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介護給付費の算定についてご紹介


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すでに事業を経営されている方、また、介護に関わる新規事業立ち上げをご検討中の方へ。

介護保険を利用する際の「介護給付費」の算定について、把握されていますでしょうか?

介護保険の制度は常に改正が加えられていますので、今回は介護保険給付費算定の現状をお伝えします。

参考にしていただければ幸いです。

お金

介護給付費の算定とは?

介護給付費とは

まず、「介護給付」とは介護保険制度において、要介護認定を受けた方が受ける様々な介護サービスのことです。

そのサービスにかかる費用を介護給付費といいます。介護給付費は単位で表されます。例を挙げてみましょう。

訪問介護費 身体介護 20分未満 165単位
20分以上30分未満 248単位

このように、サービス内容によって細かく単位が設定されています。この単位数は介護保険の改正時に変更されることが多いです。

介護給付費の算定方法

介護給付費の各単位数と単価から計算して、最終的な介護報酬額を得ることを算定と言います(単位数の計算を算定と呼んでいる場合もあります)。例えば、1単位の単価が10円(標準)の場合、

標準介護報酬額 165点 1650円

となります。

1単位の単価は地域で8区分があります。介護サービス内容によって人件費割合(3区分)もありますので合計24区分(内3区分は最低額の10円)となります。

一級地である東京23区は最高で1単位11.4円となっています。地域区分についての詳しい情報は、以下の出典元に記載されています。

出典元URL:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000143081.pdf

そのほか重要な介護給付費の内容

介護保険では、居宅サービスにおいて支給限度額(支援・介護度による)が定められています。

限度額以内であれば、ご利用者の負担額は1割(一部の高所得者2割)ですが、限度額を超えると原則として10割負担となります。

介護度と支給限度額
介護度 要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5
支給限度額 5003単位 10473単位 16692単位 19616単位 26931単位 30806単位 36065単位

介護給付費には各種の加算があります。

ある条件を満たしていれば、基本単位に加えて算定することが可能です。

この加算はサービスによって、地域によってなど様々なものがあります。どのような加算を算定可能か把握して、請求可能なものについては確実に算定することが大切です。

一例を挙げてみます。

緊急時訪問介護加算 1回につき+100単位

介護給付費算定の現状

介護保険の受給者数や費用について現状(2017年9月)をお伝えします。数値はわかりやすくするため、四捨五入などしている部分もありますのでご了承ください。

介護給付費の受給者の状況

2016年度の、介護予防および介護サービスの年間実受給者数は約614万人です。

受給者数の推移
2013年度 2014年度 2015年度 2016年度
年間実受給者数 566万人 588万人 605万人 614万人

表が示すように近年では受給者数は毎年増加傾向にありますが、その増加割合は減少傾向にあります。地域によって要介護者数の減少に成功しています。

受給者1人あたりの費用額

受給者1人当たりの費用は、近年大きな増加はないようです。2017年4月審査分でみると、1人当たり約16万円となっています。

受給者1人当たりの費用額(毎年4月審査分)
2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
費用額 15万8千円 15万7千円 15万8千円 15万7千円 16万円

サービス種類別にみると以下のようになっています。

サービス種類別費用(2017年4月審査分)
介護予防サービス 3万5千円
介護サービス 19万1千円

居宅サービスの状況

居宅サービスの中で比較的変化がみられる部分についてお伝えします。

通所介護のご利用者数が大きく減少しているのがわかります。そのほかのサービスについては、数%の変化にとどまっており大きな変化はないようです。

年間受給者数の変化の大きい居宅サービス
2015年度 2016年度 増減率
通所介護 192万人 153万人 △20%

次に、受給者1人当たりの費用額の変化の比較的大きいものをみてみます。

受給者1人当たりの費用額の変化の大きいもの
2016年4月 2017年4月 増減額
訪問通所(介護) 11万2千円 10万5千円 △7千円
短期入所(介護) 10万3千2百円 10万4千5百円 1千3百円

