これからの介護職に求められる介護保険外サービスへの積極的取り組み

投稿日: 更新日:

社会保障費の削減について議論が続く昨今、事業者が、制度内サービスにとらわれず介護保険サービスに取り組むことは喫緊の課題となっている。積極的に保険外サービスに取り組むことで、それに携わる介護職のモチベーションアップにもつながり、ひいては事業所の利益にも寄与することだろう。

介護職自身にも介護保険の枠にとらわれない動きが求められている

介護事業者は保険外サービスを組み込むように、と国があらためて方向づけをしていますが、介護職個人も、介護保険制度の枠にとらわれず、外の世界に自分らしく輝けるステージを持ち、新たな可能性を発信していくことが求められているのではないかと感じています。

介護保険の枠内で提供できるサービスは、社会保障費の削減などによって、だんだんと範囲が狭くなっているのが現状です。

高齢福祉を「自助・互助・共助・公助」という視点で見たときに、介護保険外サービスは「自助」にあたります。尊厳の保持や自立支援を目的とした介護保険(共助)とは異なり、自分自身の豊かな生活や生きがいのために全額自己負担、自己責任でサービスを選択、購入するのが介護保険外サービスです。

保険外サービスの可能性は多岐にわたる

日常の生活支援においては、利用者以外のものに係る洗濯、調理、買い物、布団干し、利用者が使用する居室等以外の掃除、来客の応接(お茶、食事の手配等)、自家用車の洗車・清掃等、直接本人の援助に該当しない行為や、草むしり、花木の水やり、犬の散歩等ペットの世話等、日常生活を営むのに支障が生じないと判断される行為、部屋の模様替え、大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ、家屋の修理、ペンキ塗り植木の剪定等の園芸正月、節句等のために特別な手間をかけて行う調理等日常的に行われる家事の範囲を超える行為などが、それにあたります。

また、月1回くらい自分の好きだったいきつけのレストランで食事したい、たまに映画を見てリフレッシュをしたい、思い出の場所に旅行に行きたい、など、個人の趣向や思いを支援するサービスなどもあげられます。

保険外サービスのバリエーションを提供できるのがプロの介護職の強み

このようなニーズがあるにも関わらず、なかなか保険外サービスが定着しにくいのは、いったいなぜでしょうか?

まだまだ活用事例が少ない、介護保険内でも人手不足なのに、介護保険外までカバーしきれない、全額自己負担になると利用者にとっては割高に感じられる、などの理由があるのかもしれません。

しかし、豊かな在宅生活を送るためには、本来は選べるだけの選択肢がほしいですし、それを提供するのが、選ばれる強みを持ったプロの介護職であると感じています。

保険外サービスは結局のところ、プラスアルファの強みと言えるのではないでしょうか。

料理、洗濯、掃除、園芸、DIY、レクリエーション、リハビリ、介護予防、外出支援、見守り、コミュニケーション、美容、アロマ等々、すべてにおいて、知識や技術を高めていくことが「売り」につながっていくのだと思います。

価値ある保険外サービスで事業者も介護職も潤う

これは事業所単位においてもそうですし、介護職個人のスキルにおいても同様です。

選ばれる事業所になるためには、提案した介護保険外サービスが、利用者の方から価値あるものとして認められることこそが、大切なのではないでしょうか?

また、介護職個としても、プラスアルファの収入につながるので、好循環が生まれるように思います。

利用者の方のニーズを満たすことに貢献することが、介護職にとってのモチベーションアップにつながることは間違いありませんから、そこでいきいきと働いている介護職にフォーカスをあてることは、介護のイメージアップにもなるのではないでしょうか?

介護保険外サービスが定着するには、まだまだ時間がかかるかと思いますが、よいモデルケースがたくさん出てくることが重要です。まずは目の前の利用者の方のニーズを満たすために、介護職員の隠れた強みを活かすことから始めてみてください。そしてその強みを事業所としての強みにまで発展させていくことが求められるのではないでしょうか。満足していただいた事例を地道に積み上げていくことで、その有効性を確かめることができるようになるのではないかと思います。

-

執筆者:

関連記事

no image

共に学び、共に歩む在宅医療カレッジ〜未来を変えるために今出来ることを〜ー2

前回に引き続き、11月に開催された、医療法人社団悠翔会の佐々木淳先生主催の「在宅医療カレッジ」のシンポジウム、「これからの医療と介護のカタチ~超高齢社会を明るい未来にするための10人の提言」の報告をし …

no image

起業のために必要な10のポイント―2.法人設立

目次1 まずやるべきことは、法人の設立②2 行政書士等に設立の代行を頼んだほうがストレスが少ない3 起業への思いが熱いうちに事業計画や企業理念を作成しよう4 融資を考えるなら、資本金は300~500万 …

no image

ICT(タブレット)や介護ロボットが、介護経営の課題解決になるvol.1

介護経営における課題の中で業務効率化と離職率防止は大きなテーマだ。利用者サービスの質は担保されたままでスタッフの負担が軽減されるようなことがあれば、経営者としてはすぐにでも手を打ちたいところだろう。今 …

no image

地域づくりで一歩先を行く武蔵野市 総合事業担当者の吉田さんにインタビュー 総合事業の介護への影響とは?

目次1 武蔵野市ではどのように総合事業を考えているのか2 なぜ総合事業が実施されるのか3 介護事業者の方は今後、専門職として中重度者・認知症の方への対応にシフトしていくことが必要になる4 「通所型サー …

no image

人材確保のための実践的アドバイス―その5.ほかによい「打ち手」はないのか?

目次1 どれだけ手間がかけられるか、「打ち手」があるかが勝負に2 「若者応援宣言企業」になって、自法人を無料でアピール!3 「求人セット型訓練」で、ハローワークに登録した人を自動的に採用につなげる4 …