2016年度の診療報酬改定を読み解く(1) 2018年医療・介護ダブル改定を読むー3


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医療と介護の一体的な改革が進む中、診療報酬と介護報酬の関係がますます密接になっています。その点で、2018年度のダブル改定を読み解くには、2015年度の介護報酬改定のみならず、2016年度の診療報酬改定にも着目しなければなりません。特に退院支援の加速と、在宅での医療・介護連携が大きなポイントです。

2016年度診療報酬改定による退院支援加算

まず、退院支援にかかる2016年度の改定項目を取り上げます。これまでも退院支援にかかる加算としては退院調整加算がありましたが、これが退院支援加算と名称変更され、2区分となりました。加算2に関しては旧・退院調整加算と同要件ですが、加算1は要件ハードルを高く設定したうえで加算点数を大きく引き上げています(一般病棟の場合、加算2が190点に対し、加算1は600点)。

加算1と2での要件の違いを一言でいえば、退院支援のスピード化です。具体的には、集中的な退院支援を行なう「退院困難な患者」の抽出について、加算2が入院後7日以内なのに対して1では3日以内。そして、入院早期の患者・家族との面談や多職種によるカンファレンスの実施に関して、2では期限設定はなされていませんが、1では面談・カンファレンスともに「7日以内」とされています。

このスピード化に加え、介護現場として大きくかかわってくるのが、以下の要件・施設基準です。まず、退院支援に際して、(1)医療機関側の退院支援職員が介護サービス事業所等に出向くなどして担当者と面会し、退院体制に関する情報共有等を行なうこと。その前提として、(2)普段から20以上の介護サービス事業者等と連携し、年3回以上の頻度で面会して情報共有を図ることを義務づけました。

介護支援連携指導料の引き上げにも注目

加算1に関して、もう1つ注目したい基準が、医療機関側の「介護支援連携指導料」の算定実績です。具体的には、加算対象の病床100床あたり年間15回以上(療養病床の場合は10回以上)となっています。この介護連携指導料については居宅のケアマネが大きくかかわってくるわけですが、改めてその中身をおさらいしておきましょう。

まず、患者の退院後に介護サービス利用の見込みがついたとします。その段階で本人の意向にもとづき、医療機関側から要介護認定の申請やケアマネの選定についての情報提供を行ないます(初回指導)。そのうえでケアマネ手配を行ない(すでに患者に担当ケアマネがついている場合には、ケアマネに来院を要請)、そのケアマネと連携しながら、患者やその家族に対して退院後の療養などについての指導を行ないます(2回目指導)。

この介護支援連携指導料も、2016年度改定で引き上げとなりました。また、患者が間もなく退院となった場合には、院内での多職種カンファレンスに対して退院時共同指導料が算定されます。こちらも2016年度改定で引き上げとなりましたが、特に共同指導料1を在宅療養支援診療所が算定した場合には、500点もの引き上げ(1,500点)となっています。

「医療側の連携打診」に対して介護側は?

以上の退院支援にかかる報酬改定を見ると、(1)退院までの過程が加速するとともに、(2)スムーズな在宅へのバトンタッチに向けて「医療機関側が地域の介護資源に積極的にアクセスする」という傾向が強まっています。介護サービス側としては、「これまで急性期から間もない重度利用者の受け入れ実績は乏しかった」という事業者であっても、(年3回の面談要件などにより)医療機関側から連携を打診されるケースが増えることになります。

この退院支援強化の効果次第では、2018年度改定で「連携」という部分での踏み込みがさらに進むことも考えられるでしょう。そして、ダブル改定という点を考えた場合に、介護報酬側にも「医療機関からの連携打診に応える」ことにインセンティブを設けるといった改定が想定されます。現状、居宅ケアマネには退院・退所加算がありますが、こちらも要件等の改定がなされる可能性が出てきそうです。

では、患者が在宅に復帰し、介護側が主な受け皿となった場合の医療・介護連携はどうなるのか。次回はその点を掘り下げます。

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