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リハビリ特化型(機能訓練型)デイサービスを開業する上で知っておきたいこと


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リハビリ特化型デイサービスでの開業って難しそうだよ

確かに、名前が複雑だからのぉ。しかし、要件を満たし、手順を踏めば問題ないぞ

なるほど!しっかり調べてみよう。頑張るぞー!!

リハビリ特化型デイサービス事業において開業・事業立ち上げを考えている皆様。

開業の際の手順や留意点に関して、しっかりと理解はできていますでしょうか。

今回の記事では、リハビリ特化型デイサービス開業の際に知っておくべきポイントに関して詳しくご説明していきます。一読し、ぜひ今後の事業にお役立てください。

リハビリ

リハビリ特化型デイサービス開業の前に

リハビリ特化型デイサービスとは

2006年厚生労働省はリハビリの期間を最大180日と制限し、2008年より入院後6ヵ月経過し、退院する患者が6割を下回った場合、病院への診療報酬を大幅に引き下げる診療報酬改定を実施しました。

こうした余波もあり、疾患の治癒後に十分なリハビリを受けることができない「リハビリ難民」が増加し、在宅生活に戻った後に寝たきりになってしまうケースが増えています。

急性期医療機関の在院日数が短縮されたこと、機能訓練の必要な高齢者が増加したことでリハビリのニーズが拡大しているため、心身機能の回復を目指し自立支援を目的としたリハビリ特化型デイサービスが注目されています。機能訓練特化型デイサービスとも呼ばれます。

リハビリテーションは3つのステージに分かれており、主に医療保険を使ってリハビリする「急性期」「回復期」では、リハビリ専門職の方々が活躍されています。

その後、医療保険では充分なリハビリが受けられなくなった「維持期、慢性期」の方々に対してリハビリを提供するのが、リハビリ型デイサービスです。

小規模のため狭い物件での開業が可能であり、比較的開業資金を抑えることができます。また、フランチャイズも多く、開業のノウハウや開業後のフォローアップも手厚く、参入しやすい介護事業のひとつです。

リハビリ特化型デイサービスの開業手順

リハビリ特化型デイサービスの開業手順は通常のデイサービスと同様です。

開業する地域や物件を選定し、地域や高齢者のニーズを調査してサービス利用者の予測を立てます。

その後、デイサービスの事業計画書を作成し、法人の設立となります。

法人の設立

デイサービスの指定を受けるためには法人格が必要です。

株式会社、合同会社、NPO法人、社会福祉法人、医療法人等の設立を行います。すでに法人が設立されている場合は、定款内に事業目的を追加します。

事務所の設立

リハビリ特化型デイサービスが開設されるまで、法人設立後の書類送付や準備、スタッフの面接を行うために事務所を設立します。一時的な事務所であれば、レンタルオフィスや賃貸マンションが利用可能です。

人員の確保

デイサービスを行うには、人員基準で決められた人員(スタッフ)の配置が必要です。

求人広告や求人サイト、ハローワークに掲載しオープニングスタッフを募集します。

スタッフが揃った後は、法人内の別事業所や事務所で研修と介護・リハビリのシミュレーションを行います。リハビリ特化型デイサービスで必要な人員は管理者、生活相談員、介護職員、看護職員、機能訓練指導員です。

事務所備品の準備

デイサービスで使用する物品を購入します。リハビリ特化型デイサービスで使用する備品には、機能訓練に使用する機材などがあるため、建物が未完成の場合は設計図や予定図を確認し、動線に配慮して購入しなければいけません。

パワーリハビリ導入のためのマシンリハビリを購入する場合は、マシンの配置や動線、サイズなどの十分な確認が必要です。

指定申請書類の準備

通所介護事業者の指定申請をします。指定事業所の申請をするには、厚生労働省より定められた人員基準、設備運営基準を満たしている必要がありますので、指定基準の確認が必要です。

法人格の定款に「介護保険事業実施の記載」が必要であり、すでに法人格を取得している場合、新しく介護保険事業をスタートする場合には、記載に追加、変更手続きを行う必要があります。

指定申請書類の提出

指定申請書類をそろえたら都道府県または市町村の指定機関へ申請します。

定められた指定基準を満たしていない場合や、指定申請書類に不備がある場合、指定を受けられず開業日が遅れることになりますので、スムーズに指定申請できるよう準備はしっかりと行いましょう。

