有料老人ホームへの指導強化について

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前回のコラムにてこれからの介護業界を生き残るためには、在宅扱いとなる住宅の重要性をお伝えしましたが、今回は4月22日に厚生労働省老健局高齢者支援課より各保険者に出された介護保険最新情報vol.547の「有料老人ホームへの指導強化」に関しての解説をしていきたいと思います。

未届の有料老人ホームの届出促進及び指導状況について

未届けの有料老人ホームの調査を平成21年度から平成27年度まで毎年度計7回実施されていますが、未届けの施設数は、近年は減るどころからむしろ増加傾向となっています。勿論、各保険者は有料老人ホームの届出促進に向けた取組みを行っておりますし、適切な指導監督をしているところも多いですが、今回の調査結果でも、多数の未届の有料老人ホームが確認され、届出が進んでいない実態が明らかになった形となりました。

下の資料にも記されているように平成27年度は1,017件の未届有料老人ホームが確認されております。また、緊急追加調査が行われ平成28年1月31日時点での結果では新たに633件の未届の有料老人ホームが把握されております。つまり平成28年2月1日段階では1,650件もの未届有料老人ホームが存在していることとなります。届出されている有料老人ホーム数が1万627件となっておりますから、未届率は15%以上あることになります。

未届の有料老人ホームはほとんどが住宅型有料老人ホーム!?

1,650件の未届となっている有料老人ホームは基本的にはほとんどが住宅型有料老人ホームに類するものだと思われます。

有料老人ホームには「介護付き」「住宅型」「健康型」と3タイプがありますが、介護付き有料老人ホームについては、各管轄行政の許認可がいる事業ですから未届で行うことはできません。「健康型」は食事等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設ですが、介護が必要となった場合には、契約を解除し退去しなければならないため全国的にも数は少なめとなっております。

「住宅型」は生活支援等のサービスが付いた高齢者向けの居住施設で介護が必要となった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら当該有料老人ホームの居室での生活を継続することが可能となっております。

下記の資料でも記載されておりますが、「介護付き」は施設に介護保険サービスが適用となりますが、「住宅型」は外部サービスとして入居者自身がサービスを選択できるものとなっております。単身又は夫婦のみの高齢者世帯が大幅に増加しているなかで、急激に増加しているのが「在宅」として扱われる、「住宅型有料老人ホーム」と「サービス付き高齢者向け住宅」となっております。

有料老人ホームの届け出は義務!!

有料老人ホームにおいては、虐待等をはじめ入居者の処遇に関する不当な行為が行われることを未然に防止するためにも、必要に応じて地方公共団体が迅速かつ適切に関与できる前提として、届出の手続を義務づけています。

未届の有料老人ホームが届出を出さない、いくつかの理由として(1)知識不足でそもそも届ける必要性があると思っていない。(有料老人ホームの定義にあてはまっていると認識していない。)(2)届出における書類作成に手間がかかるため。(3)建物の基準が有料老人ホームとしての要件を満たしていない。等といったものが挙げられると思います。しかし、当然ですが(1)?(3)の要件に該当している場合においても有料老人ホームの届出は義務となっております。

上記資料にて記載されているように、有料老人ホームとは老人を入居させ、入浴、排せつもしくは食事の介護、食事の提供又はその他の日常生活上必要な便宜であって厚生労働省令で定めるものを提供している場合は届出の義務が発生します。

(3)建物の基準が有料老人ホームとしての要件を満たしていないため、届出をしていないというのも違法になります。また、昨年の7月1日から有料老人ホームの設置運営指導指針が改正されておりますので設備等の基準を満たしていない場合においても、代替措置の確保や改善計画の策定などを行えば指針に適合ということになります。(詳細は昨年7月28日のコラム「7月から始まった有料老人ホーム設置基準改定のポイントについて」をお読みください)

有料老人ホームの前払金の保全措置の状況について

下記の資料を見て頂くと老人福祉法第29条第7項に基づく前払金の保全措置を講じていない有料老人ホームについては、前回調査に引き続いて義務違反の施設の割合は減少し、一定の改善は見られております。

前払金の保全措置は、事業者が有料老人ホーム事業を継続できなくなったときに、入居者が最初に支払った前払金の残余分を返済することができなくなる恐れがあるため、入居者保護の観点から行われております。

これとは別に権利金等については平成24年4月1日に施行した改正老人福祉法により、現在では全ての有料老人ホームにおいて権利金その他の金品の受領が禁止となっております。

前回のコラムで『住まい』の重要性はお伝えした通りですが、今後の地域包括ケアシステムにおいて「在宅」扱いとなる住宅型有料老人ホームとサ高住においては今後も行政は厳しく指導をしてきます。行政に実態を把握されていることや地域の評判などを考えれば未届でいるよりも届出をするほうが良いでしょうね。

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