問題職員を雇い続ける余裕はない!解雇に向けた正しい手順とはー2


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前回に引き続き、問題職員を、解雇を見据え指導していく方法をレクチャーします。命令違反や不適切行為の都度、戒告・けん責という名の「イエローカード」を出すことで、しっかりと指導しつつ記録に残していくとお伝えしましたが、それでも一向に改善しないときもあることでしょう。そんなときは、○○解雇によるべきなのです! 

懲戒解雇よりハードルの低い「普通解雇」

就業規則を見直したことのある方は、こんな疑問を持たれたかもしれません。「解雇と懲戒解雇って、どう違うのだろう? 規定の仕方が被っている様な気がするが……」

実はその通り、解雇=レッドカードには二種類あり、更に紛らわしいことに一部被っているのです(図参照)。いわゆる「解雇」は「普通解雇」とも呼ばれますが、厚労省のモデル就業規則(平成25年3月版)には、次の様に規定されています。

(解雇)

第49条 労働者が次のいずれかに該当するときは、解雇することがある。

(1)勤務状況が著しく不良で、改善の見込みがなく、労働者としての職責を果たし得ないとき。

(2)勤務成績又は業務能率が著しく不良で、向上の見込みがなく、他の職務にも転換できない等就業に適さないとき。

(4)精神又は身体の障害により業務に耐えられないとき。

(6)第61条第2項に定める懲戒解雇事由に該当する事実が認められたとき。

……

一方、懲戒解雇は次の様な定めです。

(懲戒処分)

第43条 職員が次の各号の一に該当する場合には、これに対し、懲戒処分として、訓告、戒告、減給、停職又は解職を行うことができる。

(1) 本会の定める規定に違反した場合。

(2) 職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合。

(3) 本会職員たるにふさわしくない非行があった場合。

(4) 故意又は重大な過失により、本会に重大な損害を与えた場合。

(5) 本会の業務運営の秩序を乱した場合。

「えっ、「職務上の義務に違反し、または職務を怠った場合」でも懲戒解雇できるの? これって普通の解雇の「勤務状況が著しく不良」や「勤務成績又は業務能率が著しく不良」とどう違うの?」……そんな声が聞こえてきそうです。

本件のように上司の言うことを聞かない不良社員の場合、一体普通解雇と懲戒解雇のどちらを選べば良いのか。そう迷われるのも当然です。まず相手に出す通知書のタイトルからして決められませんし、なまじ就業規則では、「懲戒解雇の場合は労基(労働基準監督署)の許可を得なければならない」等と書いてありますから、手続きも面倒そうです。何より、相手との雇用契約という縁を切る重要な手続きになりますから、ここで間違える訳にはいきません。

普通解雇は能力不足、懲戒はペナルティとして行われる

まず、懲戒解雇と普通解雇の根本的な違いを確認しておきましょう。

普通解雇は、専らその職員の「能力不足」を理由になされます。従って、それまで雇用主の方で適正な指導や職務変更等の対策がなされたか、あるいはうつ病等が理由であれば、医師の意見が確認されたかなどがポイントとなってきます。

一方、懲戒解雇は文字通り懲戒、ペナルティであって、罰則として下される点が普通解雇との大きな違いです。罰則ですから、就業規則や過去の前例等に照らして対応するものがあるか、かつ、その内容が世間的に見ても妥当な処分かどうかがポイントとなります。

そのため、一部重複するという現象が起きてくるのですが、実務では解雇したい理由は大抵「言うことを聞かない、改善されない」というものでしょうから、これは普通解雇の観点では「能力不足」と評することができ、懲戒解雇の観点からは「指示命令違反」の側面を重視することになるのです。したがって理屈上はどちらのコースも選択できることになるのですが、やはり懲戒解雇は受ける側にとって不利益が大きく、かつ労基の許可さえ得られれば解雇予告手当も不支給とできるため、裁判に持ち込まれれば「無効」とジャッジされるおそれも大きいといえます。

このように二つの解雇はいわば「相互乗り入れ」の状態にあるため、最終的にどちらのコースを選ぶかをはっきりさせる必要があるのですが、結論としては雇用主にとってハードルの低い普通解雇とすべきである、と言えるでしょう。

長くなりましたので、次号はいよいよ具体的な解雇言い渡しの方法を解説します。お楽しみに。



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