※各自治体によって届け出る部署が異なり、なおかつ自治体によって異なる規制がある場合もあるので、詳しくは、各都道府県、自治体のサイトを参照してください。

指定を受け開業

現地調査、指定申請書類をクリアし、指定を受けたら開業することができます。原則、指定日は各月の1日となります。

※事前調査では指定申請の担当部署ではなく、消防署や役所の建築指導課などの関係部署から、その物件に問題がないか確認を受ける必要があります。

リハビリ特化型デイサービスの開設要件

  1. 法人であり、定款の目的欄に当該事業に関して記載があること。
  2. 指定基準(人員基準・設備基準・運営基準)を満たしていること。

人員基準

  • 管理者:資格要件は特になく、専ら職務に従事する常勤で1人以上必要です。常勤の生活相談員、機能訓練指導員、介護職員、看護職員と兼務することができます。
  • 生活相談員:社会福祉士、社会福祉主事、介護福祉士、介護支援専門員のいずれかの資格者1人以上。(都道府県によって認められている要件が異なりますので確認が必要)
  • 介護職員:資格要件は特になく、リハビリ特化型デイサービスの利用定員15人までは1人以上、それ以上15人を超える場合は5人増える毎に介護職員1人の増員が必要です。
  • 機能訓練指導員:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、柔道整復師、あんまマッサージ指圧師、看護師、准看護師いずれかの有資格者1人以上が必要です。
  • 看護職員:正看護師・准看護師の資格が必要で、通所介護の単位毎に提供にあたる者1人以上が必要。(提供時間を通じて専従は必要ないが、適切な連携ができることが条件)

設備基準

  • 食堂・機能訓練室:合計面積が利用定員1人につき3平方メートル以上の広さが必要。
  • 静養室:専用の部屋を確保し、複数利用者が同時に利用できる広さが必要。
  • 相談室:遮蔽物を設置するなどし、相談内容が漏れないようプライバシーに配慮した部屋が必要。
  • 事務室:事務机、いすなどを設置し、スタッフが仕事や会議ができる部屋が必要。
  • 駐車場:送迎のため、施設に隣接した駐車場が必要です。施設から離れた駐車場を利用する場合には、施設入口にご利用者の乗降スペースの確保が必要です。
  • トイレ:バリアフリー構造となっており、ご利用者や介助に適した構造と設備が必要。複数設置し、車椅子で利用できる多目的トイレが望ましく、ブザー、ナースコールといった緊急時の通報装置の設置が必要。

※浴室(任意)(入浴介助を行う場合は設置要):手すりを設置するなどバリアフリー構造とし、安全面に配慮され、ご利用者や介助者に適した構造、設備が必要。
※リハビリ特化型デイサービスの場合、短時間の機能訓練が主目的のため入浴は行っていないところが大半です。
※建築基準法や消防法などの基準に適しているか、都道府県の建築確認課や消防署で確認が必要です。

運営基準

デイサービスの主な運営基準は以下になります。

  • 通所介護計画書を作成しサービス提供していること
  • ご利用者の定員を超えてサービス提供を実施しないこと
  • スタッフの勤務体制を明確に定めること
  • ご利用者へ、運営規程、スタッフの勤務体制、苦情処理体制、事故発生時または緊急時の対応、衛生管理などについて文書を交付 (説明) し、同意を得た上でサービスを提供すること
  • 提供するサービスに応じて、ご利用者の選択により通常のサービス提供地域を超えて行う場合に発生する費用(送迎費、長時間または超過時間のサービス費用)、食材、おむつの費用等の日常生活の物品費用は、料金表などの定めがあること

※指定権者により基準の取り扱いが異なるため、必ず確認が必要です。

リハビリ特化型デイサービスの開業資金

法人設立費

  • 登記費用:法人を設立するには定められた費用、定款や登記に関する費用が必要です。設立に関して代行業者を利用すると約3万円の費用削減となり、時間と費用の節約ができますので利用をおすすめします。

物件取得費

敷金、礼金など物件取得に関する費用約200万円必要です。

内外装工事費

通所介護事業所として適切なスペースを確保し、トイレや浴室、エアコンなど設備の内装費用、消防設備の設置費用として約300万円必要です。

リハビリ機器費

機能訓練時にパワーリハビリ(パワリハ)などマシンを利用する場合、リース費用として約550万円必要です。マシンの種類によって金額は異なりますが、最低でもこれだけ必要となる計算です。

設備・備品費

テレビ、冷蔵庫、テーブル、机、いす、パソコン、コピー機、コップ類など、運営に必要な備品類の費用として約100万円必要です。

車両費

通所介護事業所、ご利用者自宅間の送迎に使用する車両が必要となります。

小規模事業の場合、ワンボックスカーではなく、ミニバンやワゴンなどが良いでしょう。

午前、午後で分けてサービス提供する場合や、地域によっては小回りの利く軽自動車もおすすめです。車種や新車、中古車により車両費は異なりますが約100万円~200万円は必要です。

駐車場費

事業所敷地内や隣接したスペースに駐車場がない場合は、別途駐車場代も必要です。

人材費

無料ツールや求人広告、情報誌、求人サイトでの募集を行います。直接応募が難しい場合は人材派遣や紹介会社を利用します。人材採用費として30万円~50万円必要です。

求人広告費

求人広告や求人情報誌に掲載する費用として、約2万円~50万円必要です。掲載するサイズによって金額が異なります。

指定申請手数料

例えば大阪府の場合、居宅サービス・介護予防サービスそれぞれ新規申請3万円、更新申請1万円が必要ですが、両者同時に申請する場合は新規申請3万5千円、更新申請1万円が必要です。

