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介護の備品のポイントについて紹介

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他事業から介護事業への参入を考えている方はご覧ください。

介護事業を行なう際、設備基準を満たすだけではいけません。利用者に快適に暮らしていただいたり、スタッフに安心して働いてもらったりするには介護事業所内の備品の有無または充実度が関係してきます。

介護される側、介護する側両者にとって使いやすい備品や福祉用具を選定することが、快適な介護施設作りにはかかせません。

ここではそのような介護の備品について述べていきます。一読し、今後の経営の参考にしてください。

備品

介護の備品について

介護の備品といっても、食器、空気清浄機、除菌・消毒用品と様々です。
ここでは、使う用途・目的に分けて紹介します。

利用者に快適さを提供する

利用者に快適さを提供するため、食堂にテレビを設置したり共有スペースに囲碁や将棋など娯楽道具を置いたりすることが重要です。利用者の健康面も考慮するため、空気清浄機等設置することも大事です。

共有スペースの備品例

家具


椅子やテーブルなど、利用者の状態によりサイズやフィットするものが異なります。機能性と居心地の良いものを選定します。

テーブル:車椅子でも対応可能な波型のテーブルや高さが調整できるものがオススメです。
座った際に身体がラウンド部分にフィットするので姿勢良く着席することができます。

椅子:椅子の出し入れがしやすい背もたれ部分に持ち手がついているものや、座面が回転し、座りやすいものがオススメです。座面が回転するものは車椅子から椅子への移乗もしやすく、介護者側からも使いやすい椅子です。

テレビ台:テレビから離れている方にも見えやすいように大きく高さがあるものを選びます。

:フロアーの洗面台横に置いたり、キッチン横に置いたりと使い方は様々。角が丸みを帯びていて安全性の高いものがオススメです。ワゴンでも代用できます。
リビングに設置する棚はレクリエーションの道具や細かい備品なども収納します。

家電


テレビ:フロアーにテレビを設置する十分なスペースがない場合は壁掛けタイプのものを設置します。

冷蔵庫:居室に個人の冷蔵庫を設置しない場合は、フロアー冷蔵庫で利用者の食べ物や飲み物を預かります。熱い飲み物を冷ますために氷、熱発時のためにもアイスノンを常備しておく必要があるため、冷凍室に十分なスペースがあるものを選定しましょう。

空気清浄機感染症予防、臭い対策のために設置しましょう。設置することで臭いのこもった介護施設は不衛生な印象があるため、臭いを除去し、心地よい空間作りにつながります。

加湿器乾燥と感染症予防のために適度な湿度が必要です。購入しない介護施設では濡れタオルや水の張った洗面器を置くなどしていますが、衛生上あまり良くないため、加湿器を購入し設置することが好ましいです。

電子レンジ:冷めた食事や飲み物を温めるため、少量の温かいおしぼりを作るために使用します。

タオルウォーマー(電気保温器):食事で使用するおしぼりや排泄時の陰部清拭の際の清拭タオルを温めるために使用します。食事用、清拭用と分けて購入します。

照明器具等:眩しさを抑えた優しい光の照明を設置しましょう。明るさを調整できるタイプや直接光が目に入らないシェード付き照明を使用することで目に優しく快適に過ごすことができます。足元灯やダウンライト、間接照明、人感センサーのついた照明もオススメです。

消耗品


清掃用洗剤:キッチン用洗剤、フロアー用洗剤、トイレ用洗剤、浴室用洗剤と様々。介護施設を清掃するための洗剤類は誤嚥事故を予防するために利用者の手の届かない鍵付きの棚や備品庫へ収納します。

ハンドソープ:除菌のできる泡タイプのものがオススメです。キッチンや洗面台、トイレへ設置する必要があります。

食器用洗剤:小規模の介護施設では食事の準備、片付けもフロアーキッチンで介護スタッフが行います。時には自立度の高い利用者と食器を洗うこともあります。手に優しく泡切れの良いものがオススメです。

