平成27年度介護給付費実態調査の概況について


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今回は8月31日に厚生労働省から発表された平成27年度介護給付費等実態調査の概況(平成27年5月審査分~平成28年4月審査分)について解説したいと思います。平成27年の介護保険改定を受けての1年間の結果となっておりますので昨年のコラム、平成26年度介護給付費等実態調査の概況と比較してお読み頂ければと思います。

介護予防サービス及び介護サービスの受給者の状況

平成27年度の年間実受給者数は605万1,100人(対前年度比16万8,100人(2.9%)の増加)となっており、初めて600万人を突破しました。内訳を見てみると介護予防サービス155万9,500人(対前年度比4万8,500人(3.2%)の増加)、介護サービス 484万( 対前年度比 13万400人(2.8%)の増加)となっております。

下記資料のサービス種類別にみた受給者数(介護予防サービス)を見てみますと介護予防訪問介護における年間実受給者数が60万2,300人(対前年度比1万3,500人(2.2%)の減少)となっております。これは27年度改定によって一部市町村が介護予防・日常生活支援総合事業を始めたために減少した結果だと予想できます。

一方で介護予防通所介護では年間実受給者数が76万300人(対前年度比2万9,200人(4.0%)の増加)となっております。こちらも同様に総合事業が開始されたことを思えば減少していてもおかしくはないのですが増加の結果となっております。ただし、平成26年度の際には対前年度比5万9200人(8.8%)の増加となっておりますので増加数が半減していることがわかります。増加しているとはいえ、半減していることを思えばこちらも総合事業の影響を受けていることがわかります。

改定から1年半が経ち、総合事業を開始し始めた市町村が徐々に増えております。平成29年4月にはどの市町村でも総合事業が実施となっておりますので、介護予防訪問介護、介護予防通所介護における受給者数は、今後は年々減っていくことが予想されますね。

都道府県別にみた1人当たり費用額

受給者1人当たりの費用額は 15万7,000円(対前年同月増減額800円の減少)となっており、サービス種類別にみた受給者1人当たり費用額をみると、介護予防サービスでは3万6,600円(同4,400円の減少)、介護サービスでは19万900円(同400円の減少)となっております。

下記資料をご覧いただくとおわかりのように都道府県別にみた1人当たり費用額では、介護サービスにおいては沖縄県が21万300円と最も高く、次いで鳥取県が20万6,000円、石川県が20万3,700円となっています。反対に、福島県が18万1,700円と最も低く、次いで北海道の18万2,900円、埼玉県の18万3,500円となっております。

介護予防サービスは佐賀県が3万8,900円と最も高く、次いで福井県、兵庫県、鳥取県が3万8,800円となっています。介護予防サービスについては先述したように訪問とデイは徐々に総合事業に移行していきますので、今後はそれら以外のサービスにおける1人当たり費用額という形に変わっていきます。財務省が示す方向性においては介護予防サービスについては、いずれは全て総合事業に組み込むとしておりますので介護予防サービス自体がいずれはなくなる可能性はあります。

サービス種類別にみた受給者1人当たり費用額

下記資料のサービス種類別にみた受給者1人当たり費用額(介護サービス)を見てみると、居宅サービスは12万6,300円(対前年同月増減額700円の増額)となっており、その中でも訪問介護事業7万2,100円(同1,700円の増額)、通所介護事業9万2,200円(同900円の増額)とマイナス改定だったにも関わらず一人当たりの費用額が増加しております。

居宅サービスは利用者さんの状況によりますが、サービス量(回数)を増やすことが売上をあげることになりますので、サービスの単価が下がったとしても、回数を増やすことができれば一人当たりの売上げを伸ばすことが可能です。もちろん、人件費率をしっかりと見ておかなければ結果として売上があがっていても利益が減少しているケースもありますが費用額が増額している結果だけみれば、1人当たりが使用する回数が増えたとみて良いと思います。

地域密着型サービスは23万3,600円(対前年同月増減額900円の増額)となっており、定期巡回・随時対応型訪問介護看護 16万1,900円(同1万4,400円の増額)、小規模多機能型居宅介護※(短期利用以外)20万9,200円(同3,400円の増額)、グループホーム※(短期利用以外)27万5,900円(同3,100円の減少)となっておりグループホームはマイナス改定の影響が出た結果となっております。

そしてマイナス改定の影響を一番受けたのが、施設サービスとなっており、29万800円(対前年同月増減額5,800円の減少)。内訳は特別養護老人ホームが27万3,100円(同7,600円の減少)、介護老人保健施設29万7,100円(同900円の減少)、介護療養型施設39万円(同3,300円の減少)となっております。

特養は1人あたりの費用額が7,600円の減少となっておりますので仮に100人規模の特養ですと、7,600円×100人=76万円×12ヵ月=912万。年間で912万の売上減となっていることになります。

施設サービスは加算などの取得によって単価をあげることは可能ですが、本体のマイナス改訂分をカバーしうる単価をあげるのはなかなか至難なこととなります。人員基準もあるため、売上単価が下がった分、人件費を減らすことでの解決にはなりません。そう考えると施設サービスは他の部分でのコスト削減などでカバーしなければなりませんね。

今回の平成27年度介護給付費実態調査の概況を通じて考えさせられることは、やはり27年の改定は事業者さんにとって数値マネジメントが厳しく求められる改定であったのではということです。数値を見て振り返ることは重要ですが、大切なのは未来の数字をきっちりと作っていくことです。次期介護保険改定においてはやはり単価が下がることを想定し、今からしっかりと準備をしておかなければいけませんね。



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