ダブル改定で目指される大きな流れ 2018年医療・介護ダブル改定を読むー1


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2018年度には再び介護報酬の改定が予定されています。しかも、この年度では2年ごとの診療報酬改定と重なる「ダブル改定」となります。2015年度改正の軸となった医療と介護の一体改革の流れが加速する中、両者の関係はどうなっていくのか、そして次期報酬にどのようなメスが入るのか。審議会の議論もにらみながら展望していくことにしましょう。

すでに介護保険部会が2年ぶりにスタート

介護保険制度のあり方を議論する社会保障審議会・介護保険部会が、今年の2月17日から約2年ぶりにスタートしています。介護保険部会といえば、報酬改定ではなく制度自体の改正をにらんだ議論の場です。前回の介護保険法の改正(地域医療介護総合確保法の一環として実施)は、主に2015年度から施行されています。たとえば、2017年度を始動期限とした「新しい総合事業」がまだスタートしていない自治体もある中、早くも次の枠組みを議論するという流れになっているわけです。

当初、介護保険制度は6年ごとの改正法施行と3年ごとの報酬見直しというサイクルで行われてきました。しかし、2015年度改正は、制度開始後初めて3年サイクルでの改正法施行となりました。しかも、要支援者の予防通所・訪問介護を地域支援事業(新しい総合事業)に移行させたり、原則1割だった利用者負担について一定以上所得者を2割にするなど、これまでにない大きな見直しが行われています。それからまた3年のサイクルで、2015年度改正並みの見直しが進もうとしています。

注目は軽度者給付や利用者負担の見直し

現在、開催中の介護保険部会では、特に「軽度者の給付のあり方」に注目が集まっています。これは、財務省の財政制度等審議会が出した建議(「経済・財政再生計画」の着実な実施に向けた建議・2016年5月18日)や、内閣府の経済・財政再生計画の改革工程表などに示されたものです。

具体的には、軽度者に対する訪問介護の生活援助や福祉用具・住宅改修について、地域支援事業への移行や原則自己負担(一部補助)などを含めて給付のあり方を見直すとされています。ちなみに、「軽度者」の定義について、財務省建議の中には「要介護1・2」と位置づける文言が見られます。

もう一つ注目されているのが、利用者負担の見直しです。財務省建議では、「65歳以上74歳以下の高齢者について、医療制度との均衡をふまえ、原則2割負担化への見直しを実施すべき(75歳以上についても2割負担化を検討する)」としています。また、高額介護サービス費制度については、「高額療養費と同水準まで利用者負担限度額を引き上げるべき」という方向性が示されています。

これらは経済・財政再生計画の一部に過ぎません。しかし、少なくとも上記の2点(軽度者給付と利用者負担のあり方)については、関係審議会(介護保険部会)等での検討結果に基づき、2017年度の通常国会への関連法案の提出が改革工程表に明記されています。仮に2017年度の通常国会で可決・成立するとなれば、第7期介護保険事業計画に合わせるという点で2018年度の施行が想定されるわけです。

大きな流れを押さえることから始めたい

軽度者給付のあり方も利用者負担の見直しも、実施されれば、利用者のみならず事業者にとっても多大な影響は避けられません。それゆえ、介護保険部会の議論の行方によって現場の運営計画などが大きく左右されるのは避けられないでしょう。ただし、それだけでは、地域の介護ニーズを支える立場としてなかなか足元が定まらないことになります。

今更言うまでもないことですが、今回議論されている改革の方向性は、国が進める地域包括ケアシステムの構築のもと、医療を含めた社会保障制度全般の見直しという大きな流れの中にあります。ここで「ダブル改定」というタイミングが重要な意味を持つわけです。その中で「介護保険制度」がどう位置づけられるのかをとらえなければ、現場はただ翻弄されるだけとなりかねません。当コーナーでは、まず「ダブル改定」という視点での大きな流れを押さえることから始めましょう。

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