読んでいただくとおわかりのように別に要支援がなくなるわけではありませんし、そもそも総合事業も介護保険制度の中の一つです。

 

それではこの総合事業の狙いはなんなのかということですが、たびたび私のコラムでも述べさせて頂いているように大きな狙いは社会給付費の抑制です。

 

①介護労働力の確保

高齢者自身にボランティアとして働いてもらい、さらに、団塊の世代の方々が介護、介助する側に回って、介護のことを考えてもらう(自分が介護を受ける際の選択肢を広げる)

②健康寿命の引き延ばされる

高齢者自身が社会参加することで、多様な方と触れ合い引き籠らないため、健康寿命が引き延ばされる

③サービス購入に対する価値観の変革

総合事業のサービス費用負担額は市町村が決めることが出来、必ずしも1割負担でなくても良いため、サービスを受けるにあたり介護保険よりも高い費用を払う感覚が当たり前になる。

④訪問介護における生活援助のサービスをここに移行できる。

詳細は財務省 要介護1、2の生活援助を原則自己負担にすべきと示唆!!のコラムをお読みください。

 

新しい総合事業にはこのような狙いがあり、非常に巧妙な作り方をされていると思います。

ただ1つ、この事業の大きな課題点は前回の地域包括ケアシステムのコラムでも述べていますが、中核の役割を担うのが高齢者自身となっております。

 

市町村が素晴らしいシステムを作っても、高齢者自身がサービスを受益する側の意識にずっといる場合は、そのサービス提供の労働力が確保されずに破綻してしまう恐れがあるのです。

 

高齢者自身の意識はさておき、我々事業者としてはこの総合事業、将来的な生活援助のサービス移行も示唆されている状況ですのでやはりやらざるを得ないと言ったところでしょうか。

しかし、安易に手を広げるよりはしばらくはきちんと様子を見るべきかもしれませんね。

 

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