問題職員を雇い続ける余裕はない!解雇に向けた正しい手順とはー3

投稿日:2017年2月3日 更新日:

問題職員と向き合うときの心構え

重要な局面ですので、解雇言い渡しに際し、忘れてはならない心構えから説明していきます。

 

1.常に冷静であれ

 

相手がどんなに分からずやで、あなたを罵倒する様なことがあっても、決して逆上してはいけません。「何様のつもりだ!」と大声を出し机を蹴り飛ばしたい衝動に駆られても、実行に移してしまってはパワハラと言われる絶好の口実を与えるだけです。怒ったら負け、と肝に銘じ常にクールに対応しましょう。

 

ただでさえ「ああ言えばこう言う」が習い性となっている相手ですから、真面目に向き合おうとし、「どうして何度言っても分からないんだ!」等といきり立つだけ、こちらの時間と体力の損です。「そもそもお互いを完全に分かり合おうとすることが間違いなのだ。この人とはいい関係を築けなかったが、また別の人を探そう」と、早い段階で割り切り達観することがポイントです。

 

2.必ず秘密録音せよ

 

相手との会話であれば、対面でも電話でも、その内容を断りなく録音することは合法であり、許されます。このことを誤解している方は意外に多いのですが、確かに、録音内容を後にネット上で公開する等すれば問題となります。ですが、単に記録、備忘録として録る分には何ら問題はありません。

 

職員を指導する場合は、他職員の目がありますから大抵相談室等、密室で二人きりであることが多いといえます。いざというとき証人となってくれる人がいなければ、対立した者同士では「言った、言わない」の紛争に発展するであろうことは容易に想像できることでしょう。あるいは、解雇を告げられた職員は、よく腹いせに「パワハラを受けた」等と根も葉もないことを労働基準監督署に訴え出たりするものです。問題職員と対峙するときは、いざというとき自分を守ってくれるお守りとして携帯する位がちょうどよいといえるでしょう。

 

また、録音すれば当然自分の言動も記録されるため、後々他の人に聞かれても困らないような振舞いをしよう、と思い自然と自分を律するようにもなります。かっとなりやすい人は、このような副次効果も利用するため録音を活用されると良いですね。
3.相手の言質を取れ

ここが最大のポイントですが、辞めるにしても「どのような形で」辞めることになったのかにつき、双方の認識にずれが無いよう慎重に確定していく意識が必須となります。

 

と言いますのも、「職員が辞めていく」というだけでも、その理由としては複数あり得るのです。

 

A 自主退職

B 合意による雇用契約の終了

C 普通解雇

 

AとBは似たようなものですが、Aが職員側からの一方的な通知により成立するものであるのに対し、Bの場合は退職の「申し入れ」を受けた法人側がそれを「受諾した」場合に成立するものです。

 

問題はAとCの違いであり、そこには雲泥の差があります。Aの場合は、当たり前ですが自分の意思で辞める訳ですから、その理由は「一身上の都合」で足り、法人としてはむしろ願ったりかなったりですね。

 

一方Cは、法人側の都合で解雇するという恰好になってしまいますから、合理的な解雇の理由が必要となってきます。

 

そうした「縁を切るためのハードルの有無」以外にも、失業保険の給付条件が異なってきます。Cの場合はハローワークに離職票を提出した7日後に、初月分の失業給付金を受け取ることができますが、自己都合退職では更に3ヶ月経過しなければ受給できません。

 

ありがちなのが、職員の方から「辞めてやる!」と捨て台詞を残して去っていったのに、離職票を出す段になって「解雇された」等と事実を曲げて逆襲してくるケース。あるいは、こちらとしては飽くまでAを促す(いわゆる退職勧奨)つもりで発言したのに、「退職を強引に迫られた」「解雇された」と曲解して被害を主張してくることが散見されます。

 

そのように揚げ足を取られないためにも秘密録音は必須といえるのですが、ともかくも雇用主としては、問題職員が自分から辞めると言い出してくれればベストなので、まずは退職勧奨を試みる、という流れとなります。

 

話の仕方は様々ですが、裁判では「総合的に勘案して、全体として被勧奨者の自由な意思決定が妨げられる状況であったか否か」が、違法と評価されるか否かの判断基準となるとしています。短期間にしつこく勧奨を繰り返したり、相手の名誉感情を傷つける様な発言をしないよう気を付けましょう。

 

それでも相手が応じなければ、いよいよ普通解雇を言い渡す最終段階に進みます。また次号で詳しくご説明します。

 

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