三浦康孝さん(湘南デイサービス代表)仲間たちの手を借りてデイ立ち上げに奔走! すべては手づくりで、がポイントvol.2


投稿日: 更新日:

前職を退社して、2014年4月に『湘南デイサービス』を立ち上げるまでたったの数ヵ月。知識ゼロのなかで、多くの仲間たちの手を借りながら立ち上げに奔走した三浦さん。利用者さんを集めるために行った営業努力とは? デイのコンセプトは何か?などについて伺った。

立ち上げはゼロから、すべてを自分達の手で行う手づくり感覚が事業所の温かみと魅力を引き出す

――2013年11月に退社して2014年の4月に『湘南デイサービス』をオープン。準備期間は実質4ヵ月間ほどでしたね?

はい。だいぶ急ピッチに進めました。社長には、金銭面と経営面を任せ、デイサービスをどんな形で実現させるかは、物件探しから始まって、内装、サービスの内容に至るまで、介護保険の登録も含めて、基本すべてを私ともう1人の役員である友人の兄、木村という者で担当しました。ゼロから調べつつ奔走した数ヵ月。一緒にここを作り上げていった感じですね。

 

――白を基調としたステキな内装ですね。これもご自分たちで?

はい。古民家を改装したのですが、壁をはがしたり、ペンキを塗ったりの内装関係は、友人が立ち上げた内装関係の会社にお願いして。手作り感満載ながら温かい雰囲気に仕上がったと思っています。元々4部屋だったのですが、ぶち抜いてワンフロアにすることで、どの場所にも目線が行くようにしました。

 

――場所はなぜここを?

自分が鵠沼海岸に住んでいて、そこから通いやすい場所であること。また、ずっとこの場所で育ったので地の利も活かせるなと。何かと手助けしてくれる友人も多く住む、藤沢の南側でやりたいという想いがあり、その周辺で物件を探しました。一軒家を貸してくれるところがなかなか見つからず苦労しましたが、1ヵ月経ったころ、ようやく予算に見合うここが見つかり、立ち上げまでこぎ着けられた、という経緯です。

 

――この辺は、藤沢のなかでも高級住宅街ですよね。家賃もそこそこ高いのでは?

そうですね。そこそこ高いです(苦笑)。でも、築年数が古いので、その分、安めです。冬は寒いですが、保温シートを貼って、暖房をきかせたり、と工夫しています。

白を基調としたおしゃれな内装 今日はみんなで折り紙細工をつくる

立ち上げは手探り状態。多くの人たちの支えがあってこそ今がある

――そもそもデイサービスの経験もゼロでご苦労も多かったのでは?

自分には、有料老人ホームで3年間働いたという実績しかなく、デイサービスに関する知識はほぼゼロだったので、藤沢市にある、『あおいけあ』の小池さんという方に相談して親切にいろいろ教えていただいたり。そのつながりで参加させていただいた『湘南きずな(※)』のメンバーの方々からも多くのことを学ばせていただきました。また、静岡にある医療法人社団『藤花会』の方々にもアドバイスをいただきながら……、たくさんの方々に支えていただきながら今がある感じです。

 

――ここ、藤沢の地は、三浦さんご自身の地元でもあるということで、人と人とのつながり、ネットワークに助けられていることも多いでようですね?

さきほどお話しした、たちあげのときに壁をぶち抜いて内装をきれいにしてくれたのも、学校時代の友人、内装のペンキ塗りは自分たちでやったのですが、それも全部、仲間に呼びかけて手伝ってもらいました。

現在ここで働いてもらっているスタッフも、僕の以前からの友人です。

地元ネットワークは半端ないですね(笑)。いまでも何かやるときに人手がほしいときは、仲間たちがすぐに集まってくれて、とても助かっています。

やっぱり自分の生まれ育ったところだから、愛着もあるし、仲間も多い。特に、湘南という地元を愛する人たちは多く、湘南の地にとどまって仕事を続けている人も多い。だから、いつでも気軽に声をかけられる友達ネットワークの力は、とてもありがたく、僕にとっては大切な宝です

 

※『湘南きずな』とは、湘南という地域に、業界に、日本に、熱い想いや憤り、志をもつ仲間が集まり、楽しく熱く夢や想いを語り合う会。年齢・職種を問わず、誰もがフラットに集まれる場だ。

豊かな緑に恵まれた湘南で気持ちの良いお散歩を楽しむ

「ワンちゃんのいる誰かの家に集まって帰る」がコンセプト

――『湘南デイサービス』のコンセプトを教えてください。

通常、施設で大きいところであれば30~40人ぐらい集まりますが自分がイメージしたのは、“普通の家のような、お隣さんのような形態”。『犬のいる誰かの家に遊びに来て、集まって、帰る』がコンセプトです。

 

――ご近所さんが自然と集まってくるような?

