独立開業・起業

特定施設入居者生活介護の指定基準について紹介します


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特定施設で開業しようかなと考えているんだけど、基準とか複雑そうだな…

それは、利用者も一緒じゃ。利用者も事前に申請が必要だったりと大変だからのぉ。利用者目線での情報入手もお勧めするぞ。

なるほどね!早速、勉強しよう!

開業・経営するにあたって、特定施設入居者生活介護の「指定基準を満たすこと」は、必要かつ重要なテーマです。

今回、その指定基準について述べていきます。一読し、開業・経営の参考になさってください。

解説

特定施設入居者生活介護の指定基準

まず特定施設入居者生活介護には、2種類あります。

特定施設入居者生活介護の事業者自体が、介護サービスの提供も行う“包括型(一般型)”と、外部の事業者が介護サービスを提供する“外部サービス利用型”です。

開業するためには、それぞれに定められている指定基準(「人員基準」「設備基準」「運営基準」)を満たす必要があります。

また、厚生労働省が定めた指定基準を基に、都道府県が解釈、条例などを加えた指定基準を定めています。

そのため、各都道府県で基準の内容が異なる場合があります。特定施設入居者生活介護の“包括型(一般型)”と“外部サービス利用型”の指定基準は、各都道府県庁のWebサイト等でご確認ください。

包括型(一般型)の指定基準

「人員基準」

生活相談員
  • ご利用者100名に対し、1名以上(常勤換算)。また、1名以上が常勤であること。
看護職員(看護師または准看護師)
  • ご利用者が50名以下の場合1名以上(常勤換算)。51名以上100名以下の場合2名以上(常勤換算)。
介護職員
  • 1名以上が常勤であること。
看護職員と介護職員の合計員数
  • 「要介護」認定を受けているご利用者3名に対し、1名以上(常勤換算)。
  • 「要支援」認定を受けているご利用者10名に対し、1名以上(常勤換算)。
計画作成担当者
  • ご利用者100名に対し、ケアマネージャー1名以上(兼務可)。
機能訓練指導員
  • 1名以上(兼務可)。
  • 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、柔道整復師、あん摩マッサージ、指圧師、はり師、きゅう師いずれかの資格を有する者。(2018年4月からはり師、きゅう師が追加されました)
管理者
  • 専従1名(管理上支障がなければ兼務可)。

「設備基準」

必要な設備
  • 介護居室、一時介護室(一時的に居室から移して介護を行う室)、浴室、便所、機能訓練室、食堂。
介護居室について
  • 原則個室であること。
  • プライバシーの保護に配慮し、介護を行う上で適当な広さを確保すること。
  • 地階でないこと。
  • 出入り口が廊下、広間などに直接面していて、緊急避難時に問題がないこと。
その他
  • ご利用者が車椅子で円滑に移動することが可能な、空間と構造を有すること。
  • 消火設備その他の、非常災害に際して必要な設備を設けていること。

「運営基準」

サービス計画
  • ご利用者に合わせ、特定施設サービス計画書を作成すること。
利用申込者の同意
  • 運営規程の概要、職員体制などの重要事項について、事前に説明を行った上で同意を得ること。
入浴サービス
  • 自力で入浴することが困難なご利用者に対し、週に2回以上、入浴または清拭のサービスを提供すること。
従業者への教育
  • 研修の機会を確保するなど、資質向上に努めること。
病変時の対応
  • ご利用者が入院治療を要する状態になった場合、適切な病院、診療所を紹介するなど、速やかに措置を講じること。
ご家族・地域との連携
  • ご家族との連携体制、地域との連携などが十分に取れていること。

外部サービス利用型の指定基準

「人員基準」

生活相談員 
  • 常勤換算方法で、ご利用者の数が100またはその端数を増すごとに1人以上。
  • 1人以上は常勤であること(兼務可)。
介護職員
  • 常勤換算方法で、ご利用者の数が10またはその端数を増すごとに1人以上、および介護予防サービスのご利用者が30またはその端数を増すごとに1以上であること。
計画作成担当者
  • 1人以上(ご利用者の数が100またはその端数を増すごとに1を基準とする)。
  • 介護支援専門員であって、特定施設サービス計画の作成を担当させるのに適当と認められるものとし、そのうち一人以上は、常勤でなければならない(兼務可)。
常に一以上の従業者を確保
  • 上記した3職種の従業者も含み、常に1人以上。
  • 宿直時間帯にあっては、この限りではありません。
管理者
  • 専従1名(管理上支障がなければ兼務可)。
  • 「設備基準」

