株式会社ヒューマンアフィニティー はすぬま訪問介護事業所vol.3設立2年目にして黒字転換 その秘訣とは?


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特定事業所加算をとっていない「はすぬま」だが、設立2年目にして黒字転換したという。最終回は、その秘訣は何なのか? 365日休まず事業所を運営している点、シフト作成の工夫と苦労、そして、ケアの質の担保、ケアマネジャーへの営業活動も含めて、さまざまな観点から聞き、そのヒントを探ってみた。

特定事業所加算はとらず、全額自費のサービスも提供しない

――「はすぬま」では、特定事業所加算をとっていないそうですね。また、全額自費のサービスも推奨していないと聞きました。どうしてですか。

 

斉藤 僕らのサービスのもうひとつの目的は、利用者の家族のレスパイトでもあり、ただでさえ介護で苦労している家族に少しでも負担を減らしていただくこと。ですから利用者や家族の金銭的負担を増やす特定事業所加算はあえてとっておらず、また、自費サービスもいちおうあるのですが、おすすめしていないのが現状です。

 

――そうした状況でも経営は大丈夫なのでしょうか。

 

斉藤 はい、それでも開業して2年が経った現在、黒字を出すことができています。

 

――黒字とは意外ですね。もしかして、365日休まずにサービスを提供しているからもあるでしょうか。

 

萩原 それもあるかもしれません。

斉藤 365日サービス提供にこだわるのは、もし土日にご利用者が急変したとき、僕らがいなかったら恥だとも思うからです。どうせ責任を取るなら、全部取れるようでありたい。

萩原 ただ、うちはスタッフ全員が常勤で、登録がいないので、365日毎日シフトを組むのは大変ではあります。スタッフはきちんと休ませないといけないし、かといっていろいろなヘルパーが1件のお宅に出入りするとご利用者は落ち着かない。だから、ヘルパーの訪問時間や出勤日をずらしたりして調整しているんですが、突然に通院の予定が入るとシフト全体を変えなくてはいけなくなったりもします。

斉藤 このほか、僕らが365日サービス提供をしても、連携するほかの事業所はそうとは限らないということが問題です。土日に休むところも多く、肝心のときにケアマネジャーに連絡がつながらないことがある。意欲があって仕事ができるケアマネジャー、僕らの言葉で言えば「パンチの利いたケアマネジャー」と一緒に仕事をしたいですね。もちろん、そういうケアマネジャーもちゃんといてくれて、たとえば、先ほど(連載第2回)の話に出た、ごみ屋敷の片づけを最初に依頼してくれたケアマネジャーなどは、まさにその「パンチの利いたケアマネジャー」なので、僕らも仕事がやりやすいんです。

オフィスは一戸建ての借家。玄関脇に自転車が並ぶ。

飲み会などの交流で地域連携システムの介護版をつくる

――黒字経営できるようになった以上、今後はその利益で何か新しい事業展開をしようとは考えたりしているのでしょうか。

 

萩原 考えてはいるのですが、まだ具体的に何をやるとか決まっているわけではありません。事業拡大を考えるとすれば、準備が必要ですし、人も増やさなければならなくなるので。地域の情報を得ることも必要ですし。

 

――介護職同士の横のつながりが持ちにくいと、よく言われたりもするのですが、実際のところ、地域の介護職の人たちと交流し、情報交換する機会はありますか。

 

斉藤 実は僕たちは日ごろ地域のほかの介護事業所の経営者と「トップ会談」という名の飲み会をよくやっていて(笑)、もちろん割り勘ですけどね。地域のケアマネジャーたちとも一緒に飲みます。顔の見える関係をつくっておきたいとお互いに思っていますし、いざというときにすぐに連携ができるように、と。

 

――利用者やケアマネさんに「はすぬま」の介護のよさを理解してもらうために、具体的に行っていることは何ですか?

 

萩原 前回(2回目)でもお話ししましたが、ヘルパーの直行直帰を避けて、訪問が終わったら、必ず事務所に戻り、記録を書くことです。訪問の度にケアマネジャーに記録を送るということも行い、それがケアマネジャーや家族から信頼を得るポイントともなっています。また、記録をその日のうちにきちんと残すことによって、利用者に関するケアの質がヘルパーによってバラつきが出ないようになりますし、情報の共有化も迅速にでき、経営者としては現場で起こっていることの把握、つまりクレームの芽を摘むことにもつながります。根拠のあるケアを行う土台ともなるものですから、記録はとても大事だと考えています。

 

――ところで、365日サービス提供していて、皆さんのプライベートの生活は大丈夫なんですか?

 

萩原 そういわれてみれば、僕自身はずっと働いている気がします(笑)。でも、仕事が面白いんです。休みの日があるともちろんうれしいけど、それは1日目だけ。2日目になると、ご利用者のことが気になって「大丈夫?」と電話してしまいます。

斉藤 だから、趣味がまるでなくなってしまって(笑)。

萩原 仕事ばかりしていてお金を使う場所がないので、気がつくとマンガの大人買いに走っています。

――いまこの事務所の棚にマンガのコミック本が大量に並んでいますが、もしかしてこれがそのマンガですか。

 

萩原 そうです(苦笑)。

斉藤うちの男性ヘルパーは、僕を除いて全員が独身なので、早く結婚してもらいたいんですよ。彼らのお嫁さんになってくれる方を募集します!(笑)

狭い路地の奥まったところに「はすぬま」のオフィスがある。

株式会社ヒューマンアフィニティー
はすぬま訪問介護事業所

●所在地
〒174-0052 東京都板橋区蓮沼町73-13 102
TEL. 03-6279-8341
●会社設立:2013年5月
●はすぬま訪問介護事業所の開設:2013年7月
●従業員数:2015年9月現在13名(うち正社員5名、アルバイト4名)



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