居宅サービスの内、訪問通所系サービスの利用額が下がっています。逆に短期入所(ショートステイ)の利用額は増加しています。

地域密着型サービスの状況

年間受給者数の変化
2015年度 2016年度 増減率
地域密着型サービス 54万人 112万人 108%

地域密着型サービスの受給者数は大きくなっています。内訳としては小規模多機能型系が増加しています。1人当たりの費用額は、

受給者1人当たりの費用額の変化
2016年4月 2017年4月 増減額
地域密着型(介護) 23万4千円 16万3千円 △7万円
地域密着型(予防) 7万9千3百円 7万9千4百円 百円

受給者数の統計期間と同じではないので、単純に関連付けることはできませんが、介護の地域密着型サービスでは受給者の数は増加しているけれども、1人当たりの費用が少なくなっているのがわかります。

施設サービスの状況

年間受給者数の変化
2015年度 2016年度 増減率
施設サービス 123万人 125万人 1.50%

施設サービスは介護福祉施設サービス(特別養護老人ホーム)の受給者数が増加しています。

受給者1人当たりの費用額の変化
2016年4月 2017年4月 増減額
介護福祉施設サービス 27万3千円 27万5千円 2千円

介護福祉施設サービス(特別養護老人ホーム)では平均要介護度が上昇しており、1人当たりの費用も増加してきています。

そのほか重要な項目

重要なポイントとして、2018年4月から実施された介護報酬の改正があります。

今回の改正では引き上げになる部分と引き下げになる部分があり、トータルでは0.54%の微増ということです。

今回新設される項目や加算が数多くあるため、速やかに対応して取りこぼしのないようにしていく必要があります。

訪問介護では身体介護が重視され、生活援助中心の基本報酬が引き下げ、訪問看護の基本報酬引き下げ、大規模型の通所介護のサービス提供時間細分化と基本報酬の引き下げ、通所リハビリテーションのサービス提供時間細分化と基本報酬引き下げなど、事業所によってはマイナスとなる改正もあります。

政府は給付介護費の圧縮を推進しています。今回の改正で受給者1人当たりの費用は変化すると予想できます。

介護給付費算定をする際の留意点

介護給付費算定についていくつか注意点があります。特に届け出は重要で、規定通りに行わないと、介護報酬の返還を命令される場合もありますので注意が必要です。

介護給付費算定に関係する体制などが変更する場合届出が必要

     

  1. 加算の適用を受けるとき
  2.  

  3. 加算の要件に該当しなくなったとき
  4.  

  5. 届け出の内容に変更があったとき

などの場合には届け出をする必要があります。

届け出の方法
時 期 加算:月15日以前→翌月から適用 月16日以降→翌々月から適用
加算取り消し:速やかに届け出
場 所 管轄の保健福祉事務所など 例) 東京都 福祉保健財団
届出者 規定はない。管理者、施設長、事務長など
必要書類 介護給付費算定に係る届け出書や証明書類など各種、事前に電話で確認必要

実際の体制と申請した給付金の額が異なる場合どうなるか?

実際の体制が算定基準に満たないのに介護報酬を請求した場合、支払いの前のチェックで判明すれば、介護報酬は支払われず、請求書の返戻、指示などがあります。

請求通り支払われてしまった場合、後日の実地指導等で判明し、介護報酬返還の命令を受けることがあります。

悪質な場合、指定取り消しとなる場合もありますので、算定要件には十分な注意が必要です。

その他の留意点

 
介護報酬を受けるためには、実施したサービスについて正確な記録をしておくことが重要です。

記録には、実施内容(詳しく)、実施者、実施時間などについて確実に記載しておくことが必要です。記録がないと不正請求とみなされる場合もあります。

また、算定に関わる指定の書類は確実に作成しておく必要があります。

必要書類がない場合、書類不備で介護報酬返還となります。近年、立ち入り指導などにおいても、必要書類は細部にわたって確認されます。不備がないようにしましょう。

まとめ

今回は介護給付費の算定についてお伝えしました。

介護給付費は毎年増加しているため、介護保険改正時には厳しい条件が提示されることも少なくありません。

算定要件(必要な人員など)をもれなくチェックして、算定できるものは努力して算定する、業務を見直し効率化を行うなどして経営状態の維持・改善に努める必要があるでしょう。

介護保険の現状は保険の改正によって、今後大きく変わっていく可能性もあります。みなさまにもこの介護給付費用について、一緒に考えていただけたらと思います。

ぜひ記事のシェアをよろしくお願いします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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