必要な設備
  • 居室、浴室、便所および食堂を有しなければならない。
  • ただし、居室の面積が25平方メートル以上である場合には、食堂を設けないことができるものとする。
居室について
  • 1人の居室の定員は、1人とすること。ただし、ご利用者の処遇上必要と認められる場合は、2人とすることができるものとする。
  • プライバシーの保護に配慮し、介護を行う上で適当な広さであること。
  • 地階に設けてはならないこと。
  • 1人以上の出入り口は、避難上有効な空き地、廊下または広間に直接面して設けること。
  • 非常通報装置またはこれに代わる設備を設けること。
浴室について
  • 身体の不自由な者が入浴するのに適したものとすること。
便所について
  • 居室のある階ごとに設置し、非常用設備を備えていること。
食堂について
  • 機能を十分に発揮し得る適当な広さを有すること。
その他
  • ご利用者が車椅子で円滑に移動することが可能な空間と、構造を有するものでなければならない。
  • 消火設備その他の非常災害に際して必要な設備を設けるものとする。
  • 「運営基準」

    内容および手続きの説明および契約の締結等について
    • 運営規程の概要、従業者の勤務の体制、受託居宅サービス事業者との業務の分担の内容、受託居宅サービス事業者の重要事項を記した文書を交付して説明を行い、文書により契約を締
      結しなければならない。
    • 契約において、入居者の権利を不当に狭めるような契約解除の条件を定めてはならない。
    受託居宅サービスの提供について
    • 特定施設サービス計画に基づき、受託居宅サービス事業者により、適切かつ円滑に受託居宅サービスが提供されるよう、必要な措置を講じなければならない。
    • 受託居宅サービス事業者が受託居宅サービスを提供した場合にあっては、提供した日時、時間、具体的なサービスの内容等を文書により報告させなければならない。
    運営規程について
    • 事業の運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。
    1. 事業の目的および運営の方針
    2. 外部サービス利用型特定施設従業者の職種、員数および職務の内容
    3. 入居定員および居室数
    4. 内容および利用料その他の費用の額
    5. 受託居宅サービス事業者および受託居宅サービス事業所の名称および所在地
    6. ご利用者が他の居室に移る場合の条件および手続
    7. 施設の利用に当たっての留意事項
    8. 緊急時等における対応方法
    9. 非常災害対策
    10. その他の運営に関する重要事項

     

    受託居宅サービス事業者への委託
    • 受託居宅サービスの提供に関する業務を委託する契約を締結するときは、受託居宅サービス事業所ごとに文書により行わなければならない。
    • 受託居宅サービス事業者は、指定居宅サービス事業者または指定地域密着型サービス事業者でなければならない。
    • 受託居宅サービス事業者が提供する受託居宅サービスの種類は、指定訪問介護、指定訪問
    • 入浴介護、指定訪問看護、指定訪問リハビリテーション、指定通所介護、指定通所リハビリテーション、指定福祉用具貸与、指定地域密着型通所介護および指定認知症対応型通所介護とする。
    • 事業の開始に当たっては、
      1. 指定訪問介護
      2. 指定訪問看護
      3. 指定通所介護または指定地域密着型通所介護を提供する事業者と、これらの提供に関する業務を委託する契約を締結するものとする。

    • 受託居宅サービス事業者に、業務について必要な管理および指揮命令を行うものとする。
    • 受託居宅サービスに係る業務の実施状況について定期的に確認し、その結果等を記録しなければならない。
    • 記録の整備
    • 従業者、設備、備品、会計および受託居宅サービス事業者に関する諸記録を整備しておかなければならない。
    • ご利用者に対する特定施設サービス計画、受託居宅サービス事業者から受けた報告に係る記録などを整備し、その完結の日から二年間保存しなければならない。

    特定施設入居者生活介護の指定申請における申請書類

    特定施設入居者生活介護を開業するにあたり、都道府県から事業者として指定を受けなければなりません。

    事業者指定を行う都道府県によって、申請に必要な書類の内容が異なりますので、詳しくは特定施設入居者生活介護を開業予定の、都道府県webサイトなどを参考にしてください。

    ここでは、東京都の場合を例に挙げ、説明します。

    (参照URL)
    有料老人ホームの届出について – 東京都保健福祉局

    指定申請に係る添付書類

    • 指定申請書
    • 指定に係る記載事項(付表10)
    • 事前相談結果通知書
    • 申請者の定款、寄附行為等
    • 申請者の登記簿謄本または条例等
    • 従業者の勤務体制および勤務形態一覧表
    • 就業規則の写し
    • 組織体制図
    • 資格証の写し(管理者、生活相談員、計画作成担当者、機能訓練指導員、看護職員、介護職員分)
    • 雇用契約書(管理者、生活相談員、計画作成担当者、機能訓練指導員、看護職員、介護職員分)
    • 委託契約書の写し<業務の全部または一部を委託する場合>
    • 事務所の管理者の経歴書
    • 事務所の平面図
    • 外観および内部の様子が分かる写真
    • 事業所の部屋別施設一覧表
    • 運営規程
    • ご利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
    • 当該申請に係る資産の状況
      1. 資産の目録(法人の決算書等)
      2. 事業計画書
      3. 収支予算書
      4. 損害保険証書の写し等
    • 協力医療機関(協力歯科医療機関を含む。)との契約の内容
    • 介護保険法第70条第2項各号の規程に該当しない旨の誓約書
    • 介護保険法第115条の2第2項各号の規程に該当しない旨の誓約書
    • 役員氏名等
    • 介護支援専門員の氏名およびその登録番号
    • ご利用者との契約書の写し(入居契約書)
    • 重要事項説明書(介護サービス一覧表、適合表を含む)
    • 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書

