問題職員を雇い続ける余裕はない!解雇に向けた正しい手順とは

投稿日:2016年12月13日 更新日:

まず就業規則の「懲戒」規定を見直そう

質問です。「職場のルールと言えば、何が該当するでしょうか?」この問いに即答できない管理職の人は危険です。

 

正解は「就業規則」。常勤、非常勤関係なく、10名以上が働く現場では必ず整備しなければなりません。これこそが職場の憲法であり、日常業務を行う上でのルールであり、ガイドラインです。

 

しかし実際には、ご利用者と交わす利用契約と同様、「行政から言われたから作っているだけ」という低い意識の事業所も多いようです。それは大変危険な状態であり、言ってみればシートベルトを付けずに高速道路を運転するようなものです。

 

何故なら、就業規則は正に本件のような、問題職員に対応する際に絶対必要な「道具」だからです。

 

人間は思い通りに動いてはくれませんから、組織として最低限の規律を保つにはルールに反した人にペナルティを科さなければなりません。いわゆる「飴とムチ」のムチです。

 

といっても、いきなり解雇を言い渡すのではなく、勿論ものごとには限度があります。例えばサッカーでいえば、最初はイエローカードが出され、それが重なるとレッドカードに進みますね。

 

問題は、就業規則の懲戒規定を、厳正公平なジャッジを下す審判のように意識的に「運用できているか」、実際に活用できているか、なのです。それでは、その具体的な運用のポイントをお伝えします。

 

懲戒処分のメニューは万全か?

ここからはお手元に実際の就業規則を置いて都度チェックされると良いでしょう。終末部分にありますが、「懲戒」の規程を開いてください。

 

これが「理想的な」懲戒処分のメニューです。

本件のような問題職員を制御する最大のポイントは、実は一番軽い処分である「(1)戒告」と「(2)けん責」にあります。この二つを、運用面も含め徹底して作り込むことが肝心なのですが、ほとんどの事業所でできていないという現状があるのです。

 

既にお気づきかと思いますが、戒告とけん責が先ほどのイエローカードに相当します。

 

ただしサッカーでは2枚で即退場ですが、職場ではそう簡単にはいきません。労働者の権利は法律により大変強固に守られています。イメージとしては、「これら戒告・けん責を根気強く何度も積み重ねて、3~5回程度でようやく次のステップに進める」という位がちょうどよいでしょう。労務管理はどんなときでも急がば回れ、根気比べという意識で臨むことが大切です。

 

上記規定例での戒告とけん責の最大の違いが分かりますでしょうか? 戒告は一方的に指導するだけ、けん責は「始末書を提出させる」という点です。中身は単なる指導であり減給のような目に見える損失は無いのですが、それだけに差を意識して作り込むことが重要なのです。

 

運用面では、軽い処分なのでなるべく早い段階で行使していくことが必要です。懲戒処分の心得が無いと、「懲戒」という言葉の重さに躊躇してしまい、現場での乱暴ろうぜきを手をこまねいて傍観した挙句、いきなり懲戒解雇(レッドカード)という形で失敗することが多いといえます。そのような場合は大抵、「不当解雇だ」と逆に訴えられ、これまで指導した記録も提出できず一方的に解雇無効を言い渡され1年分の給与相当額を支払う羽目になります。

 

単なる指導警告の処分であれば行使しても相手から法的手続により不当性を訴えられることはまずないので、その点気軽に使うことができます。そのように小まめに懲戒権を行使していくことで「厳しい管理職」を演出するのです。同時に処分は必ず書面で行い、記録として残すようにしましょう。

 

もう一つのポイントは、処分を言い渡す際に必ず「次はこうなるよ」ということを「予告」しておくことが大切です。「今回は一回目だから戒告で済ませるけど、同じことを繰り返したら次はけん責ですよ」といった具合です。予告であれば多少過剰でも問題は無いので、重いペナルティを告げる方が効果的といえます。

 

そのようにイエローカードを効果的に使うことで、こちらの期待通り相手が改心してくれれば良いのですが、そうは問屋が卸しません。次回は、戒告けん責でも改善しない場合の最終手段についてレクチャーします。

 

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