第9回日本の福祉現場力を高める研究大会~KAIGO NO MIRAI未来の社会は「介護現場」から創るvol.2 介護ロボット、外国人採用、ノマドワーカー・・「介護の新たなキーワード」実践者から介護経営

投稿日:2016年3月11日 更新日:

「第9回 日本の福祉現場力を高める研究大会」第1部のパネルディスカッションは、介護ロボット、外国人採用、ノマドワーカー、3つの分野における実践者が登壇。NPO法人Ubdobe代表理事・岡勇樹氏が司会・コーディネーターとなり、人材不足に悩む介護経営者に、問題解決の新たな道を開く。従前の手法にこだわらず、柔軟な対応が求められることを痛感する内容であった。

介護ロボットは、利用者へのリハビリテーションや介護職の身体的負担の軽減に

介護ニーズは増えても、介護現場を担う人材が不足し、採用も困難を極める昨今。介護ロボットの導入と外国人採用は、問題解決には急務ともいえる。では、実際にどう活用していくのか。まずは、介護ロボットについて、実践者が語る。

 

徳山 創氏は、社会福祉法人に勤務しながら、介護ロボットの研究を行っている。介護ロボットというと、ターミネーターのような人型の屈強なロボットを想像するが、「入浴のときに浴槽にスムーズに入るための機器や、ベッドから起き上がり、床に足をつくとブザー音が鳴るセンサーマットなどもロボットです」。すでに、介護現場で日常的に取り入れられているものも多い。小笹恵美氏は、注目されるHALの機器を実際に動かし、近未来の利用者のリハビリテーションや、介護職の身体的負担の軽減を予想させる。

 

では介護現場はロボットだらけになるのか? と想像をめぐらせるが、同法人経営の特養施設長である宮本隆史氏は、「利用者様の身体能力や個性などにより、求められる機能が大きく違います」。コストの点で、大量生産しにくいことも、ネックになりそうだ。また、「『介護は人がやるものだ』という倫理観が、多少の邪魔をすることもある」とのこと。しかし、突き詰めれば、「ロボットを動かし、利用者に最大のメリットを提供するのは介護職という『人』の役目」(岡 勇樹氏)。ロボットと人をどうコラボレーションすれば、よりよい介護の提供ができるのか、考えて実践する力を持つのもまた、現場力だと語る。

 

介護ニーズは増えても、介護現場を担う人材が不足し、採用も困難を極める昨今。介護ロボットの導入と外国人採用は、問題解決には急務ともいえる。では、実際にどう活用していくのか。まずは、介護ロボットについて、実践者が語る。


左から徳山氏、宮本氏、小笹氏

外国人採用・・・12人のユニットにひとり外国人の介護職がいるぐらいなら問題ない

介護ニーズは増えても、介護現場を担う人材が不足し、採用も困難を極める昨今。介護ロボットの導入と外国人採用は、問題解決には急務ともいえる。では、実際にどう活用していくのか。まずは、介護ロボットについて、実践者が語る。

 

介護ロボットとともに、人材確保のキーワードとして語られるのが、「外国人採用」。自身もスウェーデン出身であり、経営者として8人の外国人を採用しているというグスタフ・ストランデル氏は、「移民の多いスウェーデンでは、移民の高齢化に伴い、その国の外国人スタッフのケアが不可欠になっている」現状を、画像とともに伝える。

 

日本においては、そのままあてはまらないものの、「12人のユニットにひとり外国人の介護職がいる程度であれば、まったく問題ない」と論じる。「要は、日本の文化をよく理解したうえで、コミュニケーション力に長けているかどうかがカギ。その点では、日本人も外国人も、大きな差があるとは思えない」。氏が経営する介護付き有料老人ホーム・舞浜倶楽部では、さまざまなユニークなイベントが行われている。「利用者の方々に多様な文化を提供できるのも、外国人の強みだと感じている」。


ストランデル氏

介護の資格を持っていればこそ実現するノマドワーカー。その土地にあった面白い介護をやりたい

そして、3つ目のキーワードは、「ノマドワーカー」。自分の住みたい町に心のままに移住し、行く先で介護職として勤務する。「介護の資格を持っていればこそ、実現できるワークスタイルだ」と、片桐一彦氏は語る。自身もIターンで島根の離島の町、海士町の社会福祉協議会で事務局長として働く。「この島で、胸を張って『いきいきと死ねる社会』を築いてきたい」と言う。

 

ボディボードが趣味で、身近に海のある暮らしを望んでいた髙橋ルミコ氏は、海を求めて、湘南の鎌倉、藤沢と仕事場を替え、現在は東京都の島、新島に移住。看護師の資格をもっているからこそのノマドワーカーだ。片桐氏の仕事ぶりと海士町の環境を知り、「今度は海士町に移住したくなった」とも言う。「地域で働くことには魅力がある。その土地に合った面白い介護をやっていきたい」。

 

こうした既存の概念にとらわれない働き方、社会とのかかわり方が、介護の未来を創っていくのだろうと痛感する。

ノマドワーカーを自称する片桐氏と高橋氏

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