厚生労働省が示す介護保険制度の見直しに関する意見(案)についてー1


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今回は社会保障審議会介護保険部会が、2016年の2月以降16回にわたって審議を重ねてきた介護保険制度の見直しに関する意見(案)が12月9日に取りまとめられましたのでその内容を、「地域包括ケアシステムの深化・推進」と「介護保険制度の持続可能性の確保」というテーマに沿って2回に渡ってお伝えしたいと思います。

介護保険制度の見直しに関する意見

2016年2月から16回にわたった審議を重ねてきた介護保険制度の見直しは「地域包括ケアシステムの深化・推進」と「介護保険制度の持続可能性の確保」という2つの大きな観点にわけることができます。

また、制度の見直し(介護保険改定)によって影響を受けるのは介護事業者さんだけではなく、利用者さん、保険者(市町村)という3者にわけることができます。「地域包括ケアシステムの深化・推進」の部分においては保険者に影響する内容が多く、「介護保険制度の持続可能性の確保」の部分については介護事業者さんと利用者さんに影響する内容が多くなっております。

地域包括ケアシステムの深化・推進

地域包括ケアシステムの深化・推進においては先述したように保険者(市町村)に影響する内容が多くなっております。2012年時の改定における基本的な視点として「地域包括ケアシステムの基盤強化」が出ておりました。以降も至るところで地域包括ケアシステムという言葉はよく耳にしますが言葉だけが先行しており、地域包括ケアシステムが進んでいるという実感をもっている方は少ないのではないかと思います。

何度かコラムでも書いておりますが、75歳以上の人口が急増する2015年?2025年にかけてこの地域包括ケアシステムの構築を行わないとただでさえ増加の一途を辿っている社会保障費の増加が予想以上の増加になり財政破綻を招きかねないというのが現状となっております。

社会保障費の増大を抑制するためには、地域包括ケアシステムとして自立支援と介護予防に向けた取り組みの推進が重要となってきます。

現在、要介護認定率や一人当たり介護費用、施設サービスと居宅サービスの割合などについては地域差が存在していますが、これを縮小するように対応が求められています。上記資料(1)保険者等による地域分析と対応については保険者がデータを国に提出し、国が分析を行い、そのデータを活用して地域課題の分析をして、地域の実情に応じた取組を行い、実績を評価し、実績がよければ財政面においてインセンティブを設けることを検討するとしております。

保険者も地域包括ケアシステムの推進のためにPDCAをしっかり回しなさいという役割を国から求められることがわかります。インセンティブについては議論が賛否ともにあり、現段階では検討すべきという方向性になっております。

地域支援事業・介護予防・認知症施策の推進

地域支援事業においては、総合事業が開始されたものの、介護事業者以外の「多様な主体」による取組が十分に広まっていないことが課題とされております。これは民間視点から考えれば当たり前の話で、事業を行う利点や益がなければなかなか積極的に取組を行うところはでないです。ただ総合事業は始まったばかりであり今後も手探りで行っていくこととなりますので、もう少し経過を見守る必要性があるのかもしれません。

その中で、国が掲げているのが地域包括支援センターの強化となります。地域包括支援センターの業務としてケアマネジメント支援がありますが、これをケアマネさんへの直接的な支援だけでなく、地域全体とし、働きながら介護利用者を抱える一般の方からの相談などにも対応できるように土日祝開所など取組強化を求められております。勿論、このような強化をすれば業務負担が過大になることも懸念されています。そもそも地域包括支援センターの課題として保険者ごとに多少内容や役割が異なっていることもあげられております。

介護予防や認知症施策についても国全体としての課題、保険者としての課題という風に課題が山積している状態ではありますが、保険者にはこれらの取り組みを推進していくことが求められます。

適切なケアマネジメントの推進等

地域包括ケアシステムにおいては、施設サービスよりも居宅サービスが主流となることを考えれば、介護保険費用を不当に増大させないためには、適切なケアマネジメントを推進させることが大切となります。その中で、居宅介護支援事業所における管理者の役割の明確化、特定事業所集中減算の見直しも含めた公正中立なケアマネジメントの確保、入退院時における医療・介護連携の強化等の観点から、居宅介護支援事業所の運営基準等の見直しを平成30年度介護報酬改定の際にあわせて検討することとするのが適当であるとされております。

特定事業所集中減算においては、80%まで基準が下げられ事業者さんからすれば非常に厳しくなったと感じているところですが、会計検査院から、必ずしも合理的で有効な施策であるとは考えられないなどの指摘を受けていることや審議会においても実効性が乏しく見直すべきとの意見がでているとのことです。

ケアマネジメントに関する利用者負担については、導入に対して賛成と反対の意見が拮抗しており引き続き今後も検討をしていくとのことです。

ニーズに応じたサービス内容の見直し

ニーズに応じたサービス内容の見直しについては、介護報酬や指定基準の具体的な見直しについては介護給付費分科会で議論すべきものとしておりますが、下記資料の内容で検討が行われました。

通所リハにおいては、リハ専門職の配置促進や短時間サービス提供の充実が掲げられました。この辺は配置については加算、短時間サービスの内容は報酬アップなどが検討されるかもしれませんね。

小多機などは居宅のケアマネとの業務兼務などの意見がでており、人員要件や利用定員等の見直しを検討することが適当であるとされております。

特養については重介護対応として、医療ニーズや看取りにより一層対応できる仕組みを検討することが適当であるとされております。これについても看取りなどの充実がされている特養については加算などが検討されるかもしれませんね。

今回の内容の細かな部分については一部過去のコラムに記載していたりしますが、国の大きな方向性としては地域包括ケアシステムの深化・推進をしていくということは、長い目でみた所の介護給付費の抑制につながる施策を行うということです。

介護事業を行っている事業者さんは、見直しに対する情報をいち早くキャッチし対応をしていくことが大切ですが、保険者は保険者で課題対応をしていかなければならないため大変なことがわかりますね。

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