そうそう。利用者さんにとって日常の延長であってほしいので、スタッフは制服もそろえず普段着のままです。茶髪ダメ、ピアスダメも一切ありません。『日常を逸脱しない範囲』であれば何でもOKです。個人的には、日常のスタイルでできるのが介護の仕事だと思っているので。

 

――三浦さんのイメージがしっかり伝わる、とてもアットホームな雰囲気のデイサービスですよね。ご利用者さんはどういう経緯でここを?

立ち上げ当初はなかなか浸透せず、営業をしました。まずはケアマネさんに自分の顔を覚えてもらおうと居宅まわりを。何回も訪問して覚えてもらい、チラシを配ったりして。でも一番反響が大きかったのは、郵便局に置かせてもらったチラシを見た方からの問い合わせです。それが増えてきたころに、居宅介護支援事業所の方にも「ワンちゃんのいるところですよね?」と認知していただくようになりました。

 

――ワンちゃんがいる、というのはやはり大きなポイントのようですね?

そうですね。ワンちゃんと触れ合うことを利用者さんの皆さんにも喜んでいただけていますし、そういう側面での問い合わせも多くなってきました。また、少人数、アットホームな部分を気に入っていただけて、というのもあります。チラシやHP、ケアマネさんからの紹介で、と少しずつご利用者さんが増えていった感じです。

スタッフ犬スージーと三浦さん

<事業所プロフィール>
湘南デイサービス
2014年4月にオープンした『湘南デイサービス』。株式会社One Lifeの役員である三浦康孝さんが代表。一軒家を改装した、隠れ家的静かな環境で、ゆったりとした時間が過ごせる小規模デイサービスで、ワンちゃんが常にいるのも魅力のひとつ。脳を活性化するシナプソロジーを取り入れたケアやセラピードッグとのお散歩なども。利用者さんがまるで自分の家で過ごすかのように、ゆったりと想い想いの時間を過ごしている姿が印象的。

-

執筆者:

関連記事

no image

科学技術は人間を幸せにする〜人とテクノロジーが支え合う社会の実現をー1

全身の筋肉が動かなくなる進行性の難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんや家族と出逢って17年が経ちました。「生きること」を考えさせる病気……難病治療や支援に長年尽力している独立行政法人国立病院機構 …

no image

貧しくても幸せな国から学びたい―――キューバ調査を終えて

この夏、キューバの医療・介護事情を視察した筆者は、アメリカと歴史的和解をしながらも、今もなお続く経済危機のなかで、人々が毎日の暮らしを楽しみ、誇りを持って生きている姿に接し、感銘を受ける。そんな状況下 …

no image

問題職員を雇い続ける余裕はない!解雇に向けた正しい手順とは

前回は職員採用の注意点でしたが、今回は同じ事例(若いヘルパーを雇ったら素行不良で周囲を怖がらせている件)を基に「勤務態度不良」「指示命令違反」を指摘するスタンダードな方法で普通解雇に向け指導を積み重ね …

no image

物損事例にみる、損害賠償の仕組みの基本と対処法(その2)

前回、「在宅サービス中、ご利用者宅の壁紙を傷つけてしまった」という事例を元に法的責任追及のメカニズムについてご説明しました。参考までに事例を再掲します。 目次1 在宅での物損事例2 これが「損害賠償の …

no image

よいチームづくりの第一歩……ほめてお互いのよいところを認め合う

介護現場では「ほめ言葉」をうまく利用者さんの自立支援に結びつけている人たちが多い。一方で、職員同士になると、なかなかお互いをほめ合うことが難しくなる。それはなぜか? お互いのよいところを認め合うことで …