※指定申請手数料は、各都道府県・自治体によって異なります。詳しくは、各都道府県・自治体のサイトを確認してください。

リハビリ特化型デイサービス開業の資金調達方法

日本政策金融公庫の創業支援

新規事業を行う場合は信用が低いため、民間の金融機関では融資が下りないことも少なくありません。

政府が出資している日本政策金融公庫の新創業融資制度では、最大3000万円が、無担保無保証、連帯保証人の署名不要で融資される可能性があります。

融資には審査や書類の提出が必要ですが、この制度を活用すれば自己資金が少なくても新規事業を始めることが可能です。融資限度額は7200万円、運転資金としての限度額は4800万円となっています。

新規開業資金

女性、若者、シニア起業家支援資金(新企業育成貸付)で事業開始後おおむね7年以内の方向けの融資です。融資限度額は7200万円(うち運転資金4800万円)となっています。

公的融資

独立行政法人福祉医療機構(WAM)

民間の福祉活動への助成金と立ち上げ支援を行っています。

信用保証協会からの融資

地域の金融機関が信用保証協会を利用して行う融資の保証料を援助するもので、都道府県、市区町村の案内に起業する方への融資の支援制度が掲載されている場合があります。

※公的融資に関して詳しくは、各自治体、都道府県のサイトを参照ください。

銀行等からの融資

各銀行からそれぞれ介護事業に向けた融資があります。

補助金や助成金

中小企業基盤人材確保助成金

新しい経営基盤の強化をする際、人材雇用の際に最大850万円の賃金が助成される制度で、会社の主体となるような能力、資格のある人材雇用をした場合に助成され、一人あたり140万円となります。

リハビリ特化型デイサービスをフランチャイズで開業したい

リハビリ特化型デイサービスはフランチャイズで開業される方が多いですが、そのメリットとデメリットをご紹介します。

フランチャイズのメリット

ネームバリューが高い

デイサービスが黒字になるコツは集客力のアップです。ネームバリューのある事業所のフランチャイジーを担うことで、新規開業であっても集客に困ることが少なくなるでしょう。

ノウハウを提供してもらえる

リハビリ特化型デイサービスでのフランチャイズによる開業では、8割以上が他業種からとなっていますが、未経験者には介護業界のノウハウがわからないもの。

しかし、フランチャイズオーナーとなると本部から介護や運営に関するノウハウを提供してもらえることが多く、運営に行き詰まることが少ないことが特徴です。

開業や運営に関するサポート体制が手厚い

物件探しや営業ツール、スタッフの採用とサポート体制が手厚いため、スムーズに開業、運営できます。

また、一括して求人募集や宣伝を行うため、人員不足に陥ることも少ないことがメリットです。

フランチャイズのデメリット

制約が多い

サポートやノウハウの提供はありますが、フランチャイズ全店での規則や制約があり、自由度は低いでしょう。

加盟金、ロイヤリティが必要

フランチャイズオーナーになることで、加盟金、毎月のロイヤリティが必要になってしまいますので経営的な負担は少なくないでしょう。

選ぶ際のポイント

実績が長くあるフランチャイズ

多くのフランチャイズオーナーを抱えるリハビリ特化型デイサービスであれば、経営のコツや展開方法などが豊富で、失敗することが少ないでしょう。

また、実績が長いことで、営業や集客、採用といった営業ツールも多く取り揃えているため、開業から軌道に乗るまでのスピードが早く運営もスムーズです。

ロイヤリティと加盟料金が低いフランチャイズ

最近では、配食チェーンや訪問介護を展開しているフランチャイズが多くみられます。

通所介護以外の事業で成功していることから、高齢者の集客率やネームバリューが高い上に、集客や宣伝に関する費用が抑えられ、ロイヤリティや加盟料金が低いところも増えています。

毎月のロイヤリティによって資金繰りが厳しくなることも多いので、できるだけ実績がありロイヤリティや加盟料金が低い企業を選びましょう。

リハビリ特化型デイサービス開設の際の留意点

運営方針に従う

フランチャイズ本部からの運営方針に従い経営しなければいけません。そのため自由度は低くなりますが、違反することで契約解除や違約金といった事態に発展します。

フランチャイズ経営には、金銭トラブルや中途解約のトラブルが発生する可能性が少なくありません。

運転資金の確保が必要

開業して3か月は、安定した収入=介護報酬が見込めないことを念頭に置く必要があります。

その間、収入の有無に関わらず人件費や家賃などが発生するため、運転資金はあらかじめ、最低3ヵ月分の給料や家賃などがまかなえる金額を準備しておく必要があります。

サービスの質を継続させる

集客力や宣伝力が高いことがフランチャイズの魅力ですが、いざ開業、運営してからもご利用者のニーズにアンテナを張り巡らし顧客満足度を向上させ、サービスの質を継続させることが大切です。

まとめ

今回、リハビリ特化型デイサービスの経営についてご紹介しました。同事業は、介護業界の中では未経験であっても比較的参入、開業しやすい分野ですが、フランチャイズ加盟は事業主であることと同じで責任は重大です。

多くの介護事業者を比較し、自分自身の方針や想いに近いフランチャイズ企業を選ぶことで、成功に近づきましょう。

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