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介護保険施設等の指導監督(監査)業務について


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最近、指定取消や行政処分の記事を多く見かけます。昨年のコラム『平成25年の監査事例から読み解く 実地指導と監査のポイントについて』から1年以上が経過し、実地指導や監査業務における方向が少し変わってきています。今回は平成26年の監査事例をお伝えするとともに、平成28年4月から一部改正となった「介護保険施設等の指導監督業務」についてお伝えしたいと思います。

平成26年の監査事例

平成26年度における介護事業者の指定取消・効力停止処分となった事業者数は212件。内訳は指定取消が94件、効力停止処分が118件となっています。これは平成25年度の218件に続き過去2番目に多い件数となっており、2年連続で200件を超える事業所に行政処分があったということになります。

サービス種別ごとの指定取消・効力の停止処分件数については、下記資料が示すとおり、訪問介護(介護予防を含む)が76 件、通所介護(介護予防含む)が62件、居宅介護支援が18件、認知症対応型共同生活介護(介護予防含む)が15件という風に続いていきます。

平成25年度の行政処分件数も訪問介護、通所介護、居宅介護の3事業は多かったですが、これは他の事業よりも事業所数があることや、環境的に不正がしやすい事業であることが一因だと思われます。

平成26年度の指定取消事由

下記資料をご覧いただくとおわかりのように、平成26年度の指定取消事由については不正請求がトップとなっております。平成23年度以降、4年連続という形になっております。皆さんも指定取消のニュース記事などを見ると大体この不正請求の事由が書かれているのを目にすることがあるのではないかと思われます。

不正請求は意図しなくても行ってしまっていることもありますが、その際は事実を素直に認めたりすることによって過誤請求扱いで処理してもらえることなどもあります。しかし、変に隠したりすると悪質と判断され、実地指導から監査に切り替わったりします。

不正請求に次いで高いのが運営基準違反と虚偽報告となっております。運営基準違反の内容ですが、例えばサービス提供記録がない、訪問介護計画、通所介護計画などが不作成、サービス担当者会議の不開催、ケアプランの不作成、モニタリングの未実施などがあげられます。虚偽報告については指導時に実態とは異なる勤務表を提出したりした場合などがあげられます。

昨年のコラムでもお伝えしましたが「実地指導」と「監査」は異なります。介護サービス事業者等のサービスの質の確保・向上を図ることを主眼とする「指導」と指定基準違反や不正請求が疑われる場合に、指定基準や報酬請求の事実内容等について挙証資料等をもとに把握し、法第5章の各規定に定められた権限を適切に行使する「監査」とで明確に区分されています。

実地指導から監査への切り替えをされないように日々きちんとした業務管理をしておくことが大切となります。

介護保険における指導監督業務の適切な実施について

平成28年3月7日に開催された全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議において厚労省から各自治体に向けて介護保険における指導監督業務の適切な実施についての内容が通達されました。

その中でも不正事案等における厳正な対応では「運営基準違反や介護報酬の不正請求、また、利用者への虐待行為等は、利用者に著しい不利益が生じるのみならず、介護保険制度全体の信頼を損なうものであり、引き続き、通報、苦情や国保連合会介護給付適正化システムのデータの活用等により、そうした不正が疑われる情報があった場合には、関係部局とも協議の上、監査を実施していただくとともに、不正が確認された場合には、指定取消等の厳正な対応をお願いする」とされました。

更に「居宅介護サービス事業所において不正があった場合には、関係する『居宅介護支援事業所』に対しても、給付管理上の問題や当該居宅介護サービス事業所によるサービス提供に係るマネジメント上の問題がなかったか等を指導や注意喚起をしていただくとともに、不正幇助や不適正管理が疑われる場合には、必要に応じて監査を実施していただきたい」とされました。

つまり、訪問介護やデイなどで不正事案があればそれに関係する居宅まで指導、場合によっては監査までしましょうということを促しております。

処遇改善加算の指導強化

更に会議において処遇改善加算の指導強化もあげられました。通達内容としては「(1)不正が疑われる場合には、監査において、実績報告書と賃金台帳等から個人の改善額が分かる資料、給与明細書、源泉徴収票と突合するなどにより、賃金改善の状況を適切に把握して厳正な対応を行って頂くとともに、(2)実地指導においては、実績報告書と賃金台帳等から個人の改善額が分かる資料との突合、職員へのキャリアパス要件への周知等の確認、個々の職員へ賃金改善が行われているかの確認を行うなど、により、適切な運営がなされているかどうかの確認を徹底されたい」とされました。

皆さんも提出している処遇改善加算の書類において今年度分から下記資料の赤字部分のところに記載されている内容が追加されていたと思います。これは本来、職員さんに分配される処遇改善加算を事業所が不正受給していた件が発覚した影響を受けておりますが、これ以降も処遇改善加算において不正受給で行政処分を受けているところがあります。

事前通知なしの指導開始

平成28年4月から一部改正された内容としては事前通知無しで実地指導が可能となりました。厚労省が通達する介護保険最新情報Vol.532(平成28年3月30日)の中に、指導対象となる事業所において高齢者虐待が疑われているなどの理由により、あらかじめ通知したのでは当該事業所の日常におけるサービスの提供状況を確認することができないと認められる場合は、指導開始時に本来の通達文章を通知するものとするとなっております。

処遇改善加算の指導強化や事前通知なしの指導開始は明らかに昨今の状況を鑑みて、行政側も事前に手を打てるように変更してきたということでしょうね。

また、Vol.532の中では実地指導の一層の推進ということを厚労省から各保険者へとお願いされています。これは事業所数が増え続ける一方で、それを担当する各保険者の人員が増加していないこともあり、実地指導などがなかなか出来ていないことを受けてのお願いとなっております。皆さんも3年に1回くらい実地指導が来るというお話は聞いているかもしれませんが、最近のデータを見ると6年に1回くらいの割合となっております。

これを受けて一層の推進のお願いとされており、特に新規申請を行った事業所さんと更新が迫った事業所さんには回るように言われていたりもします。

ここ最近、実地指導を受けた事業所さんから以前より厳しくなったとの声を聴くことが増えていますがその背景にはこうしたことがあると認識しておいていただければと思います。

最後に実施指導は普段の業務の積み重ねがものをいいます。常日頃から管理者さん、サ責さん、ケアマネさんに任せるだけでなく経営者層がしっかりと書類の有無や内容を「確認」をすることが大切だといえます。



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