介護分野の最近の動向等について


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平成28年2月17日におこなわれた第55回社会保障審議会介護保険部会。介護保険部会の開催は実に2年ぶりとなります。介護保険部会では介護保険制度の制度設計を議論する審議会となっているため、ここで議論された内容が次回の改定へ大きく影響をしていきます。今回は2回にわけて、1回目を『介護分野の最近の動向等について』、2回目を『厚生労働省が示す介護保険制度見直しにおける主な検討事項について(案)』として解説したいと思います。

介護保険部会の役割について

介護保険部会は介護保険制度の制度設計を議論する審議会となっており、ここ最近では制度改正のあった翌年(2010年、2013年)から約1年間かけて様々な議論がなされその内容を踏まえて制度改正が実施されています。今回もこれから、月に1回から2回程度、この部会が開催される予定となっています。

 

既に新聞報道されているような軽度者における生活援助のサービスの在り方や福祉用具についてなどもここで取り扱われることとなっており、注目をしていかなければならない審議会の一つです。

 

介護保険をとりまく状況

下記図の①をご覧いただくとおわかりのように75歳以上の高齢者は2025年には、2,179万人となっており、2015年からの10年間で約500万人も増加します。65歳以上のピークが2042年で3,878万人となっており、2015年から約30年かけて400万人増加することを考えれば、この10年間において75歳以上の高齢者が約500万人も一気に増加するということは社会保障費の支出面からみれば、ここまでに社会保障費の抑制、バランスを保つ地域包括ケアシステムを是が非でも成立させておきたい国の意向がよくわかります。

 

更に問題の1つとして認識しておかなければならないことは、2055年には75歳以上の高齢者の人口割合が25%を超えてしまうということです。人口構造が歪になりすぎており、歳入面を担う生産人口が圧倒的に不足しているため、現在の社会保障制度が持続できるかと問われればNOと答えるしかない状況となってしまいます。

介護保険料の行く末

図の⑥をご覧いただくと、介護保険が始まった2000年以降増加の一途を辿っていた介護保険の保険料負担をしている40歳以上人口が2021年をピークとして減り始めると推計されております。また、介護給付と保険料の推移をご覧いただくと、現在給付が年額約10兆円で、第六期の保険料の平均は5,514円となっており、第六期の介護保険事業計画における各保険者の推計値によると、保険料は2025年度には、8,165円に上昇すると見込まれております。75歳以上の高齢者が約500万人増加していることを考えれば妥当な数字だと言えるかもしれませんが、負担するほうからすれば大変というしかないでしょうね。

個人的な見解になりますが、この頃には現在40歳以上を対象としている保険料負担を若年者、例えば30歳とか25歳ぐらいまで対象範囲を広げるのではないかと思っております。

経済財政諮問会議の動き

経済財政運営と改革の基本方針2015(骨太方針)の中の第3章に当たる部分が、経済・財政再生計画となっており、2020年度プライマリーバランスの黒字化実現に向けた計画となっております。その中で介護関係については以下の内容が今後議論されるべきものとなっております。

(1)医療・介護提供体制の適正化

①療養病床の効率的なサービス提供体制への転換について

②在宅や介護施設等における看取りも含めて対応できる地域包括ケアシステムの構築に向け、必要な介護インフラの整備等を進める。

 

(2)要介護認定率や一人あたり介護給付費の地域差について、是正したもしくは優良な保険者にメリットを与えるインセンティブ改革

①データ分析の結果を活用した介護保険事業計画のPDCAサイクルの強化

②保険者機能の強化などに係る制度的枠組み

 

(3)負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化

①医療保険における高額療養費制度及び介護保険における高額介護サービス費制度の見直しについて

②介護保険における利用者負担の在り方について

③軽度者に対する生活援助サービス

④福祉用具貸与等やその他の給付について

⑤給付の見直しや地域支援事業への移行、負担の在り方

上記図の負担能力に応じた公平な負担、給付の適正化を見てお気づきの方も多いかと思いますが、この経済・財政再生計画の内容は以前のコラム『財務省が示す平成30年介護保険改正における方向性とは』で取り上げさせていただきました内容とほぼ一緒という内容になっております。

 

つまり、財務省で議題提起され、経済財政諮問会議を経て、これから介護保険部会で審議されるという流れになっております。もちろん、他の関係審議会でも検討はされますが、介護保険部会が果たす役割は大きいです。

 

経済・財政再生計画 改革工程表から

下記の工程表をご覧いただくとおわかりのように、我々事業者が気になる給付のあり方などは2016年度末までに結論を出すという内容になっています。2018年度の改定の基礎が2016年度でほぼ出来上がるということです。そのため、冒頭でも書きましたがこれから月1回~2回のペースで行われるこの介護保険部会の審議会は注目しておかなければいけないものです。

今回は導入部分における『介護分野の最近の動向等について』を取り上げましたが、次回は『厚生労働省が示す介護保険制度見直しにおける主な検討事項(案)について』を解説したいと思います。

 

 



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