大きく変わる「社会のしくみ」と「社会保障制度」 vol.4

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地域住民の安心・安全な医療・介護サービスの提供のために。勇気ある連携・協働・統合を!

医療・介護の業界は、法人や事業所の独自の経営方針で、それぞれの事業を進めてきました。その結果、地域によっては病院・施設・居宅・住まい系等のサービスが「過剰な地域」と「足りない地域(制度あってサービスなし)」が出てくることとなり、地域格差が生じています。なかには、地域ニーズとはまったく違うサービスが乱立しているところもあり、地域外から無理やり利用者を獲得するなど、結果的には過剰な医療・介護サービス(不必要な医療や介護費用)となって、あわや制度の崩壊?といった危機的な状況になっています。

 

では、各事業者はどうこの状況と対峙すればよいのでしょうか?

課題とそれに対する改善策を以下に述べます。

 

<現状と課題>

1.地域ニーズとは無関係に、病院・医院・介護施設・居宅サービス・住まい系サービスが、作られた。

その結果、地域内では「患者・利用者・専門職員の奪い合い」が始まり、専門職の不足を招いている。

 

2.地域内に、医師・看護師・セラピスト・介護職など、人材はもっといるはずでは?

大中小の事業者が乱立しているため、医師や看護師・セラピストなどの不足が生じている。

しかも介護職の離職率等も高まり、人材確保は難しくなっている。

在宅で365日24時間の切れ目のないサービスが提供できない。

 

3.身近な生活支援サービスが必要不可欠だがまだまだ足りない。

重度者・認知症をもつ方などを、地域全体で支援し、軽度の方も地域の支え合いのしくみのなかで見守っていく。そのためには地域住民の理解と協力がもっと重要となってくる。

 

改善策について

<改善策>

1.市区町村・地域包括主導で地域ケア会議・地域包括ケア計画を見直す必要がある。

●地域課題については、事例を通して明確にする。

●事業者・地域住民の集まりにもっとひんぱんに参加し、アセスメントしながら調整し、進めていく(勝手に一部の関係者で進めない)ことが必要。

 

2.事業者間の連携・協働・統合を円滑に行う。

●連携(行政・地域包括・社協も集まり)

病院・施設・居宅サービス等が集まり、地域課題を出し合う。そしてその解決に際し役割分担を明確にしていく(重度者・認知症等を地域「在宅」で支援するための課題への対応)。

●協働

地域課題の解決に向け、法人・事業所間で人材・設備・管理等業務に関して、さらなる共同活用(協働)を推進する。

●統合

在宅における365日24時間切れ目のない医療・介護サービスの提供を目標に、名乗りをあげる勇気ある事業所や法人同士が円滑に統合を目ざしていく。

 

3.地域住民との連携を行う。

●住民の理解と協力を得る機会を頻回に設け、連携のしくみづくりを住民とともに考える。

●法人・事業所周辺の住民を主体に、身近な支え合いのしくみを地域ぐるみで構築し、地域住民に安心してもらう。

 

地域における医療・介護の各法人が、協働せず足を引っ張り合ったりすることなしに、互いのサービスの特色を活かして連携し合い、地域の方たちとともに改善策を考え、しくみづくりを考えることが重要だといえるでしょう。

 

次回は、大改革が予測される2018年医療・介護の同時改定への対応を考えてみましょう。

 

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