介護業界生き残り戦略II 地域包括ケアシステムにおける住まいの重要性


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4月から平成28年診療報酬改定が施行され、医療・介護業界はいよいよ平成30年の同時改定に向かって様々な政策が実行され、議論も活発化しております。今回の診療報酬改定を一部の側面から着目して見てみると『在宅』というキーワードが浮かんできます。地域包括ケアシステムの構築がますます進んでいくなかで介護業界を生き残るためには何をすべきか? というテーマで今回は前後半に分けてお伝えしていきたいと思います。

診療報酬改定における地域包括ケアシステムの重要性

平成28年度の診療報酬改定において、入院医療における在宅復帰を一層推進するために、7対1入院基本料等の施設基準になっている自宅等(高齢者住宅は在宅扱い)に退院した患者の割合について75%から80%に引き上げがされました。また、今までは認められていなかった在宅医療を専門に行う医療機関の開設も認められることになりました。

 

下記の資料のように介護業界同様に医療業界においても地域包括ケアシステムの推進が重要な取組事項と明示されています。

キーワードは在宅

現在、国の政策において平成30年度の医療・介護同時改定に向け医療機能の分化・連携と地域包括ケアシステムの構築を一体的に推進中です。

 

気になる点としては、医療における「病床の機能分化・連携・在宅医療の推進」が将来にわたって各都道府県の責任において実現可能なのか? また、介護における「地域包括ケア体制の構築」が各市町村の責任において、実現できるのか? といったところです。

 

進んでいるのかどうなのかと聞かれれば依然として不透明な部分が多いですが、社会保障費の抑制をしていく為にはこれを何としてでもやらないといけないこともまた事実です。

 

当然、現場である医療機関さん・介護事業者さんはこれらの内容の実現の可否によって、今後の医療や介護の経営がどうなるのか検討しておかなければなりません。

 

介護業界においては平成27年度の改定は、マネジメントが出来るか、規模の拡大化が出来るかなど一定の組織力がないところがふるいにかけられるような改定でしたが、平成30年度同時改定はその路線を継続しながらさらに医療とどのように向き合っていくのかがポイントになると思います。その際に重要なキーワードの1つとなるのが『在宅』となります。

地域包括ケアシステムにおける住まいの重要性

国土交通省から5月24日に公表されたサービス付き高齢者向け住宅の整備等のあり方に関する検討会(約2年間で8回の検討会が開かれた)についてのとりまとめ資料のなかに、『サ高住の整備を契機として、日常生活圏域を目安に、高齢者の住まいと医療・介護・予防・生活支援のサービスが適切に提供される体制を実現することで、高齢者が自分らしく安心して暮らし続けることが可能となる。

 

このため、サ高住を単なる高齢者の住まいとして捉えるのではなく、「地域包括ケアシステム」の一翼を担う存在として捉えるとともに、まちづくり全体の中での位置付けを考えることが重要である。』と記されています。

先程の地域包括ケアシステムの姿を見ていただくとお分かりのように住まいが図の中心に来ています。医療、介護、生活支援、介護予防などはあくまで住まいに住んでいる人が利用するサービスであり、住まいとは分離されているものです。反対に介護施設などは住まいとケアが一体化されているものとなっております。

 

住まいは個人がサービスを選択できるのに対して、施設はパッケージ化されているため一律のサービス提供となります。言い方は悪いですが、施設ではサービスが不要な方に対しても過剰にサービス提供がされており、結果、保険費用が高騰している形になっています。国もそれがわかっているため、先の改定で特養の受入を要介護3~5までに限定したりしたのです。

 

つまり、社会保障費の抑制という命題のためには住まいとケアを分離し、個々人に見合ったサービスを選択してもらうことが理想なのです。

 

介護事業者における住まいの重要性

前回のコラムでも記載しましたが、介護事業者が今後生き残っていく為には『規模の拡大化』が必須となってきます。例えば社会福祉法人さんで言えば先述したように特養の受入制限が強いられたわけですから、受け入れられなくなった要介護1~2の方を受け入れる『住まい』は非常に大切になってきます。在宅サービスを展開している事業者さんにおいては、利用者さんが1人暮らしでの生活に支障をきたす程度に重度化した際に『住まい』がなければ、その利用者さんは他の介護事業者さんに取られてしまいます。

 

また、介護保険外事業、介護度をもっていない一般の高齢者に対するサービスを考えた際にも『住まい』を拠点としたものがあればいずれはその中から介護が必要になる方も出てきます。勿論、『住まい』に手を出す場合は投資額が大きくなりますからそれなりのリスクも生じますが、地域単位での戦略拠点と考えた場合はあるとないとでは大きな差になってくるでしょう。

上記、資料に記載されているように『住まい』には適切な医療・介護サービスが必要となってきますが、介護事業者さんが『住まい』を行う時に困ることが、介護事業はわかるけど住宅事業がわからないということです。施設に近いイメージで事業を行うことは可能ですが、『住まい』と『施設』は似て非なるものです。最初の制度設計や運用を間違うと大変なことになります。

 

制度設計についてお悩みの場合は是非お声掛け頂ければと思いますが、運用に関しては介護ソフトと『住まい』のソフトが連動して一体となっているものがあります。私も途中から使用しておりますが、開発をもっと早くしていてくれれば運用制度を考える際にすごく楽だったのにと思っていますし、使用してからの業務効率化は目を見張るものがあります。

 

※利用介護ソフト:カイポケ

 

介護業界生き残り戦略と題して前後半に分けてお伝えしましたが、生き残りを考えた際には必ず戦略が必要となります。加算を取得する、コストを削減する、稼働率をあげる。これらも勿論必要ですし、大切です。そのために業務効率化などは欠かせないです。ただしこれらは戦術のレベルです。戦術ではいずれ限界がきます。そのために戦略です。戦略は全ての事業者さんが同じ戦略を使えるわけではなく、地域性や自社の持っているものなどを十分に考えた上で立案をしなければいけません。

 

今回の内容が皆様の戦略立案に少しでもお役に立てる情報なら幸いです。

 



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