介護施設の防災対策Vol4. ~いま見直される防災計画(1)~


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施設に応じた防災計画の作成

前回までは、火災と震災の事例から防災意識について述べました。しかし、土砂災害や風水害など災害の危険はそれ以外にも数多く存在します。できるだけ多くのパターンを想定して計画を作成する必要があります。

 

災害後から変わった対策

東日本大震災はもちろんのこと、災害が起こり高齢者に被害が及ぶたび、介護事業者は考察を重ね災害対策の見直しを行っています。

実際に被災した施設の職員が、災害後に見直した点や対策をしていてよかったと思える箇所から、作成の具体例をみてみましょう。

 

地域のネットワークづくり

平成十二年に起きた東海豪雨では、避難勧告が出されたにも関わらずそれを知らなかった高齢者も居ました。近所の方の協力のおかげで避難できた高齢者が多く居た一方で、近所づきあいがなかった方々は情報や援助が得られずに住居に取り残されてしまったケースもあったようです。

周辺住民や地域団体のヘルパーやボランティアの手助けにより少しでも被害を抑えることが可能であったといえます。

 

日頃から当該施設と地域とのネットワークづくりを構築し、施設やその利用者に理解を深めてもらうことが大切です。

イベントやボランティアなどで積極的に交流を図り、避難訓練を共同で行うなど、災害時のためにも地域での協力体制を整えておく必要もあるでしょう。

また、近隣の同種施設や自治体などと連携し相互応援の体制を書面にしておくことも有効といえるでしょう。

 

※参考:和歌山県「高齢者福祉施設における災害対応マニュアル作成の手引き」p47,48

連絡網の整備

東日本大震災後に介護施設で行ったあらゆるアンケートでは、今後の災害対策の見直しとして連絡網の整備をあげていることが多くみられました。

緊急時に必要とされる連絡網は大まかに分けて三つでした。

 

(1)職員の集合を呼びかけるための職員間でのもの

(2)在宅利用者や利用者家族との安否確認を行うためのもの

(3)防災関係機関に情報収集や応援を呼びかけるためのもの

 

(1)では、効率的に職員へ呼びかけられるようあらかじめ表を作成し全員へ行き渡らせる必要があります。また地震発生当初、通話ができないがメールはつながったというケースもあるため、メールアドレスをきいておくことも肝心です。

 

(2)においては、在宅利用者、利用者家族といった目の届かない範囲へのフォローのためには必要不可欠なものです。特に利用者の担当職員は把握しておかなければなりません。

 

(3)は、災害が大規模なものになったときのことも考え、多方面への連絡先を備えておかなければなりません。警察・消防、協力事業所、インフラ関係、市町村災害対策本部など、災害時に必要と思える全ての連絡先を一覧にしておきましょう。

 

また、通信機器が途絶えた場合の想定も必要になります。

災害用伝言ダイヤル171の活用や、緊急の伝達手段として自転車やオートバイを配備しておくことも有効でしょう。

 

震災の時には電話回線やメールが繋がりにくくなりましたが、ツイッターだけは使えていたという事実もありました。インターネットを過信してはいけませんが、震災後から、インターネット上の伝言板を使う練習をしているという施設もみられました。

 

今回は防災計画作成に当たり、事例から「地域のネットワークづくり」と「連絡網の整備」について紹介しました。次回は「備蓄品の完備」という環境面での防災と、職員の意識について掘り下げてみましょう。

 



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