地域社会に求められる介護の専門性


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福祉の世界の中で、専門職として仕事をしていると、限られた世界の中に凝り固まりがちとなる。もっと積極的に地域に足を踏み出し、外へ外へと視野を広げることが、地域社会で介護職が求めらられる存在となるのではないだろうか? 先月、日比谷公会堂で「第9回 日本の福祉現場力を高める研究大会で企画運営委員としてコーディネーター役を務めた筆者が実感した、地域に求められる介護職とは?

介護職は地域において何を求められているのか?

私自身、介護の現場に関わるなかで、介護の専門性っていったい何だろう?という問いを常に持っていました。

 

介護職は、利用者の方に一番身近な存在として生活全体を見る目を持ち、そのなかで得た気づきを言語化して、他の専門職へつないでいく存在です。そういった点はもちろんのこと、それだけではない面についてもずっと考えてきました。これから一般社会、地域において求められるものって、いったいどのようなことなのか、ということです。

 

先月、日比谷公会堂で「第9回 日本の福祉現場力を高める研究大会」~未来の社会は介護現場から創る~というイベントが開催されました。

私は、この催しの企画運営委員として、第2部のセッションのコーディネーターという立場から関わらせていただきました。

第2部では「地域社会に求められる介護の専門性とは」という、まさに私がこれまで問いとして持ち続けていたことをテーマにすることができ、実りの多い時間になりました。

小規模多機能、サ高住、NPO、特養、介護家族、などそれぞれの背景をお持ちのパネリストの方から、いま介護現場で、そして地域で、どんな視点を持つことが求められているのかを、凝縮してお話しいただきました。

 

専門職も地域の一員としての自覚が大切

理想的な介護の実現にもっとも近いと言われる、小規模多機能型居介護を運営される加藤忠相さんからは、お年寄りを社会資源とし、たとえ認知症になっても社会に役立つ存在として、地域へ引っ張り出していくのが介護職の役割である、というお話をしていただきました。

 

またサ高住を経営される下河原忠道さんからは、介護保険の枠組みの中で採算を取っていくことには限界がある、これからは多角的な経営の目線を持って事業を行っていく必要があるとのお話があり、その視点は現場の介護職の仕事観にもつながる示唆に富んだものになりました。

 

認知症フレンドシップクラブの徳田雄人さんは、RUN伴という、認知症の当事者の方も地域の方も誰もが参加できる、全国をランニングによってたすきでつなぐイベントをご紹介してくださり、介護職が専門職以外の一般の人ともつながる仕組みについて話していただきました。

 

特養で経営企画に関わる馬場拓也さんは、社会福祉法人というさまざまな制約がある中においても、できない理由を探すのではなく、どんなに小さなことでも今できることは一体何なのかを考え行動できる力が必要だと話されました。

 

最後にフリーアナウンサーの町亜聖さんからは、介護家族の視点から、介護職はこれからは施設などの箱ものの中で働くのではなく、一地域人として介護の仕事をしているのだ、という意識を持つことが大切で、「地域で働く」という発想の必要性を強く感じる言葉をいただきました。

 

地域とつながることの第一歩は、専門職内に懲り固まらず、いかに外へ視野を向けるかがカギに

介護の専門性とは、自分たちの組織の内部で完結するものではなく、いかに外へ視野を広げていけるか、そして資源を活用できるかにかかっている。そして地域とつながっていくための方法を試行錯誤しながらも行動に移していく。

 

たとえば、地域住民や地元のNPOとコラボの事業を始める、とか、一緒にできるイベントやカフェを企画する、など外部の資源に積極的に働きかけ、活用できる人材が増えていく必要がある、と感じました。

 

私自身、これまでを振り返ってみて、介護の専門性について、凝り固まった考え方でいたところがあり、また専門職間で求められている範囲でしか考えられていなかったことがわかりました。今回の共有で、広い視野を持って、これから求められる専門性について考えることができ、私なりの一つの答えが見つけられたような気がしています。ただ、まだまだこのことについて、探求していく余地があると思っていますので、これからもカフェを通じて見出していくことができたら、と思っています。



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