洗身・洗髪用:入浴時に使用するシャンプー、リンス、ボディソープが必要です。介護施設によってはリンスインシャンプーを使用しているところもあります。

排泄用品:介護施設によって個人購入、介護施設購入の場合があります。各排泄用品会社が業務用を販売していますので、少量ロットを購入するよりもコスト削減となります。利用者のサイズや排泄状況により多くの種類を揃える必要があります。

※消耗品類は大容量のものを詰め替えて使用することでコスト削減できます。

清掃器具:フロアーモップ、ほうきとちりとり、雑巾、トイレ用、浴室用と揃える必要があります。雑巾やスポンジ類は衛生面から短い期間で取り換える方が良いため、通信販売よりも100円均一ショップなどで購入する方がコスト削減できオススメです。

フロアーは食べこぼしや唾液等で汚れやすく不衛生なため、フロアー用清掃用品はすぐに掃除できるようリビングの棚などに設置します。

介護スタッフに快適を提供する

介護施設の場合は夜勤があります。そのため、スタッフの休憩スペースに仮眠用のベッド・ソファー、冷蔵庫や電子レンジなど電化製品があれば快適に働くことが出来ます。

仮眠用ベッドを設置するスペースがない場合は、壁に折り畳みできるタイプのベッドか布団を用意しましょう。

衛生用品

食事やレクリエーションの前後で清潔を保つために、除菌・消毒用品の設置が不可欠です。

特に、ノロウイルス対策で使用するハイター消毒液は常備する必要があります。ハイター消毒液やアルコール消毒液など利用者が誤飲してしまう可能性もあるので、スタッフの目視の範囲内、利用者の手の届かないところに設置するなど考慮してください。

安心、安全の保障をする

災害が起きた際を想定して、防火扉や消火器の設置や避難所への道のりのマップを作成して事業所に貼っておくなどする必要があります。

リビングに家具や家電を設置する際に動線を考慮する必要があります。

自立度の高い利用者が歩行しやすい、車椅子が通りやすい、介護スタッフが介助しやすい動線をシミュレーションする必要があります。

電化製品のコードは特に転倒のリスクを高めますので、壁に這わせる、カバーを付けるなどし、転倒防止対策を行います。

介護の備品の費用について

  • 備品の費用は同じものでもメーカーによってサイズ、機能、値段様々です。テレビを購入する際は1店舗、1メーカーだけを見て、買うかどうかを判断するのではなく複数店舗、メーカーを検討して事業の予算、スペースに見合った備品を購入してください。

    家電や家具類はまとめて購入することで値下げしてもらえますので、数店舗に見積もりを出し、お安く購入できるような交渉をしましょう。

  • ハンドソープや使い捨てマスクはそこまで費用が掛からないので月の支出にそこまで影響は無いと思います。シーツやおしぼりなどリースをするなら、リース会社から安く購入できる場合もありますので、購入する前に調べてみてください。

    空気清浄機やテレビを買った月だけ大幅赤字ということも出てくる可能性もあります。家具は1回買えば、数年は利用することが出来るので正しい減価償却を行いましょう。

  • 最近では100円均一ショップで備品を購入する介護施設も増えています。しかし100円均一ショップでは、消耗品のみの購入にしましょう。モップやほうき、ちりとりなどは壊れやすいため、通常の日用品店で購入するようにしましょう。

介護の備品の購入方法

通販

人員基準ギリギリで介護事業所を経営している際、消毒液・使い捨てマスク等の買出しの人でも惜しい場合があります。その場合に役立つのが通販です。スーパーなどで買い物するよりは費用は掛かりますが、事業所に購入物が届くので手間は省けると思います。

大量発注する場合や大規模介護施設ではコスト削減に役立ちます。

社会福祉法人の場合

社会福祉法人は公益性が高いため、高額な買い物をする際は入札による契約をしなければいけません。

2017年3月29日に厚生労働省より社会福祉法人における入札契約等の取扱いについてという通知内において随意契約の範囲が改正されました。

制度の改正により、法人体制が適正かつ公正な支出管理を行うことができ、適正な契約を担保することで、以前の入札契約に比べて、随意契約の金額が緩和されることとなりました。

