大きく変わる「社会のしくみ」と「社会保障制度」 vol.7


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Vol.6では、大改革が予測される2018年医療・介護の同時改定への5つの対応策として、「経営陣の意識改革」 と「組織再編」について考えてみました。今回は、「規模拡大より機能強化」と「コンパクトなまちづくり」そして「人材育成と質の確保」について考えてみましょう。

「地域包括ケアシステムの最終ゴールは「ひとづくり・まちづくり」

2015年からの少子・高齢社会への対応として、介護施設や居宅系・住まい系サービスが整備されてきました。しかしながら、都道府県や市区町村によっては人口減少が進み、高齢化率が予測以上に増加した結果、介護施設・住宅系サービスの整備が加速し、地域のニーズとはかけ離れている過剰な施設整備が進んでいます。

 

住み慣れた地域で暮らし続けられるように、コンパクトなまちづくりが求められてきます。そのために、各地域独自のしくみづくり、「箱ものづくりから人材育成へ」、つまり「ひとづくり」が重要なテーマになってくるでしょう。

 

過剰な箱ものづくりと介護職の離職問題など、解決すべき課題にもっと向き合いたい

地域の現状と課題については、以下のように考えられます。

 

【現状】

 

・地域ニーズとかけ離れた過剰な施設整備(行政の公募も含む)が行われている。

・それにより、「住み慣れた地域」の施設に入所するのではなく、他市町村の施設への入所を余儀なくされている。

・深刻な人材不足、介護現場から離職し他産業へと転職するケースが後を絶たない。

 

【課題】

 

・軽度者除外(中重度者中心)に向けた制度改革への対応。

・適切な施設整備と専門的な介護サービスの提供。

・住み慣れた地域での支え方。

・法人内・介護現場で人材を育成できない。

 

規模拡大より機能強化

これら課題に対する解決策として、まずは、規模を拡大するのではなく、機能を強化するという面を挙げられます。

 

1. ハード(箱物)をつくるより人材育成・確保(知識・技術・地域ニーズ把握と対応)に注力する。

 

地域ニーズを把握し、専門性の高いサービス、つまり医療職の拡充と介護職のレベルアップをめざす。

 

2. 既存施設の機能強化・多機能化をはかる(単品サービスから多機能化:老健・特養は居宅サービスを拡充し、通所・訪問・泊りの365日24時間支援体制を整備)。

 

・介護施設で入所者と在宅職員の人事交流を。

・居宅サービスは365日24時間支援体制(事業所完結か地域連携かも含め)をめざす(専門性とチーム対応)。

・法人・事業所の「地域における役割」を明確化する。

・本部・事務部門は現場のサポート役であるという認識をもち、現場優先といった意識改革をはかる。無資格職員は介護資格(任用資格等)取得で、現場支援へ。

 

コンパクトなまちづくりの快適さを追求

次にコンパクトなまちづくりをどうするか、です。2点あると思います。

 

1. 集合住宅を中心に据え、病院・老健・特養など施設機能は地域で活用する。

 

長期入院や施設に入所している中重度者を支援することから、地域の中で支えるための集合住宅と365日24時間の在宅支援への転換。

 

2. 在宅ケアの効率化として、小規模(小地域)生活支援型複合施設等を増やす。

 

・広域型施設整備から住み慣れた地域で支える仕組みづくりへ

・概ね300?500世帯に1ヵ所を整備。

 

【機能】

 

・住まい機能(1ユニット10名前後で20名程度)

・居場所と活動の場(サロン・カフェ):住民主体・参加型

・365日24時間介護等支援機能(小規模多機能サービス等)

 

これにより、住み慣れた地域から離れることなく、また長期入院・入所から住み慣れた地域にもどることのできる場所をつくっていきたいものです(収容型から暮らしの場づくりへ)。

人材育成と質の確保

そして、何よりも大切なのが、人づくりです。人材を育成し、ケアの質を高く保ち続けることです。

 

1. 自社での人材育成を基本とする(他力本願:行政等主催による研修に依存しない)。

 

・中重度者・認知症・医療的支援等への対応として、「職員個人の課題」を明確にし、職場で支援する。外部研修は補完的にして、主に現場で支えることが重要。

・経営陣が自社(現場)教育の重要性に対して自覚する。

 

2. 組織の見直しと職務基準・職務権限を明確にする。やらせないで「できない!」ではなく、「やらせてみる・権限を与える」による人財を育成。

 

・法人の職務基準書に基づく役割分担表作成により役割を明確にする。

 

3. 質の確保は、「知識・技術の向上」だけではない。「患者・利用者・地域ニーズに対応できる」ことこそが大きい。

 

職員は、自社で教育・育成し、モチベーションを高めて、知識・技術の習得に終始せず、専門性が高めていけるような職場環境が重要となってくるでしょう。

 

次回は、2016年診療報酬改定の内容と介護現場への影響について考えてみたいと思います。

 



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