平成27年度介護従事者処遇状況等調査結果について

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国の目論見であった平均1万2,000円増を越える結果となった平成27年度の処遇改善加算。今回は平成28年3月30日に行われた第128回社会保障審議会介護給付費分科会の資料より平成27年度介護従事者処遇状況等調査結果について解説したいと思います。

調査の目的等

初めに今回の調査の目的としては、介護従事者の処遇の状況及び平成27年4月から加算率の上がった介護職員処遇改善加算の影響等の評価を行うとともに、次期介護報酬改定のための基礎資料を得ることを目的として行われました。

 

実施時期は平成27年10月。対象事業所としては特養、老健、療養型、訪問介護、通所介護、グループホーム、居宅介護支援事業所並びに調査日に当該施設・事業所に在籍する介護従事者等が対象として平成27年9月と平成26年9月における給与等の比較調査が行われました。

 

介護職員処遇改善加算の届出状況について

介護職員処遇改善加算(I)~(IV)いずれかを「取得(届出)している」事業所は88.5%、「取得(届出)していない」事業所は9.6%となっています。取得(届出)しない理由としては、「事務作業が煩雑」で45.4%、「利用者負担の発生」で36.7%及び「対象の制約のため困難」で32.1%となっています。

 

まだ取得していない事業者さんで記事を読まれている方は、取得していない事業者さんが全体の1割しかいないことを考え、取得をしている事業所さんとの従業者の給与格差に大きな影響を及ぼすため、事務作業が煩雑とは言え今後は加算を取っていかないと給与格差の影響で採用が取れなくなるもしくは加算取得せずに同水準で給与を出す場合は経営に大きなダメージを与えることを念頭に置いて再度取得を検討するべきだと思います。

 

介護職員処遇改善加算(I)~(IV)を取得(届出)した事業所において、取得状況を加算の種類別にみてみると、「介護職員処遇改善加算(I)」が75.1%となっています。介護職員処遇改善加算(II)~(IV)を取得(届出)した事業所において、介護職員処遇改善加算(I)の取得が困難な理由は、「キャリアパス要件(I)を満たすことが困難」が 60.0%となっています。

 

キャリアパス要件(I)を難しく考えすぎ?

(I)を取得していない事業者さんの6割がキャリアパス要件(I)を満たすことが困難となっておりますが、個人的には要件を難しく考えすぎだと思います。下記のように(1)~(3)までの内容を満たさないといけないとなると大層なものを作成しなければいけないと考えてしまいがちですが、訪問介護事業所などは最低人数2.5人から開業できますし、多くの事業所ではサ責以外、全員一般ヘルパーということも当たり前だと思います。そう考えると大層な職務内容などが出来なくても仕方ない事業所さんもいっぱいあります。国の狙いとしては多くの事業所さんに加算(I)を取ってもらいたいのでA4用紙1枚に収まる簡易な内容でも問題ないと認識してください。提出して問題がある場合は行政から修正の依頼が来ますが組織の内部の取り決め内容にそんなに細かい注文を出すほど行政側も暇ではないはずです。

介護職員処遇改善加算(I)~(IV)を取得(届出)した事業所において、介護従事者等の給与等の引き上げの実施方法をみてみると、「定期昇給を実施(予定)」が59.8%、「各種手当の引き上げまたは新設(予定)」が50.7%となっています。

 

これに関しては以前の特集記事「どうする?介護職員処遇改善加算の取り扱い」を参照にして頂ければと思います。

 

介護従事者等の平均給与額等の状況について

介護職員処遇改善加算(I)を取得(届出)した事業所における介護職員 (月給・常勤の者)について、平成26年と平成27年では、平均給与額で1万3,170円の増となっており、平均基本給額で2,950円の増となっています。また介護職員 (時給・非常勤の者)について平均基本給額で20円の増となっています。勤続年数別にみてみると、勤続年数にかかわらず概ね増となっています。

 

下の表の内容は平成26年と平成27年ともに在籍している者の平均給与額を比較しており、平均給与額は基本給(月額)+手当+一時金(4~9月支給金額の1/6)の計算となっています。勤続1年以上の方の給料が大幅に増えたことがわかります。

介護職員処遇改善加算(I)~(IV)を取得(届出)した事業所における介護職員(月給・常勤の者)について、平成26年と平成27年では、平均給与額で1万2,310円の増となっており、平均基本給額で2,840円の増となっています。また介護職員 (時給・非常勤の者)について平均基本給額で10円の増となっています。勤続年数別にみてみると、勤続年数にかかわらず概ね増となっています。

 

職位別に見てみると……

また、介護職員処遇改善加算(I)~(IV)を取得(届出)した事業所における介護職員(月給・常勤の者)について、平均給与額を職位別にみると、平成26年と平成27年では、管理職に比べて管理職でない者の増加額が大きくなっています。これは元々の給与額が高い管理者さんよりもこの処遇改善加算の多くが一般職員さんに回されていることを示していると思われます。

加算を取得されていない事業所の方や(II)~(IV)を取得されている方はこの結果を見てどのように考えますか? 国の月額支給モデルで考えると、以前からの処遇改善交付金を合わせれば月額2万7,000円の差がつくことになります。多くの事業所が加算(I)を取得しているなかで取得しないことや(II)~(IV)でいることのメリットは個人的にはないと思っております。

 

最後に処遇改善加算について先日の「旭川高齢者グループホーム」が行っていた不正受給1,800万円の影響でこれまでよりも少し厳格化されます。いままで提出していた計画書や報告書に『虚偽の記載や、介護職員処遇改善加算の請求に関して不正を行った場合には、支払われた介護給付費の返還を求められることや介護事業者の指定が取り消される場合があるので留意すること。』という一文が記載されることとなりました。従業者さんの処遇を改善するための加算なので経営者が不当搾取すれば問題ということです。まともに行っていれば特に問題はありません。

 

処遇改善加算につきましては近々別途詳細の記事及びよくあるQ&Aなどを執筆致しますので併せてそちらもお読み頂ければ幸いです。

 

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