独立開業・起業

作業療法士として独立開業(起業)する際に知っておきたいこと


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作業療法士の資格もっているから開業を考えているんだけど、何か良い方法ないかな?

そんな時はこの記事でどうじゃ。手順から資金調達の方法まで載っているからお勧めじゃ!

なるほど!!ありがとう、おじいちゃん!僕頑張るよ!

作業療法士の資格を持ち、独立開業を考えている皆さま。

実際に作業療法士として独立開業する際の手順やその費用など、どの程度ご存じですか?

今回の記事では、作業療法士として独立開業を検討するにあたり、知っておいて頂きたいポイントを紹介しています。

一読し、ぜひ今後の開業にお役立てください。

リハビリ

作業療法士は独立開業できるの?

作業療法士とは、病気や事故によって、身体に障害や不自由さを負ってしまった方に対し、医師の指導の下でリハビリテーションを行うことを主たる業務としています。

日常生活に必要な能力を維持、改善するために、身体を動かす訓練や指導などを行う専門職です。

ここで独立開業について、考えてみることにしましょう。

独立開業において、医師は、個人で開業することができ、自身が行った医療行為について医療保険から報酬を請求することができます。

一方、作業療法士が独立開業を行う場合において、個人でリハビリテーションを実施しても、医師の指導に基づいていない限り、医療保険への請求はできません。

すなわち、作業療法士には、「開業権がない」と言い換えることができます。

それでは、作業療法士が開業するためにはどのような形式があるのでしょうか。

作業療法士が独立開業するビジネスモデルをいくつか挙げてみました。

整体院を開設する

自ら整体師となって、医療保険適用外の事業として開設します。

「整体院」の開業には資格は必要ないと解釈されることが多いようです。

マッサージ院、エステ院なども考えられるでしょう。ただし、健康に害を与えないことなど、医師法、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律、柔道整復師法などに触れないよう十分な配慮が必要です。

訪問看護ステーションや、デイサービスを開設する

介護保険の指定基準を満たし、介護報酬を請求できる体制を取ったうえで、リハビリテーションなどを行う形にすれば、作業療法士としての資格を活かすことができます。

セミナー講師になる

「介護予防のため、日常に取り入れたい運動」など、作業療法士としての経験と知識を活かせるテーマで、普及活動を行うことも考えられます。

これらの中で、作業療法士として開業する際、最も選ばれるビジネスモデル、それは「訪問看護ステーションの開設」と言われています。

訪問看護ステーションの開設にはまず「介護保険の指定基準(後で詳しく紹介します)」を満たさなければなりません。

しかし、メリットとして介護報酬が請求できる点、さらにデイサービスなどの他の介護事業に比べて参入障壁が低いといった点が挙げられます。

作業療法士で独立開業を考える場合には、「訪問看護ステーション」の開設が一番の近道と言えるかもしれません。

作業療法士が独立開業していくら稼げる?

作業療法士の平均年収

厚生労働省が行った「平成28年度賃金構造基本統計調査」の中に、「職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与及び年間賞与その他特別給与額」の統計表があります。

理学療法士及び作業療法士に関する統計値を抜粋しました。すべて、平均値です。

年齢 31.8歳
勤続年数 5.3年
月間給与 27.0万円
年間賞与 70.1万円

単純計算ですが、作業療法士の平均年収は394.1万円となります。

独立開業した作業療法士の年収

独立開業した際に得られる年収は、選んだ事業、その事業内容や料金設定、あるいは事業所の立地場所や従業員の雇用形態など、考慮すべき要素はさまざまあります。

そのため、一概に平均年収を割り出すことは難しいでしょう。

作業療法士での独立開業の手順

ここでは、一般的に多くみられる「①整体師として開業する」、「②訪問看護ステーションを開業する」の二つのケースについて、開業の手順を紹介します。

作業療法士の資格を保有し、整体院として開業する

整体院を開業する場合を考えてみましょう。

整体院を開業する場合、役所などに書類を提出する必要はありません。

※ただし、個人事業主として独立・開業することになりますので、「個人事業開業届出書」、「青色申告承認申請書」の手続きなどが必要です。

作業療法士の資格を保有し、訪問看護ステーションを開業する

訪問看護ステーションを開業する場合を考えてみましょう。

介護報酬を請求できる事業所として、介護保険の指定を受ける必要があります。この指定申請は「法人」である必要があります。指定申請の前に、法人設立を行いましょう。

介護保険の指定を受けるためには「人員基準」、「設備に関する基準」、「運営に関する基準」の3つの指定基準を満たす必要があります。

まず「人員基準」ですが、管理者1名(常勤:保健師または看護師)と、看護職員2.5名以上(最低1名は常勤、常勤換算で2.5名以上:保健師、看護師、准看護師のいずれか)を置くことと定められています。

