株式会社アイビー(東京都葛飾区)Vol.2 旅行や結婚式の付き添いもやります!お年寄りや障害をもつ人たちが“生きがい”をもてるキッカケをつくる!


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株式会社アイビーの最大の特徴は、介護保険制度や障害者総合支援法では対応が難しいサービスを、「生きがい支援事業」として、自由契約で展開していること。生きる喜びや意欲をもってもらえるよう、真壁さんたちは、独自のプランとサポートで利用者の願いを叶えていく。第2回はバラエティ豊かな生きがい支援事業の内容について紹介する。

40年ぶりに故郷の墓参りに行きたい!70代女性の願いを叶えるために「生きがい支援事業」は本格化した

学生起業から4年、男性スタッフが複数いたことから、地域で引き受け手の少ない腕力のいる移動介助や困難ケースをメインに訪問介護の下積みを続けてきた真鍋さんたち。そのころから、もともとやりたかった「生きがい支援事業」が軌道に乗りはじめたという。

 

「起業当初から事業所周辺の高齢者施設などには営業活動していたのですが、あまり受け入れてはもらえませんでした。施設側としては、入所者の外出支援は安全の確保が最優先で、職員が付き添える場所や時間にも限度がある。なにより、施設の職員が対応しづらいサービスを外部の事業者に頼むことへの抵抗やプライドが強かったように思います」(真鍋さん)

 

そんな折り、ある施設の相談員から問い合わせがきた。入所している70代の女性が40年ぶりに生まれ育った京都に帰り、お墓参りをしたいと言っているのだという。「その女性は脳性麻痺を患っていて、電動車いすを利用して施設生活をされています。もう長いこと京都には帰っていないので、お墓がある場所の記憶も曖昧でした。でも、ご本人の思いは強く、私たちもぜひ力になりたいという思いから引き受けることにしたのです」と真鍋さん。

 

お墓参りをメインにした1泊2日の京都旅行とはいえ、真鍋さんたちは事前に3ヵ月もかけて旅の準備をしたという。

第一に、利用者の病状や体力を含めたコンディションを遠出ができるまで整える必要があった。そのため目的意識をもってリハビリしてもらったり、食事をしっかり摂って体力をつけてもらうよう意識づけすることから始めた。

「あと、お墓参りのほか、私たちが一方的に観光プランを提案するのではなく、利用者さん自身にガイドブックから行きたい場所を探してもらったり、旅行に着ていく服を買いに出かけたり。準備期間からイキイキとされて、旅行中はお墓参りをはじめ観光名所をまわり、美味しい京料理にも舌鼓を打たれて。ふだん施設では食事介助を受けている方ですが、旅行先の食事は『自分で食べたい』と言われて、美味しそうに食べていた姿が印象的でしたね」(真鍋さん)

※旅行先の食事。利用者さんも自然と笑顔に。

 

「入院中のお母さんに結婚式に参列してもらいたい」花嫁さんの願いを叶えるべく、病院とも連携して無事に結婚式の付き添いを

結婚式への付き添いサービスも、同社の得意とするところだ。これまでに娘の結婚式の2ヵ月前、脳梗塞を発症して入院した母親の付き添い介助を引き受けたこともある。

「このケースは、わが社のホームページをご覧になった新婦の娘さんからの問い合わせで始まりました。入院中のお母さんは脳梗塞の後遺症で片麻痺があり、結婚式場まで行けたとしても車いすでの参列となる。お父さんたち他の家族は当初、周囲の人たちに迷惑をかけてまで参列させることはないと反対されたのですが、娘さんはどうしても諦めきれず、私たちに助けを求めてこられたのです」と真鍋さん。

 

そこで真鍋さんたちは利用者の入院先を何度もたずねて面談や打ち合わせを重ねた。結婚式参列に向けたリハビリプランを話し合い、本人の意欲を引き出しながら支援していったという。

 

「結婚式当日は女性スタッフが付き添い、式場での車いすの介助、食事やトイレなど身の回りのお世話をさせていただきました。ずっと心配されていた旦那さんの気持ちも落ち着かれ、利用者ご本人も娘さんの花嫁姿を見られたこと、みんなで一緒に家族写真を撮影できたことに感無量という感じでした。その他、新婦となるお孫さんが、遠く離れて暮らすお祖母さんの結婚式への付き添いを依頼されてきたケースもあります。私たちとしては、いつも結婚式の感動をおすそ分けしてもらっている感じで、とてもやりがいがありますね(笑)」(真鍋さん)

※車いすで娘さんの結婚式に参列された利用者さん。

 

ヘルパーがピアノの先生に!?利用者の願いを叶えるべく、コンサート開催を目ざすためのレッスンを!

同社のヘルパーが生活援助サービスを提供している、一人暮らしの利用者のケースも興味深い。元教師でピアノ演奏が趣味だったというその女性が、あるとき担当ヘルパーにこうつぶやいたという。「久しぶりにピアノを習いたいけれど、教室に通うのは難しくて…」。そこで音楽学校に通っていた経験のあるヘルパーがピアノの指導を務めることに。

※生きがい支援事業を利用したピアノレッスン。スタッフも自分の持ち味を活かし活躍 。

 

「この利用者さんはリウマチの持病があって指先に拘縮がありました。ですので、ピアノの練習はちょうどいいリハビリにもなっています。レッスンは指の体操から始めて練習曲を弾くなど、無理のないプランを組んで行っています」と真鍋さん。現在、本人は二人で弾く連弾にチャレンジしているほか、離れて暮らす子供家族に聴かせたいと、クリスマスコンサートの開催を目標にしてレッスンに励んでいるという。

 

「こうしたケースを経験したこともあり、わが社ではスタッフそれぞれ介護技術とは別に、プラスアルファの特技などを活かしたサービスが提供できないか常に可能性を探っています。

 

訪問介護サービスによって利用者さんの基本的な生活を支援させていただくのは大前提ですが、その人がもっとイキイキと暮らせるようになるには、生きがいをもっていただくことが近道。この利用者さんの場合、加齢や身体的理由から諦めていたことに再び取り組めたことで、生きる喜びや意欲を見出された。私たちスタッフも介護という枠を超えて、利用者さんの生きがいをサポートできることを光栄に思っています」(真鍋さん)

 

今回の取材先:株式会社アイビー(東京都葛飾区)

 



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