適正な契約担保のためには下記の手続きが必要です。

手続きをするための事前確認

  • 重要な契約内容は理事会で審議・決定する
  • 理事会へは監事が出席しなければいけない
  • 契約の金額及び、範囲は定款細則等に規定
  • 随意契約、競争契約の基準を経理規定に明記する

事後確認

  • 理事長の専決事項等は、理事会での定期的な報告が必要
  • 理事会へは監事が出席しなければいけない
  • 相見積等契約事務の内容の保存
  • 契約手続きの監査
  • 会計監査人の監査(一定規模以上の法人)
  • 随意契約が可能な上限額(緩和前)
    工事又は製造の請負:250万円
    食料品・物品等の買入れ:160万円
    前各号に掲げるもの以外:100万円
    契約の種類によって金額が定められていましたが、改正によって下記へ変更となりました。
  • 随意契約が可能な上限額(緩和後)
    会計監査を受けない法人:1,000万円
    会計監査を受ける法人※会計監査人設置法人及び会計監査人を設置せずに公認会計士又は監査法人による会計監査を受ける法人
    法人の実態に応じて設定(上限額)
    建築工事:20億円
    建築技術、サービス:2億円
    物品等:3,000万円
    ※社会福祉法人の物品購入は法人の経理規程で定める通りになります
    ※なお、限度内の随意契約でも複数の業者からの見積もりが必要などの要件があります。

介護の備品を設置する際の注意点

動線

テレビやソファーといった家具を設置する際、介護スタッフと利用者が歩く経路、動線を配慮することが大事です。

介護スタッフは1日中介護施設内を歩き回っています。この動線を歩きやすく短くすることで余計な移動を少なくし、業務をスムーズに行うことができ、利用者との関わりの時間を十分にとることができるでしょう。

また、利用者が誤って転倒し家具にぶつかった際、怪我の度合いがひどくなることもあるので、スペースは十分に確保する必要があります。角が丸みを帯びたものなど安全性の高い家具を設置することで介護事故防止につながります。

排泄用品の位置

排泄介助は居室内、トイレ、脱衣室で行われますが、排泄用品の収納場所を居室内のほか、トイレや脱衣室に近い場所に設置しておくことで排泄用品を取りに移動する手間を省くことができます。

1日に何回も行う排泄介助は介護スタッフにとって重労働で腰痛の原因にもなりますので、排泄用品の見直しをすることで介護スタッフの身体の負担軽減となります。

ある程度大きい規模の介護施設であれば、おむつ交換車を活用することも良いでしょう。

1台で20~25名程度の排泄用品、ゴミ箱、手袋、タオル、清拭用品などをまとめることができます。おむつ交換車を押して各居室を回り、排泄介助を行うため、夜勤時の排泄交換時に便利です。

災害

地震

地震が起きた際に家具が転倒したり、動いたりしないように耐震用のストッパーをつけるなど利用者の安全確保のため震災対策が必要です。

  • 机やロッカー、家具、大型設備を固定する。
  • 家具上に備品は置かない、また固定するなど、特に共同スペースには割れ物を置かないなど注意する。
  • 照明器具の点検や備品の落下防止策を行う。
  • 割れにくい強化ガラスや網ガラスなどを使用し、窓際に植木や備品は設置しない。
  • 災害時用の非常食、非常用品等を準備する。

火災

火災の場合、キッチンやスタッフの休憩室等火災の原因の場所が予測できると思うので、そこの備品として消火器を置いたり、そこから離れる為近くに家具を置かなかったりするといったことが必要です。

まとめ

介護事業を行うにあたって、備品の調達は利用者の快適な生活を支える大切なものです。使いやすく、安全、快適な備品を選び、コストを抑えて購入しましょう。

使いやすい備品を購入し生活が快適になることで、利用者のADL(日常生活動作)・QOL(生活の質)の向上にもつながり、入居率アップを目指すことができます。

快適な生活をサポートできる介護施設を目指しましょう。

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