介護・診療報酬間の調整を先読みするには?2018年医療・介護ダブル改定を読むー8


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 前回の介護・診療報酬のダブル改定は2012年でした。その前年、やはり中医協と介護給付費分科会の間で「打ち合わせ会」が行われています。その時の論点を振り返ると、現状の介護・医療の連携課題にもつながるポイントが見られます。この時の論点が実際の報酬改定でどうなったのかという部分を検証する中で、ダブル改定の行方を見すえてみましょう。

2012年度ダブル改定前の打ち合わせ会では……

 当時の「打ち合わせ会」で提示された論点は6つ。介護側の視点で主だったものを上げると、たとえば以下のようになります。

(1)入院中から退院後の療養生活を視野に入れた、病棟側と訪問看護、ケアマネ等との連携。
(2)介護施設における医療提供のあり方。
(3)在宅生活者への医療提供を強化するための訪問看護、歯科治療、薬剤管理指導、リハビリ提供のあり方(つまり、介護保険での居宅療養管理指導との関係を整理するなど)。
(4)在宅や介護施設における看取りを強化するための介護・診療報酬上の対応といった具合です。

 どうでしょうか。「まるで、今回の打ち合わせ会で想定される論点のようだ」と思われる人もいるでしょう。現在の地域包括ケアシステムの概念が最初に示されたのは2003年ですが、その段階から「介護と医療、住まい、その他の生活支援の連携」は施策上の基軸となるテーマとなっていました。そして、その具体化の道筋は今なお途上にあるわけです。

その後の改定内容から見る「先読み」法則

 では、先にかかげた論点を受けて、2012年度介護報酬ではどのような対応が行われたのでしょうか。(1)を例にとってみると、居宅介護支援における2つの対医療連携の加算が見直されたことです。1つは、それまでの医療連携加算が入院時情報連携加算となり、「医療関係者とのコミュニケーションの質(訪問して顔を合わせるか否か)によって単位に差つけたこと。もう1つは、月あたりの算定だった退院・退所加算を「1回あたり」とすることで、連携の実績をより重視したことです。

 これは、診療報酬側での当時の「地域連携診療計画管理料」や「介護支援連携指導料」等の円滑算定を視野に入れ、連携対象であるケアマネ側に医療側の動きに合わせられるインセンティブを強化したことになります。

 また、(4)についていえば、特定施設入居者生活介護に看取り介護加算が新設され、グループホームの看取り介護加算とともに、「死亡日以前の日にち」によって区分が3段階設定されました。ちなみに、2015年度の報酬改定では、3段階区分のうちの「死亡日以前4~30日」の加算において、単価が80単位から144単位へと引き上げられています。

 ここで「先読み」に向けた一つの法則が見えてきます。1つは、介護・医療連携において、介護側が医療側と動きを合わせられるよう、「連携関係の加算」を再編すること。もう1つは、在宅や介護施設における「療養の質」を上げるべく、利用者の状態像などに合わせて算定を細分化していくという動きです。

2016年度診療報酬改定の影響データに注目を

 以上の点を頭に入れた場合、やはり2016年度の診療報酬の改定内容(特に、入院時・退院時の対応や病棟外の生活の場で医療が提供されるシーンを想定した部分)が、次の介護報酬改定のベースになるといえます。

 前回の診療報酬改定のポイントについては、すでに当連載で述べてきました。注視したいのは、診療報酬側で対介護等連携を重視した新設・再編成の加算のうち「算定が芳しくない」部分です。この点に注目すれば、介護報酬上の改定の方向も読めることになります。

 ちなみに、算定実績などについては、厚労省が改定後に「診療報酬改定の効果検証にかかる調査」を実施しています。2014年度の改定後の調査結果公表が11月でしたから、今回も「打ち合わせ会」の前後が想定されます。また、医療系団体なども診療報酬等にかかる定期調査を行なっています。全国病院協会の調査を例にあげると、2016年度改定分については今年2月に報告書が公表されています。

 介護現場としても、こうしたデータにいち早く目を通し、「対医療連携にかかる加算」にどんな影響がおよぶかをシミュレーションしつつ、今から業務改革を進めたいものです。



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