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社会福祉士が独立開業する際に知っておきたいポイント

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福祉系の三大国家資格の一つとして名高い社会福祉士。
そんな社会福祉士として独立開業する場合、主に「介護施設を開業」と「独立型社会福祉士として開業」の2つが挙げられます。
ここでは、「独立型社会福祉士」に焦点をあて、開業手順や費用など、押さえておきたいポイントを幅広く説明していきます。

ポイント

社会福祉士が独立開業する前に

社会福祉士とは

社会福祉士とは、心身の障害や環境上の理由で日常生活に支障がある方々の福祉に関する相談を受け、助言・指導を行う専門職のことです。

社会福祉士は介護福祉法に基づく国家資格ですが、医師や弁護士のように、資格を持っていなければ業務を行うことができない「業務独占資格」ではなく、資格を持っていなくても業務が行える「名称独占資格」です。

社会福祉士の役割

社会福祉士の役割は、多岐にわたります。
生活相談員としての役割から、地域包括支援センターでの業務、老人ホームなどの施設内でのレクリエーションの企画や食事・入浴の介助など、幅広い役割を担っています。
また、2000年の制度改正に伴い「成年後見制度」が制定されました。
この制度により、社会福祉士を後見人として選任するケースが増えており、弁護士と共同で開業する社会福祉士の方も増えてきています。

社会福祉士が独立開業した場合の収入はいくら?

厚生労働省の統計では、一般的な社会福祉士の平均年収は476万円、平均月給で24万円~35万円です。
一方で、独立開業した場合の社会福祉士の平均年収は、400万円~500万円程とされています。

もちろん、本人の能力や働き方によって様々です。
独立開業して成功するためには、社会福祉士としての業務スキルだけでなく、営業力や人脈、経営スキルも重要となるでしょう。

独立型社会福祉士とは

独立型社会福祉士とは、施設などに所属せず、自ら独立開業して活動する社会福祉士のことを指します。
株式会社、NPO法人、個人事業主など様々な形態がありますが、半数以上が個人事業主として開業しています。

独立型社会福祉士になるためには

  1. 厚生労働省の定める社会福祉士の国家試験に合格し、社会福祉士の資格を持っていなければなりません。
    また、試験を受験するためには、専門学校での履修や実務経験などの条件を満たす
    必要があります
  2. 日本社会福祉士会に所属し、名簿登録を行う必要があります。

日本社会福祉士会の名簿登録の要件

下記全ての要件を満たしている必要があります。

  1. 都道府県社会福祉士会の会員であること
  2. 認定社会福祉士認証・認定機構により認定された「認定社会福祉士」であること
  3. 日本社会福祉士会へ事業の届出をしていること
  4. 独立型社会福祉士委員会主催の独立型社会福祉士の研修を修了していること
  5. 年次事業報告の提出を確約していること
  6. 社会福祉士賠償責任保険などへの加入を確約していること
  7. 独立型社会福祉士名簿の公表に同意していること

独立型社会福祉士の開業における事業形態

独立型社会福祉士として開業した場合の事業形態として、主に3つが挙げられます。

  • 社会福祉士事務所
  • 社会福祉士事務所+居宅介護支援事業所
  • 行政書士事務所+社会福祉士事務所

一番現実的な事業形態としては、社会福祉士事務所+居宅介護支援事業所です。
他にも事業展開することでリスクヘッジでき、収益面も比較的安定するようです。
また、最初はケアマネージメントのプラン作成から始め、後に成年後見業務を行う方も多く見られます。

独立型社会福祉士の開業手順

  • 社会福祉士の資格を保有していること
  • 日本社会福祉士会に所属し、且つ日本社会福祉士会が実施する独立型社会福祉士養成研修を受けていること

を満たしたうえで、

    • 法人(株式会社、NPO法人など)の登記

    • 事務所の設立

    • 人員の確保(必要な場合)

    • 事務所備品の準備

  • 開業

*個人事業主の場合、開業届を出す必要があります。

独立型社会福祉士の開業費用

法人設立費

定款作成・登記費用 約30万円
※個人事業主の場合、法人設立費はかかりません

物件取得費

保証金、敷金、初回家賃、仲介手数料、譲渡代金(居ぬき物件の場合)
※個人事業主として自宅兼事務所で開業する場合の家賃・光熱費・引越代金・住宅ローンなどは、公私の使用割合を基準となる数量に分割して経費として計上できます。

設備投資費

PC・タブレットや書籍、机・椅子などの備品費

人件費

単独事務所の場合は人件費があまりかかりませんが、居宅介護支援など他の事業と併設し、雇い入れがある場合は人件費が必要になります。

広告費

チラシ・パンフレット、webサイト製作費など

独立型社会福祉士の開業における資金調達

  • 日本政策金融金庫から融資を受ける
    • 新創業融資制度(無担保、無保証人)
    • 新規開業資金
    • 女性、若者/シニア起業家資金
  • 民間の金融機関から融資を受ける
  • 補助金・助成金を利用する
    • 受給資格者創業支援助成金
    • 特定就職困難者雇用開発助成金
    • 中小企業基盤人材確保助成金
    • トライアル雇用奨励金

独立型社会福祉士の開業の注意点

  • 成年後見の報酬入金は約1年後になるため、それを踏まえた上で収支計画を立てましょう。
  • 日本社会福祉士会に所属していない場合、独立型社会福祉士の研修を受けることはできず、講習修了の登録もできません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
社会福祉士が独立開業するとはどういうことなのか、どういったことが必要なのかがお分かりいただけたかと思います。
開業後に失敗・後悔しないためにも、開業前にしっかりとリスクを把握し、独立開業に踏み切りましょう。

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