地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案について

投稿日:2017年2月28日 更新日:

改正ポイント(1)

改正する法律案のポイントは【I】地域包括ケアシステムの深化・推進【II】介護保険制度の持続可能性の確保の2つに分けることができます。この2つはそのまま2018年度の介護保険改定の2大テーマとなっております。

 

さらに細かく分けると以下のようなポイントになっております。

 

【I】地域包括ケアシステムの深化・推進

 

(1)保険者機能の強化等による自立支援・重度化防止に向けた取組の推進

(2)新たな介護保険施設の創設

(3)地域共生社会の実現に向けた取組の推進

 

【II】介護保険制度の持続可能性の確保

 

(1)現役世代並みの所得のある者の利用者負担割合の見直し

(2)介護納付金における総報酬割の導入

 

保険者機能の強化等による自立支援・重度化防止に向けた取組の推進は下記資料にも記載されておりますが、

 

(1)データに基づく課題分析と対応(取組内容・目標の介護保険事業(支援)計画への記載)、(2)適切な指標による実績評価、(3)インセンティブの付与を法律により制度化していくことで各保険者がそれぞれの地域事情を鑑みながら自立支援や重度化防止をしていくことを促していきます。また、それを一度きりということではなく、PDCAサイクルを回していくことでプラスの循環を生む狙いをもっております。

 

データは保険者ごとの比較データがでますので優劣がつきます。インセンティブは、お金のことですから良い結果を残せば報奨金を国が保険者に渡すことになります。保険者としては一人当たりの介護費用や認定率の改善をすればお金を貰えるわけですから当然、力を入れていきます。

 

事業者さん、利用者さんからすれば例えばですが、現在よりも要介護の認定審査が厳しく介護度がでないや、区分変更をしてもなかなか介護度があがらない。プラン内容についても細かく言われるなどの影響があり得ます。

改正ポイント(2)

新たな介護保険施設の創設はいわゆる、介護療養型病床からの転換と捉えていただければ良いです。介護療養型病床については平成30年3月31日に廃止と法律で記載されておりますのでその後釜ですね。転換の為の経過措置期間としては6年間の猶予をみており、新しい名称は「介護医療院」となります。類型としては3パターン検討されており、(1)現在の介護療養型の人員基準、(2)現在の老健の人員基準、(3)居住施設として一部を介護付き有料老人ホームのような形にするという方向性がでております。

 

具体的な介護報酬や基準については今後の介護給付費分科会等で検討していくことになります。

地域共生社会の実現に向けた取組の推進は、これまで縦割りであった地域福祉のそれぞれの分野において、今後は福祉分野の共通事項を記載した地域福祉計画の策定の努力義務化などを強いていき、限られた地域資源や人材を活用し「我が事・丸ごと」の地域作り・包括的な支援体制の整備 をしていくことを目指していきます。

 

これは単発的な話ではなく、今後長期に渡って行っていく政策となっております。その中で今回、介護分野に影響する内容としては高齢者と障がい児者が同一の事業所でサービスを受けやすくするため、 介護保険と障害福祉両方の制度に 新たに共生型サービスを位置付けます。例えば障害福祉サービス事業所等であれば、介護保険事業所の指定も受けやすくする特例を設けるということになります。

改正ポイント(3)

【II】介護保険制度の持続可能性の確保における、現役世代並みの所得のある者の利用者負担割合の見直しとは、年金収入等340万円以上の方においては負担割合を2割から3割に引き上げるということです。これについては平成30年8月からの実施ということになります。前回の改定で平成27年8月から一部2割負担を導入しましたが、さらに引き上げるということで以前のコラムでもお伝えした財務省が示す医療・介護制度改革の視点で記載しましたように『年齢でなく負担能力に応じた公平な負担』ということになります。

 

介護納付金における総報酬割の導入についても同じで、年収の高い2号保険者(40歳?64歳)の方は給料等から引かれる介護保険料がアップし、年収の低い方は介護保険料がダウンします。これについては平成29年8月より実施ということで今年からの内容となっております。

 

下記資料をご覧頂くと記載しておりますが、これにより負担増となる方が1,300万人、負担減となる方が1,700万人となっております。急激にあがった場合、負担増となる方々の反発を喰らいますので段階的に強いていく形となっております。

これらの内容は冒頭で申し上げましたように2月7日に閣議決定されておりますので以降は着々と進行していきます。平成30年4月からの改定をもって施行というものもあれば一部それを繰り上げて実施となっているものもあります。

 

事業者さんとしては少なくない影響を受けるのでしっかりと把握しておくことをお勧め致します。

 

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