    特定施設入居者生活介護の指定申請における申請手順

    事業者指定を行う都道府県によって、申請に必要な手続き等が異なりますので、詳しくは特定施設入居者生活介護を開業予定の、都道府県webサイトなどを参考にしてください。

    ここでは、東京都の場合を例に挙げ、説明します。

    (参照URL)
    特定施設入居者生活介護 (サービス付き高齢者向け住宅) の手引

    1. 事業計画後、まず区市町村との事前相談を行います。
      • 事前相談計画書、区市町村要綱等による書類を提出します。
    2. 次に、都(福祉保健局在宅支援課)との事前相談を行います。
      • 事前相談計画書を提出します。
      • 都が区市町村と事前相談状況を確認します。
      • 事前相談結果が申請者に通知されます(事前相談計画書を提出した翌月下旬~翌々月)。
    3. 建築確認申請をします。
    4. 建築確認済書を受理します。
    5. 東京都福祉保健財団に対し、サービス付き高齢者向け住宅登録を申請します。
    6. 登録結果が、申請者と区市町村に通知されます。
      • この結果を受け、工事に着工します。
    7. 指定予定日(事業開始日)の前々月末日までに、都に対して、特定施設事業者指定申請を行います。
      • 工事完了前であっても、申請することができます。
      • 都から区市町村に、「介護保険法第70条第6項に基づく通知」がなされます。
    8. 指定予定日の前月中旬に、区市町村による現地確認が行われます。
      • 建物(建築確認検査済)、必要な備品等の確認を現地で行います。
    9. 毎月1日に指定がなされます。
      • 区市町村からの意見書も踏まえて、都が行います。
    10. ご利用者の入居開始となります。

    特定施設入居者生活介護の指定における留意点

    指定は6年ごとに更新手続きが必要です

  • 特定施設入居者生活介護の指定基準を満たしているかどうか。これは開業時における指定申請時のみで良い、というものではありません。指定を行う側が継続してチェックできるよう、2006年4月1日より介護保険法が改正されました。
  • 具体的には、「介護保険指定事業者に係る指定更新制度」が設けられています。
  • 指定の有効期間を6年とし、その都度更新の手続きを取らない場合、指定が取り消されるというものです。更新手続きに提出する書類などから、特定施設入居者生活介護の指定基準を満たしているかチェックします。
  • 下記のリンクもご参照ください。指定基準の有効期限など、分かりやすく述べられています。介護保険指定事業者に係る指定更新制度について 2、指定の有効期限について
  • 実地指導について

    • 適正な事業運営が行われているかどうか確認するため、都道府県および市町村が行う「実地指導」というものがあります。
    • 行われる頻度ですが、指定更新手続きが6年ごとに行われますので、その中間にあたる3
      に1度が目安と考えて良いでしょう。
    • また、開業した事業者は、1回目の「実地指導」は早めに行われるようです。
    • 著しい運営基準違反が認められる場合、ご利用者の生命に危険がある場合、報酬請求に不正が確認され、著しく悪質な請求と認められる場合などは、監査が行われます。
    • 改善勧告によっても正当な理由なく、勧告に係る措置を取らなかった時は、期限を定めた改善命令がなされます。
    • それでも改善が見られない場合、指定の効力の停止、指定取り消し処分にまで至る場合があります。
    • 「実地指導」を受ける際、施設やサービスについての事前資料の提出をする必要があります。この資料については、都道府県から「実地指導」の通知がなされる他、各都道府県のWebサイトなどにも掲載されていますので、ご確認ください。
    • 管理者や看護職員など、従業者の入れ替わりがあった場合は、指定基準の変更届を事前に行っておきましょう。「実地指導」で指摘を受けやすい部分です。

    まとめ

    特定施設入居者生活介護の指定基準について検討する場面は、開業時や経営途中においても様々にあります。

    特に最初の指定申請、これに係る事務手続き・作業量は相当なものになるでしょう。

    だからこそ開業した後、指定基準を十分に意識した経営ができるのだろうとも思います。

    皆さんはどの様に感じられたでしょうか。

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