三浦康孝さん(湘南デイサービス代表)保護犬と触れ合い、アットホームな空間で自由に過ごせるのが最大の魅力vol.3


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2014年4月に『湘南デイサービス』を立ち上げ、“ワンちゃんがいるデイサービス”としての認知度も徐々にアップ。利用者さんも増え始め、軌道に乗り始めた昨今。保護犬のワンちゃんと触れ合うことで利用者さんにとってどんなメリットがあるのか、また、ここならではの楽しいアクティビティや今後の展望について聞いた。

ワンちゃんと触れ合うと利用者さんが笑顔に。癒し効果も抜群!

――三浦さんには、犬の保護活動をされている側面もあるわけですが、ここに来るワンちゃんは何匹もというわけではなく、一匹なんですよね?

はい。いっぱい引き取るわけではなく、基本一匹です。同時に里親募集もしていて、里親が見つかったらここを巣立っていくシステム。また、小さくてかわいい子が来るというよりは、老犬がきます。引き取り手が今後見つからないかもしれない、極端な話、ここで看取ってもいいと思えるぐらいの子を。その一匹を自宅で引き取り、毎朝一緒に出勤して、一緒に帰るというスタイルをとっています。今いるスージーは、3匹目になります。

 

――ワンちゃんが当たり前にいるこの環境に利用者さんはどんな反応を?

ワンちゃんと触れ合うとき、皆さんとてもいい表情になります。「かわいいな」「柔らかいな」と感じることで、脳からはドーパミンが。ドーパミンは“楽しい”の原動力にもなるので、血圧が下がったり、身体的にもいい効果があるんですよ。いわゆるアニマルセラピーです。

例えば、見学に来られた方で、最初はブスっとされていたのに、犬と触れ合ったとたん、笑顔になられた方もいました。犬が間に入ることで、よく喋るようになる方も。自宅に帰られて、家族と「ワンちゃんどうだった?」「かわいかったわ」と思い出すだけでもドーパミンが出るので、癒し効果はすごく高いと思います。

 

――利用者さんも犬もハッピーになる、ウィン・ウィンの関係ですね。

はい。ここに連れてくる子は、噛んだり吠え癖がないか、病気の有無などに関して、事前チェックはしっかりしつつ、安全面、衛生面を確保したうえで、利用者さんに温かく受け入れていただいています。こちらにいらしてくださる利用者さんたちは、そもそも犬が大好き、動物と触れ合いたいという方がほとんどですから、みなさんとてもやさしく接してくださいます。


秋はテラスでたくさんのサンマをみんなで焼いて食べた

採用にはエニアグラムを取り入れ、人間性を見極める

――働かれているスタッフは何名ですか?

私を入れて常勤が3名、非常勤が4名です。

 

――働いている方々が温かく、朗らかな印象を受けました。採用はどんなふうに行っていますか。

採用に関しては、役員の木村がずっと勉強している「エニアグラム」という心理学の手法を取り入れています。面接のときに、話をいろいろ聞き出してもらって、人間性を見てもらいます。「この人はこういうタイプで、今いるうちのスタッフとは合いそうだね」とか、「こういうタイプのスタッフだからここを伸ばしてあげるといいよ」などアドバイスを聞きながら決めています。

 

――面白い取り組みですね。

エニアグラムはとても奥が深いんですよ。木村は非常勤でちょこちょこ利用者さんとも触れ合っていて、その日が終わると、「この利用者さんはこういうタイプだから、ここを褒めてあげるといい」とか「こういう仕事を任せてあげると本人はやる気がでるかも」といったアドバイスをしてくれます。これがとても参考になります。

 

利用者さんが楽しめるさまざまなアクティビティを開催

――FBで拝見しましたが『湘南デイサービス』ではいろいろなイベント企画も実施されているんですよね?

そうですね。今日みたいに、バリスタと美容師である二人組me-mOに来てもらい、みんなで美味しいコーヒーを飲みながら、希望者にはカットを提供…なんてことも時々開催しています。訪問美容と訪問カフェは人気です。また、夏は流しそうめん、最近ではさんまを庭で炭焼き。4日間で50匹焼きました(笑)。

 

――そんなに続けてイベント開催することも?

