ICT(タブレット)や介護ロボットが、介護経営の課題解決になるVol.2


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介護経営における課題に中で業務効率化と離職率防止は大きなテーマだ。利用者サービスの質は担保されたままでスタッフの負担が軽減されるようなことがあれば、経営者としてはすぐにでも手を打ちたいところだ。少子高齢化の問題点は高齢者の介護だけでなく、それを支える人材を色々な業界で取り合うことにも波及する。では、少ない人材でどのように問題を解決していけばよいのか。その一つの方法にテクノロジーを使った解決方法が期待されている。

事業効率化のための「介護ロボット」導入は・・・

今年の6月、内閣府は経済財政諮問会議における取りまとめ「経済財政運営と改革の基本方針2015 について」を発表した。その資料の中で社会保障における公的サービスの産業化に関して「介護サービスについて、人材の資質の向上を進めるとともに、事業経営の規模の拡大やICT・介護ロボットの活用等により、介護の生産性向上を推進する」としっかりと明記されている。
これを具体的に解釈していくと、施設を大きい事業所に統合していくことで全体の固定費を下げる、インターネットとiPadのような入力・表示ツールを使うことで業務を効率化していく、そして新しいテクノロジーである介護ロボットなど現場に導入していくとによって、少ない人材でも現場が円滑に回るようにしていくことを促進していくと読み取れるのではないだろうか。

「介護ロボット」は聞いたことがあるが、実際にはどのようなものを指すのか定義はされていない。社団法人かながわ福祉サービス振興会が発行している「介護・医療分野ロボット普及推進モデル事業報告書」によると、移乗・入浴・排泄など介護業務の支援をする「介護支援型」、歩行・リハビリ・食事・読書など介護される側の自立支援をする「介護支援型・自立支援型」、利用者やスタッフを癒したり見守りをしてくれる「コミュニケーション・セキュリティ型」に分けられるとしている。

また同会では、ロボット導入におけるこれまでに反省点として、「施設スタッフのロボットに対する認知の不十分」、「ロボット導入における効果や導入手順など、施設スタッフの不安」、「導入・運営費の経済的なリスク回避」があげている。これはロボットだけでなくタブレットを活用したICT導入にも同じことが言えそうだ。施設経営者、マネジャーが費用と効果を十分に検討して、メリットがあると判断した場合には、導入の道筋を敷き、スタッフ全員が活用できるような現場を作っていくことが今後の効率化のカギになっていくだろう。

 

※参考資料 社団法人かながわ福祉サービス振興会
「平成 23 年度 介護・医療分野ロボット普及推進モデル事業 報告書」
http://www.kaigo-robot-kanafuku.jp/image/CBDCCAD4__merged.pd

 

介護ロボット利用に対する現場の声は?

介護職の職業病ともいえるものに「腰痛」がある。腰痛をきっかけに仕事を辞めてしまう人もいるだろう。2015年8月5日、日本介護クラフトユニオンは会員を対象にした「腰痛と介護ロボットについてのアンケート」の結果を発表した。アンケートの実施概要は下記の通り。
「腰痛と介護ロボットについてのアンケート」実施概要
調査期間:2015年7月22日?8月3日
調査対象:日本介護クラフトユニオン組合員
調査方法:インターネット(日本介護クラフトユニオン組合員専用サイト)でのアンケート
有効回答数:327名
質問数:10問

日本介護クラフトユニオンによると、今回のアンケートにおいて、「腰痛がある」と回答した人は56.8%、そのうち5年以上という長期に及び腰痛に悩まされている人は20.8%という結果になった。腰痛予防策としては「正しい介助法の実践が大切(24.3%)」との回答が最多だった。自分たちでなんとか解決しようという現場の声が聞こえてくる。そして回答で注目したいと箇所は「今後介護ロボットは介護業界のために活用するべきだ(“活用するべき””懸念材料がなくなれば活用するべき”合算)」と回答した組合員が96.9%となったことだ。腰痛が改善するのであれば、どんどん解決方法を導入してほしいという切迫した声にも聞こえる。
まずは腰痛に関するアンケート結果からみてみよう。
Q1「あなたは介護の仕事を原因とした腰痛がありますか。ある方はどのくらいの期間続いていますか。」

Q1で腰痛があると答えた人の中で5年以上と回答した人は20%にも及んだ。長年い現場を支えているスタッフの方は慢性的な腰痛に悩まされている。腰痛は無いと答えた人の年齢や勤務年数は不明だが、勤務年数が長くなるにつれて腰痛がでてくると考えることもできるだろう。

Q2「Q1で(1)?(8)に回答した方原因はなんだと思いますか。」

Q2では、その原因に関して聞いている。回答数の多いものから順に、中腰姿勢、負担の大きな介助、不自然な体勢での介護となっている。日常生活とは異なる介護の動作によって腰を痛めてしまうケースが多い。

Q3「腰痛の予防策として、何が考えられますか。」

Q3の腰痛の予防策では、回答が多い順に正しい介助法の実践、腰痛体操、腰痛ベルトの着用となった。腰痛予防における教育の徹底と正しい介助方法の実践によってある程度は防ぐことができるかもしれないが、すでに腰痛を持っている方に関しては根本的な解決策が必要だろう。またQ3では、介護機器の導入や介護ロボットの導入と回答が合計10%以上あり、介護ロボットに期待している声が一定数あることがうかがえる。

アンケートから読み取る(続き)

Q4「あなたの事業所には、介護ロボットが導入されていますか。」

Q5「あなたは、介護ロボットを利用したことがありますか。」

Q6「今後、介護ロボットを利用したいと思いますか。」

Q6では介護ロボットの利用意向を聞いているが、「わからない」という回答が43.7%を占め、「利用したくない」という回答の理由(Q7)もコストや近いこなしへの不安をあげる回答が多かった。まだまだ介護ロボットの具体的な導入イメージがわいていない従事者が多いことがうかがえる。

Q7「Q6で「(1)利用したい」と回答した方、その理由は何ですか。」

Q8「Q6で「(2)利用したくない」と回答した方、その理由は何ですか。」

Q9「今後、介護ロボットは介護業界のために活用するべきだと思いますか。」

Q10「あなたの主に従事する職種を教えてください。」

これらのアンケートをまとめてみると、実際に介護ロボットを使用した人は0.3%で、ほとんどいない。また導入されている施設もほとんど無いのが現状だ。介護ロボットを利用したいかわからないと回答している方は43.7%で、介護ロボットがどのようなもので、現場にどんなメリットをもたらすのかまだまだ理解が進んでいないといえる。

介護ロボットを利用したくないと回答した方の内訳をみてみると、ケアが機械的になるといった回答が一番多かったが、実際の介護ロボットを使ってみると、機械的ではない人間味をもちながら使える方向性も見えてくるかもしれない。次に誤作動が怖い、装着が面倒と回答する方が多かった。使用方法とメリットをしっかり認識していくと、こちらも解決できそうな理由だ。次の理由である導入コストに関してはやはり気になるところだ。こちらは実際にコストメリットを比較していくしかないだろう。

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