現場職員に向けて伝えたいこと・メッセージ。利用者さんとのコミュニケーション


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利用者さんとのコミュニケーション能力が高い介護職は、評価されますが、実は、この仕事に就いている人の多くは人見知りな人である、とも言われています。利用者さんの話したいことを「聴く力」をもっていれば、相手のことを深く理解することができ、声にならない想いを引き出す力にもつながります。

実は介護職には人見知りが多い

実は私はコミュニケーションが苦手で下手です。何を隠そう私は相当な人見知りでした(今もそうですが……)。

 

介護の仕事はコミュニケーション能力がとても重要であるといいますよね。

 

しかし、実際働いている人を見るとどうでしょうか。コミュニケーションが上手な人ってそんなに多くないようにみえませんか。というよりも人見知りばっかりだったりしませんか。私の周りには人見知りの介護職がたくさんいるのです。

 

よく、介護職はコミュニケーション能力が高いと言われますが、実際どのような部分でコミュニケーション能力が高いのか?

 

コミュニケーションは、『話す力』と『聴く力』、大きく二つに分けることができると思います。介護職の能力としてどちらが高いほうがよいと思いますか? また、どちらがより必要でしょうか?

 

介護にとって必要な能力は、『聴く力』

それは『聴く力』だと私は考えています。多くの介護職に必要とされている能力で、特に介護職で能力の高い方には、備わっている力です。

 

なぜなら、介護とは、自分の考えでものごとを決めていく仕事ではないからです。答えは介護職にはなく、ケアする対象者(高齢者やその家族)にあるからです。ケアの対象者である方々の想いを引き出す。また声にならない想いを引き出す。そのためには聴くことから始まるのだと思います。言葉にできない部分は観察して感じることも大事ですね。

 

アセスメント能力や本人の要望や希望を汲み取る力が高いのは、『聴く力』が優れているという介護職の専門性によるものではないでしょうか。

 

自分の話を聴いてほしい、という高齢者が多い

さらに、私がデイサービスや施設で出会ってきた高齢の方々のことを考えてみると、「おしゃべりを聞いてほしい」っていう方が多いように感じています。

 

職員の話をずっと聞いていたいのではなく、自分の話を聞いてほしい、そんな方々が多い。そういうとき、介護職に必要とされる能力とは、やっぱり『聴く力』になるのではないでしょうか。

 

話を引き出す。次につなげる。そんなコミュニケーションが取れるのであれば、ケアをする人として能力が高いのだと考えています。

 

初任者研修の資格講師をしたりするときには、高齢者とのコミュニケーションに不安がある方は、自分がしゃべるのではなく相手が話したくなる質問を考えていってくださいとお伝えします。

 

初めて会った人や関係性がない方と何時間も話し続けるっていうのは、かなりコミュニケーション能力が高くないとできないと思います。だから、それが苦手だと自覚しているのであれば、いかに相手に話してもらうかが、重要なことでしょう。

 

高齢者だって昔が懐かしいばかりじゃない。今を生きている

またよく誤解されているのが、高齢者とお話しするときに相手の時代に合わせた話をしなければいけないと、勝手に思っていることです。

 

本当にそれが正しいことでしょうか?

 

もちろん、相手の生きてきた時代のお話を聴くことも大事かもしれません。ただ高齢者だって今を生きています。

 

私が関わったある95歳のおばあちゃんの好きな芸能人は、誰だと思いますか?

 

この質問をするとよく出てくる答えが、「北島三郎さん」や「長嶋茂雄さん」または「氷川きよしさん」です。でも実際は、嵐の櫻井翔さんなのです。ジャニーズなのです。

 

これって実は、特別なことではなく普通なことだと思います。

 

どこかで「お年寄りだから……」なんて相手にフィルターをかけてしまっているのだと思います。10代だろうが80代だろうが、一人の人間としていいなって思うときは、年齢は関係ないのだということ。私が家に帰ってTVをつけると嵐が見れるように、95歳のおばあちゃんの家も同じように嵐がTVに映るんですよね。決してそのおばあちゃんの家のTVは何十年も前の映像が流れているわけではないのですよね。

 

見ているもの、感じているものは一緒です。ですから自分が見ているものや感じているもので共感できるものを一緒に見ていくことがコミュニケーションをはかる上では重要なことだと思います。

 

相手の想いを引き出すためのツール、色カルタクオリアゲーム

『聴く力』を大事だと思っている私が出会った、コミュニケーション能力を上げ、なおかつ、相手の想いを引き出すための最適なツールがあります。

 

それは色カルタクオリアゲーム(http://www.irokaruta.net)というものです。

 

これはどんなゲームかというと、選んだ色から相手を判断するのではなく、その方の記憶と色を重ねていくゲームです。

 

認知症でも子供でもできる、勝ち負けも正解もないのです。たとえば、「あなたの子供のころの思い出の色ってなんですか?」という質問をします。そこでテーブルに広げた色のカードでいちばん自分のこれだって思うカードを選びます。

 

そこで「黒」をとった人がいたとします。その方に対して、あなたはどんな思い出(過去)を想像していますか。「黒ってことはそうとう辛かった、暗かった子供のころを過ごしたんだな」、こんなこと、思ってはいないでしょうか?

 

それこそ相手のことを、支援する側で勝手に決めつけてしまうことなのです。本当に暗かった時代を過ごしてきたのか、そんなことを考えるのではなく、必要なことはそこで、「なぜ?」と思うことです。その方がなぜ、その色を選んだのか。疑問を持ち、さらに相手への興味を持つのです。

 

「なぜ黒なんですか」と聞く。「私は子供のころね、毎日お母さんに怒られるくらい友達と泥んこになるまで遊んでたのよ」

 

いかがでしょうか。相手は、暗かった子供時代を過ごしていたわけじゃないですよね。元気すぎるほど遊んでいたんですね。

 

自分の価値観で相手のイメージを決めつけない

色で勝手にイメージを決めてしまうこと。これって自分の価値観で相手のイメージを決めつけることにとっても似ている現象だと思います。

 

この色カルタクオリアゲームを使って相手の中にある答えを引き出す力を養うことで、コミュニケーション能力が高まるはずです。おすすめです。

 

コミュニケーションで私が大事にしていること、それは自分の価値観で相手の話を理解しないこと。「なぜそう思うのだろうか?」という疑問を持つことです。

 

思いを汲み取るためには、相手の思いの理由や原点をしっかり把握することが重要だと思います。

 

相手への興味が全てのスタートラインになります。目の前に方々へ興味をもち、疑問を持って関わってみませんか。

 

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