週に1回の利用者さんもいらっしゃるので不公平にならないよう、基本1週間同じ内容を。逆に週4日来られる利用者さんは毎日そうめんを食べることになるんですけれどね(苦笑)。そこが有料老人ホームとは違うデメリットかもしれません。でも、小規模だからこそできることを広げていくほうがいいなと思っています。

 

――最近では手づくりですごろくを作られたとか?

「熱海で花火大会」「京都で舞妓さんにあった」など、利用者さんの思い出をマスに書いて、各曜日ごとに人生ゲームのようなものを作りました。男性が多い曜日は、「振りだしにもどる」がやたら多く、個性が出て面白いですよ。だいぶ盛り上がりました。お互いの思い出を語り合うのも、会話のいいきっかけに。これはスタッフの提案ですが、他社でやっている「いいな」と思えるアクティビティはどんどん取り入れるようにしています。利用者さんにとって初めての体験であれば、たとえそれが真似であっても、僕らはこだわりません。それはそれでいいんじゃないかなと。

 

――他にはここに来てどんな活動を皆さんしていらっしゃいますか?

塗り絵、オセロ、将棋、手づくりのゲーム、ババ抜き、○×王クイズ決定戦を2ヵ月~3ヵ月に1回ほど。

あとは、シナプソロジーと呼ばれる脳を活性化するプログラムも取り入れています。例えば、「△と○を同時に書いてください」というのを少しずつ難しくしていって…。わざと混乱させて頭が活性するのを狙いとしたものです。

他に転倒予防体操や歩行練習。上肢、口腔、下肢の体操は毎日。決められたことは短い時間であとは自由に過ごしてもらっています。

利用者さん手づくりの双六が楽しい

スタッフの笑顔がさわやか 男性利用者も髪をカットしてもらう

いろいろな選択肢を視野に、まずは目の前のことを一生懸命に追ってかけていたい

――オープンしてもうすぐで2年。利用者さんも増え始め、これからという感じですね。

ようやく軌道に乗り始めたところなので、この状態を維持しつつさらに認知度を上げていきたいですね。また法改正もあり、ここのデイをサテライト型にするために、今より大きな施設をあと1年半ぐらいで作るというミッションもありまして、次のステップにいけるよう、ここを任せられる人材を育てていくことも今後の課題です。多様な選択肢を視野に入れつつ、まずは目の前のことをしっかりこなしていかなければ、という気持ちです。

 

――他に「こんなことをしてみたい」ということはありますか?

土日は介護保険事業を使っていなくて、この家も未使用状態。そこをうまく利用していきたいです。例えば、利用者さんをお迎えに行って、1~2時間でも美味しいコーヒー飲んで帰ってもらう、といった保険外のサービスも需要があると感じています。そういう部分を複合していけたらいいと思っています。

 

――最後に、三浦さん自身の夢を教えてください。

僕自身の夢は介護を始めたときから決まっていて、“ポニョしたい”なって。

 

――ポニョって、あの「崖の上のポニョ」ですか?

そうです。南伊豆に毎年行くのですが、海の見えるポニョのような場所に住みながら、高齢者向けの施設と子どもの施設をくっつけてやりたいなとずっと思っていまして。世間的には、子どもと高齢者が少なくなってきていて、交流も減っているじゃないですか。僕のうちは4世代が同じ家に住んでいるので、そういう付き合いがいいなと常日ごろ感じているんです。自分が何かやるなら垣根を取っ払った施設を…と思っています。だから“ポニョしたい”と言っているのですが、まず今は、自分にできることを集中してやっていくことが先決。常に一生懸命何かを追っかけていけたらいいな、と思います。


バリスタと美容師である二人組me-mO

<事業所プロフィール>
湘南デイサービス
2014年4月にオープンした『湘南デイサービス』。株式会社One Lifeの役員である三浦康孝さんが代表。一軒家を改装した、隠れ家的静かな環境で、ゆったりとした時間が過ごせる小規模デイサービスで、ワンちゃんが常にいるのも魅力のひとつ。脳を活性化するシナプソロジーを取り入れたケアやセラピードッグとのお散歩なども。利用者さんがまるで自分の家で過ごすかのように、ゆったりと想い想いの時間を過ごしている姿が印象的。

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