介護施設の防災対策Vol.3 ~震災編~


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東日本大震災の教訓

東日本大震災で津波被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県で、特養やデイサービスなど計875の社会福祉施設が被災したことが厚生労働省のまとめでわかっています。また、介護施設の利用者での死者・行方不明者は約450人と高齢者の被害が目立って多く、介護施設運営に関わる全ての職員に大きな課題を残しました。

 

在宅利用者へのフォローで被害を小さく

災害が起きたとき、運営の形態によりその対策は異なります。例えば、在宅の利用者を抱える事業所の場合、どの程度まで利用者の安否を確認するのかのマニュアルを作成しておく必要があります。

事業所をベースにして、それ以外の部分を通所介護やホームヘルパー、地域の自治体や近隣の住民がフォローする体制を整えておかなければなりません。家族が一緒にいるかどうか、連絡先がどこかなどの情報を整理しておきましょう。

 

認知症高齢者への対応

地震が起こったとき、マニュアルや訓練に従い冷静に判断し行動をすることが、安全の第一条件になります。しかし非日常の出来事に利用者が落ち着いて行動できるとは限りません。

3.11の後ということも加味し、不安になることを想定しておかなければなりません。

そして、認知症高齢者になると更に不安は大きいと考えましょう。

 

栃木県の認知高齢者グループホームでは、東日本大震災発生時、スプリンクラーが作動し利用者は水に濡れながらの避難を余儀なくされました。この際、避難しようと自ら行動を起こせた利用者は十七人中一人もいなかったうえ、地震が起こったこと自体が理解できない利用者もいたと報告されています。

また避難をした後も、「なんで外にいかないといけないのか」とパニックを起こしたり、じっとしていられず濡れたまま歩きまわる利用者も見られたといいます。

 

職員全員でつくる災害時の安全

事例で挙げた認知症グループホームではひとりの死者も出さず、最低限の設備が復旧した五月には、利用者もホームに戻りました。毎月行っていた火災訓練が役に立ったと後に職員が報告しています。

また他の介護施設でも震災後の課題として、震災を想定した避難訓練やマニュアルの見直しをあげています。避難訓練は随時行うだけではなく天候や職員体制など様々な場合を想定し行うことが有効でしょう。

 

施設の特性や立地、利用者の状態に応じ防災計画を作成することが要求されます。緊急時には職員の意思統一が不可欠となるので、防災計画作成には専門職を含むなるべく多くの職員が参加し、実行可能で多面的なマニュアルを作成しましょう。

 

震災が現実に起こると想定する心構えが被害拡大を防ぐ

東日本大震災のあと、震災以前より地震が多い状態が東北関東を中心に続いています。活断層はいつ動くのかわかりません。いつ何が起こるかわからないと心がけて現実に起こるものとして対応していくことが求められます。

しかし実際に地震のない期間が長く続くと危機意識が薄まってきてしまうのも事実です。震災後に各事業所では、個人の災害用フェースシートを作成したり、研修会を増やすなど災害対策の意識が高まっています。

 

運営者が、日頃から研修を行ったり職員に課題を課すことで、施設全体の意識を保つことが減災に繋がるといえるでしょう。

 

[参考資料]

厚生労働省老健局 東日本大震災への対応

平成二十四年度 福岡県「高齢者福祉施設等防災計画策定マニュアル」

平成二十六年度 千葉県「社会福祉施設防災対策の手引」

平成二十六年度 静岡県「高齢者福祉施設における災害対応マニュアル(暫)

認知症介護情報ネットワークhttp://www.dcnet.gr.jp/support/study/#study05



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