起業のために必要な10のポイント―4.開設予定エリアの商圏調査と物件・内装・設備・車両調達


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シリーズ4回目に入り、いよいよ開業に向けての実践的な内容になる。物件をどうするか、契約までの留意点、内装工事・設備、送迎の車両調達をどうやって行うかなど、筆者が経験に基づき、わかりやすく解説する。

どの地域で勝負するか、半年前からリサーチを

いざ起業を決めたら、開業から半年前にはどの地域で勝負するかを考えます。

 

情報は、ある程度webから拾えます。区のホームページから高齢者人口や要介護者の人数。介護事業所の数や種類など、さまざまな情報を収集します。

 

他事業所が少なくて、高齢者が多く、職員が通いやすい。そして、家賃が安い。

 

そんな物件がよいのですが、なかなかすべての条件がそろうのは厳しいので、どれを優先するかはさまざまな物件を見て、選択しましょう。

 

デイサービスの場合は、送迎車で利用者を迎えに回るので、通りに面した場所でなくてもさほど差し支えはありません。そういう場合は、多少安く借りられる傾向があります。

 

逆に、多少家賃が割高になっても、通りに面している物件のほうが、それだけで、広告営業になるので、戦略的にそういった物件を選ぶのも、一つの手です。

 

どちらにしても、家賃は予定収入の一割くらいに押さえられると運営しやすいです。

 

当初は、自宅から駆けつけられる範囲で開業するのが安心

実際に起業した当初は、社長自ら運営に参加するパターンも多いかと思います。何かあったときのために自宅から駆けつけられる範囲で開業するほうが安心です。

 

また、地域の方とのつながりが少しでもあったほうが、力を貸してもらえることがあるかもしれません。

 

私の場合、地域の活動等にも以前から参加していたので、開業後は、近隣の飲食店や理容室、歯科医院や整骨院さんたちにパンフレットを快く設置していただけました。

 

開業場所をある程度決めたら、次は物件探しです。

 

インターネットで探すのも一つですが、直接、開業を予定している地域の不動屋さんに相談するのがよいと思います。

 

何ヵ所か内覧をさせていただき、デイサービスを行ってもよいテナントなのかを確認しながら探しましょう。

 

また、送迎時に乗降は安全にできるか、送迎車の駐車場は近隣に確保できるか、介護保険上の面積や静養室、相談室の確保ができる広さがあるのかも重要です。

 

契約前に役所や消防署で、要件を満たしているかどうか、あらかじめ確認したい

物件の契約をする際は、事前に役所や消防署に、都市計画法上や建築基準法上、消防法上や府県の条例、介護保険上等の要件に合うか確認してからにしましょう。

 

最悪の場合は、確認を行わずに物件の契約をしてしまった後に不適合となってしまい、開業できなくなってしまうケースもあります。

 

物件の候補を見つけたら、必ず、上記の事項を各役所に確認に回りましょう。その際、物件の図面(不動産屋でもらう簡易なもの)を持参します。申請時には詳しい平面図が必要です。

 

よほど資本金がある場合を除くと、スケルトン物件は控えたほうがよいかなと思います。一から内装を行うと1,000万近く費用がかかることがあるので、リフォームするくらいで済む物件のほうが初期投資は抑えられます。

 

物件の契約は法人名でなければいけないので気をつけてください。

 

物件を探したり、さまざまな確認作業をするのは、一人ではとても大変な作業ですので、経営支援サービスなどを上手に使って負担を減らすのも一つの手ですね。

 

内装工事は2~3社に見積もりを取り、設計には、介護のプロとして妥協をしない

物件の契約が成立したら内装工事です。

 

内装工事は2~3社に見積もりを出してもらうことをお勧めします。その際、工務店の言いなりにならずに、しっかりと意見を伝えましょう。設計のことは素人にはわかりませんが、利用者の施設内での動線は介護の現場を知っている私たちのほうがプロです。自信をもって意見を言いましょう。

 

たとえば、最新のトイレは利用者にはわかりにくいボタンがたくさんあったり、洗面台も車いすのフットレストがあたらないように洗面台の下が空洞になっていたり、蛇口も使い慣れているレバー式のほうが良かったりします。最新のおしゃれな機能のものは、利用者様が混乱してしまうことがありますので、設置前にどの製品が設置されるのか業者の人に確認しましょう。

 

ふだん、あまり工務店さんとお付き合いがない方は、なかなか安心してお願いできるところもなくて、不安になってしまう場合があるかもしれませんが、リフォーム支援などのサービスもありますので、そういったものを利用すると安心かもしれませんね。

 

私の場合は、たまたま子どもの小学校のお父さんで友人が、工務店をしていて、材料費とほんの少しの気持ちで開業祝いを兼ね、リフォームをしてくれました。開業当時は、ほんとに資本もギリギリの状態でスタートしたので、この友人の好意に甘えさせていただきました。

 

開業当初は、あらためて多くの友人たちのありがたさを再認識し、感謝しっぱなしでした。

 

設備導入は指定申請を提出する時点では、すべて終わっていなければならない

通所介護事業の指定申請を提出する時点で、すべての設備や備品がそろっている状態でなければなりません。ということは、4月1日にオープンするならば2ヵ月前の1月の末にはすべてそろっている状態です。

 

備品には、さまざまな物があります。

 

電話機・ファクス機・パソコン・シュレッター・プリンター・机・椅子・鍵付き書庫・食堂テーブル・椅子・ベッド・電化製品(テレビ・冷蔵庫・レンジ・掃除機)食器棚・車いす・ナースコール・災害用設備(火災報知設備・誘導灯・消火器等)・相談室スペースを区切るパーテーション・送迎車等。

 

また、細々した封筒などの文房具用品関係の用意も必要です。

 

すぐに営業が開始できるように、着々と準備します。

 

車両調達

車両も指定申請の時点ではそろっていなくてはなりません。車いす仕様でなくても大丈夫ですが、どのような利用者が来るかわかりませんので、車いす対応の車両も1台は用意したほうが安心です。

 

車両を用意する際には、さまざまな方法があります。

 

新車や中古。リースや購入など。それぞれにメリットとデメリットがあります。

 

新車の場合は、故障の心配は少なくてアフターフォローもしっかりしているので、メンテナンス等も安心です。利用者を乗せるので安心安全においてとてもメリットがあります。中古車は、とても安く用意できる車両もあるので、資金的にはとてもメリットがありますが、メンテナンスをマメにやらないと思わぬ故障に合うかもしれない心配があります。

 

リースは保険料が込みだったり、故障した際の代車を用意してくれたりと手厚いフォローがメリットですが、自社の物にはなりません。購入は自社の物になりますが、保険等の費用がかかります。自社の資金状況に合わせて検討してください。

 

マイカーを会社に現物出資したり、会社と所有者で貸与契約を取り交わしたりする方法も一つです。

 

当たり前ですが、保険にも必ず加入してください。保険加入時は運転者の年齢設定に気をつけましょう。そのときの従業員の最年少年齢に合わせておいて、その後さらに若い従業員が入った際は契約を修正するのを忘れないようにしましょう。

 



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