「一億総活躍社会」の構想で介護業界はどのように変わるか?


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平成27年9月24日の総裁記者会見において安倍首相が、次のような宣言をしました。

 

目指すは「一億総活躍」社会。少子高齢化に歯止めをかけ、50年後も、人口1億人を維持する。その国家としての意志を明確にしたいと思います。同時に、何よりも大切なことは、一人ひとりの日本人、誰もが、家庭で、職場で、地域で、もっと活躍できる社会を創る。そうすれば、より豊かで、活力あふれる日本をつくることができるはずです。いわば『ニッポン「一億総活躍」プラン』を作り、2020年に向けて、その実現に全力を尽くす決意です。

そして「アベノミクスは第ニステージに移る」として経済成長の推進力として新たな「3本の矢」、『希望を生み出す強い経済』。『夢をつむぐ子育て支援』。『安心につながる社会保障』。

を発表しました。

これを受けて平成27年10月29日に第一回、一億総活躍国民会議が開かれ、現在までの期間ですでに3回も会議が開催されている運びとなっております。
ちなみに50年後も、人口1億人を維持すると言っておりますが、現在の試算段階では2060年の段階で総人口が8,700万人を切る予想となっており、生産人口とされる20歳?64歳は4,100万人となっています。現在の20歳?64歳が7,300万人となっておりますので日本の生産人口は約50年間で3,000万人以上減少する見込みとなっております。こうした予想を受けての一億総活躍社会の構想となっていると思います。

 

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安心につながる社会保障

一億総活躍社会の構想のなかで、介護業界に大きく影響を与えるのは第三の矢である『安心につながる社会保障』となります。

ここでのポイントは「介護離職ゼロ」となります。直近の調査で、親の介護等で仕事を辞めてしまう介護離職者が、初めて、年間10万人を超えました。離職を機に、高齢者と現役世代が、共倒れしてしまうという現実がありこれを解消するために、介護サービス基盤の整備や、介護人材の育成を進め、在宅介護の負担を軽減する。 仕事と介護が両立できる社会づくりをすべきだとしております。

 

また、生産人口が減少していく中で、高齢者には介護などを受けずに社会の担い手として元気に働くとして、予防に重点化した医療制度の改革や、多様な就労機会の提供などをはかり「生涯現役社会」の構築を目指していくとしています。

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今後は施設が増えていく?地域包括ケアの構想は?

第3回まで行われている一億総活躍国民会議ですが、「介護離職ゼロ」を目指していくために、介護サービス基盤の整備として今後は特養や老健、グループホーム、小規模多機能などを前倒しで増加させていくとしています。

 

元々、第6期介護保険事業計画において2020年までに居住系サービスである特定施設(介護付有料老人ホーム)やグループホームを15万人分、介護施設系サービスである特養、老健を19万人分の計34万人分の施設を増やす計画をしていましたが、第2回の一億総活躍国民会議では6万人分増加をして、40万人分の施設を増やすとしておりました。

第3回の会議では、直前に安陪首相が配偶者や親の介護を行っている一般の方(男女10名)との懇談をし、その結果を受け、塩崎厚生労働相に更なる整備計画を追加してほしいとし、結果として2020年初頭までに50万人分以上の施設を増やすという方針がでてきました。

施設を増やす計画をすることはいいのですが、ここで問題となることが2点あります。

 

1つめは財源の問題です。そもそも今までの介護業界の流れでは、大きく費用のかかる「施設」から費用はかかるけれども施設の半分以下である「在宅・地域」へ移行していくという方向性がありました。いわゆる地域包括ケアシステムです。

 

「施設」をなくすわけにはいかないのですが、居宅サービスよりも遥かに費用がかかり財源を圧迫するために、きちんと設置制限枠を設けてむやみやたらと増やさないようしてきた流れがあるのにそれをひっくり返す話となります。

 

2つめは人の問題です。2025年までに介護人材は約37万人不足すると言われています。施設を増やすということは当然、そこで働くスタッフ確保が重要となってきます。しかし、現実では人が足らずに一部施設を閉鎖している特養もあります。もちろん解消する手はあります。例えば現在の人員基準をはるかに下回る人員基準を認めるなどという手です。まぁ、それが良い手かと言われればそうではないですよね。

 

この一億総活躍社会の構想ですが、介護業界に与える影響としては、財務省や厚生労働省の官僚さんたちが今まで進めてきた方向とはまるで逆とは言いませんが、かなり食違いがあります。ということで、この構想が着々と進められるようであるならば今までとは異なった判断をしていかなければいけないと思われます。

 

経営の舵取りをする経営者さん、管理者さんはいずれにせよきちんと情報収集をして判断をしていかなければいけませんね。

 

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