ちなみに作業療法士は、基準には含まれていませんが、「職員」として、訪問看護を提供することができます。

次に「設備に関する基準」です。以下の3つが定められています。

  • 事業の運営を行うために、必要な広さを有する事務室があること
  • 事務室と区分された相談室があること
  • 訪問看護の提供に必須な設備や備品を備えること(車両、事務機器、感染症予防として消毒に使用するものなど)

3つ目の「運営に関する基準」では、主治医の指示に基づき、適切な訪問看護の提供がなされるよう、記録や管理についての基準などが定められています。

指定基準を満たす準備が整い次第、必要な書類を作成し、介護保険の指定を行う都道府県等に、指定申請書類を提出します。

審査が通り、訪問看護事業所として指定を受けることができれば、開業(=事業開始)となります。

作業療法士での開業費用

ここでも、「①整体院として開業する」、「②訪問看護ステーションを開業する」の二つのケースについて、開業費用を紹介します。

整体院として開業する場合

物件取得費

整体院として使用する事業所の賃料などです。自宅で開業する場合は、もちろんかかりません。

設備投資費

提供するサービスに必要な器材・備品に要する費用がかかります。また、自宅であれば何らかの改修工事を行う場合もあるでしょう。

人件費

個人で行える範囲も、自ずと決まって来るはず。場合によっては従業員の雇用が必要です。人件費として従業員に支払う給料の他、社会保険料、交通費なども考慮します。

広告宣伝費

顧客獲得のための広告宣伝費などです。

訪問看護ステーションを開業する場合

法人設立費

株式会社、合同会社など、法人を設立するために必要な費用です。法人登記にかかる費用などがあります。

物件取得費

介護保険の指定基準、設備に関する基準」を満たす事業所が必要です。物件の取得、あるいは賃貸にかかる費用です。また、車両を使用する場合、その駐車スペースも確保しなければなりません。

設備投資費

パソコンなどの事務機器、サービス提供に必要な器材・備品にかかる費用です。また「設備に関する基準」にある、感染予防の消毒液なども準備します。

人件費

介護保険の指定基準である「人員基準」を満たすだけの人件費が必要となります。

車両関連費

事業所規模によって、必要な車両の台数が決まってくるでしょう。車両にかかる保険料、車検代、ガソリン代など、諸経費が考えられます。

作業療法士で独立開業する際の資金調達方法

作業療法士の資格を取得してすぐに独立・開業とはなかなかいきません。病院、施設などで経験を積み、その間に自己資金を準備していくことが大切です。

いよいよ、独立・開業を検討する段階に至った時、自己資金では足りない分を、借り入れなどで調達します。

ここでは、日本政策金融公庫が行っている融資制度を紹介します。

新創業融資制度

次の3つの要件を満たしていれば、利用が検討できます。

創業の要件

新たに事業を始める、または事業開始後税務申告の2期を終了していない人

雇用創出の要件

雇用創出を伴う事業を始める、など

自己資金要件

新たに事業を始める、または事業開始後税務申告を1期終了していないかつ、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる。

資金の使いみちは、「新たに事業を始めるため、もしくは事業開始後に必要としり資金」とされています。

融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)で、各融資制度(ここでは2つ紹介します)を利用する場合には、無担保・無保証人の特例措置として、扱われることになります。

新規開業資金

「雇用の創出を伴う事業を始める」場合などが対象で、資金の使いみちは、「新たに事業を始めるため、もしくは事業開始後に必要とする資金」とされています。

融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、返済期間は「設備資金」が20年以内(うち据え置き期間2年以内)「運転資金」が7年以内(うち据え置き期間7年以内)となっています。

女性、若者/シニア起業家支援資金

「女性、または35歳未満か55歳以上で、新たに事業を始める/事業開始後おおむね7年以内」を対象とする融資です。「融資限度額」などは新規開業資金と同様です。

※なお、公的融資には、都道府県や市町村などの自治体が手掛けているものもあります。日本政策金融公庫の融資枠に比べると小額ですが、比較的簡便に借りられるメリットがあります。詳しくは各自治体、都道府県のサイトを参照ください。

まとめ

作業療法士での独立開業について、紹介してまいりました。

「独立開業するためには、いくつかの方法がある」とお分かりになったかと思います。

これまでの作業療法士の経験を活かして開業し、経営を軌道に乗せることは、もちろん大きな目的ではあります。

しかしそれ以上に、「作業療法士としての知識と経験を活かし、どのような社会貢献をしていきたいのか」その想いこそが、最も大切なのではないでしょうか。

この記事が参考になりましたら、シェアしていただけると幸いです。

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