人材確保のための実践的アドバイス―その9 主婦層をターゲットにした戦略的な職員採用法


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主婦層の心にヒットする人材確保の方法について、一歩踏み込み考えてみる。また、地域で仕事を探している女性を掘り起こし採用したり、かつて介護職だったが、復職を果たせていない人たちにアピールする方法についても探ってみたい。

郵便局や地元の信金、市役所などに求人ポスターを貼って、アピールする

今回は、主婦層をターゲットにした、一歩踏み込んだ戦略的な人材確保についてご紹介させていただきます。

 

郵便局にはさまざまなポスターが掲示されています。私の地元の郵便局ですと、B2サイズ(515×728ミリ)で2週間掲載して4,000円?6,000円の費用負担となります。主婦ならば、郵便局はたいてい訪れると思います。郵便局のポスターは、座って順番待ちをしている際に、ちょうど目線の高さに来るように貼られています。費用負担についても、とらえ方次第ですが、私は比較的安価な印象を持ちました。

 

仕事柄、求人広告には絶えず注目しているのですが、地元の信用金庫や市役所などに求人広告が掲載されている場面も最近ではよく見かけます。

 

コストとの兼ね合いになりますが、順番待ちでボーとしている最中にちょうど目に留まるというのは、比較的見ていただきやすいのではないでしょうか。B2サイズというのは、結構大きくて、インパクトがあるように私は感じました。

 

主婦が集まるという点では、スーパーなども捨てがたいですね。

 

地域ネットワークを広め、求職者の掘り起こし……紹介から職員獲得へ

次に、地道ではありますが、地域ネットワークを広め、求職者の掘り起しを行うことなども重要なことだと思います。

 

まず、町内会や自治会に参加し、役員を務めてみてはいかがでしょうか。介護事業所は地域に根づいていくことが非常に重要だと思います。当然、利用者獲得のための営業にもつながりますし、地域の住民や地域包括支援センターから、仕事を探している人がいる、との情報を得て、採用につなげたケースもあるようです。

 

また、事業所の地域開放にも積極的に行ってみてください。お祭りなどの際に、積極的に施設を開放すれば、やはり利用者獲得のための営業につながりますし、前回のコラムでもご紹介したように、事業所に「スタッフ募集」のチラシを貼っておけば、訴求力のあるPRになるのではないでしょうか。

 

また、地域住民向けのイベントなど開催してもよいと思います。特に「認知症セミナー」などは親和性が非常に高いと思いますし、介護等のイベントに関係なくても、自事業所に来ていただけるだけで十分な効果はあると思います。高齢者向けの「カフェ開設」なども面白いかもしれません。

 

再就職準備金の貸付を活用し、人材を呼び戻す一助に

2016年3月7日に、全国介護保険・高齢者福祉担当課長会議が開催され、介護人材不足に対応するためのさまざまな施策が発表されました。

 

介護人材を確保することは、もはや国を挙げて取り組まなければならない課題、とも言え、重要性が増してきています。

 

次々と国の予算を投入して人材確保・定着対策をしていこう、という具体案が示されてました。その内容をここで見ていきましょう。

 

<離職した介護人材の呼び戻し対策の全体像>

 

離職した介護人材のうち一定の経験を有する者に対し、介護職員として再就職する際に必要となる再就職準備金の貸付メニュー(再就職後2年間介護職としての実務に従事することにより返還義務を免除)を新たに創設し、潜在介護人材の呼び戻しを促進。

 

さらに、離職した介護人材の届出事業を新たに実施するなど、再就職支援対策を強化。

 

再就職準備金の例(貸付額(上限)20万円)(1回を限度)

 

・子どもの預け先を探す際の活動費

・介護に係る軽微な情報収集や学び直し代(講習会、書籍等)

・被服費等(ヘルパーの道具を入れる鞄、靴など)

・転居を伴う場合の費用(敷金礼金、転居費など)

・通勤用の自転車・バイクの購入費など

 

貸付対象者

 

当該都道府県の介護施設・事業所に介護職員(介護職員処遇改善加算の対象職種。以下、この表において同じ)として再就職する者であって、以下の全ての要件を満たすこと。

 

(一定の経験)

(1) 介護職員として1年以上(雇用期間が通算365日以上かつ介護等の業務に従事した期間が180日以上)就労した経験を有する者であること

 

(一定の知識・技術)

(2) 介護福祉士有資格者又は介護職員初任者研修その他これと同等以上と都道府県が認める研修を修了している者であること

 

(届出制度との有機的な連携)

(3)原則として、都道府県福祉人材センターに離職した介護職員として氏名・住所等の届出又は登録を行っていること
※上記のほか、介護人材のキャリアアップ及び職場定着を促進する観点から、貸付対象者の再就業先は、介護職員処遇改善加算が算定されている事業所が望ましい旨を規定する予定

いかがでしょうか。

 

このコラムをご購読の皆様の事業所でも、かつてさまざまな諸事情により、退職してしまったが、現在復職していない、という方がいらっしゃるのではないでしょうか。

 

「円満退職」という形で別れた方が、もしいらっしゃれば、ぜひお声をかけてみてはいかがでしょうか。

 

再就職準備金についても、相談次第で緩く捉えていただけるかもしれないので、各事業所の都道府県福祉人材センターまで問い合わせてみてもよいのではないでしょうか。

 

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