介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)について


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直近のコラムでは介護事業における規模の拡大化の重要性を説いてきました。規模を拡大化するにあたって切り離せないものとして人材の確保があります。今回は2016年6月3日に行われた第59回社会保障審議会介護保険部会資料より介護人材の確保(生産性向上・業務効率化等)について内容を解説していきたいと思います。

介護人材の確保について現状

現在、介護職員については介護保険制度創設時の約55万人から、2014度には約177万人と、この14年間で約3.2倍に増加しています。これは受給者の伸びとともに順調に雇用も促進した結果と言えます。

上記資料を見て頂くと2025年度の介護人材の需要見込みは253万人となっています。2025年はいわゆる、団塊の世代が75歳以上になる年であり、2015年に1,650万人だった75歳以上高齢人口が、2,180万人まで増加すると予想されております。75歳以上の高齢人口が多くなれば当然、要介護人数も増加しますからそれに合わせて介護人材が必要となります。

ただ、現状推移シナリオによる介護人材の供給見込みは215万人となっており、都道府県推計に基づく需給ギャップの見込みは約38万人が不足する状態となっております。

また、一億総活躍社会の構想により約12万人分の介護施設等の基盤整備が前倒しすることとなりましたから、それによって2020年度までに当初計画の必要となる介護人材数20万人から25万人へと変更された状態となっております。

2020年代初頭に向けた総合的な介護人材確保対策

2020年代までに現状から25万人の介護人材を確保しなければいけませんが、そのための対策としては下記資料でも記されておりますが、(1)離職した介護職員を介護現場に呼び戻す、(2)新規参入促進、(3)現場で働く介護人材の定着を促進する、があります。この他資料には載っておりませんが、(4)外国人介護人材の受入れという4つが介護人材確保対策として今後取り組まれていく内容となります。

事業者としては国が介護人材確保対策として(1)?(4)を行う中で如何に自社に人材を取り込める戦略を行うかがポイントとなります。例えば(2)の新規参入促進については若年者である新規学卒採用戦略と中高年齢者への中途採用戦略と2軸あります。どちらも抑えるべき事項ではありますが、自社の規模に応じて柔軟に対応しなければいけないかもしれません。

また、(4)外国人介護人材の受入れについては2016年2月5日に閣議決定された内容を見てみると、

1. 「介護福祉士」の国家資格を取得した外国人留学生が引き続き国内で就労できるための新たな在留資格を速やかに創設

2. 技能実習期間の延長(3年→5年)のための措置を速やかに講じる

3. 新たな技能実習制度の施行と同時に対象職種への追加を行う

となっており、今よりもかなり容易に受入ができる仕組みを整える形となっております。今までは一部の大きな特養さんなどが主体として行っていた外国人介護人材の受入れですが裾野がだいぶ広がると思っておいたほうが良いかもしれません。

介護の生産性向上・業務効率化等について

限りある人材の有効活用に取り組む中で、介護の質を低下させずに現場の業務負担の軽減を図る観点からは、生産性の向上・業務効率化や介護人材の専門性の発揮等が重要であるとされています。

ロボット・ICT等の新しい技術を活用した生産性の向上等については、介護記録の作成・保管等のICT化により、事務を効率化することで、間接的業務の所要時間を削減し、介護職員が直接処遇に係る業務に多くの時間をかけることができるようにする取組が考えられるとされています。また、介護現場におけるロボット技術の活用により、介護の業務負担の軽減を図る取組なども有効であるとされています。

2015年度の介護保険改正を見ても、訪問介護事業におけるサービス提供責任者の配置基準等の見直しについてはICT化を進めていました。一億総活躍社会のプランのなかでは、文書のICT化の推進は行政が求める帳票等を含め文書量を半減にという目標が掲げられています。

介護人材の専門性の発揮については地域の高齢者を「介護助手」として活用することで介護の担い手を増やし、専門性のある介護職には専門分野でその能力を発揮してもらう取組も行われているとされています。

介護人材の確保についての論点

介護人材の確保についての論点の内容としては上記資料があげられておりますが、結局のところ要約していくと、人材確保対策としては先にあげた(1)?(4)の内容、業務効率化としてはICT化によっての時間創出、生産性向上として介護ロボットの導入といった感じになっております。

そして、介護人材の専門性の発揮という部分については、軽度者への生活援助の在り方、軽度者へのその他給付の在り方を示唆しています。介護福祉士等の専門職のサービスが必要になるのは中重度者であり、そこに専門性を発揮してもらおうということです。入浴、食事、排せつなどの介護が必要な方に必要なサービスをするためには掃除や洗濯などのサービスを介護福祉士がする必要がないということです。

介護人材の確保という点からみた際でも密接に次期介護保険法改正に絡んでくる内容が記載されております。ともあれ、冒頭でも記述しておりますが規模の拡大化をする際には人材の確保は絶対に重要な戦略になりますので国の方向性を見据えながら自社の戦略をしっかりと立てないといけませんね。

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